夏沢鉱泉アイスギャラリー
日程:2025/02/28-03/01
概要:夏沢鉱泉に泊まり、初日はアイスギャラリーG3、2日目は同G4を登る。
山頂:---
同行:MIHOさん / kusutto氏
山行寸描


1月の唐沢の滝でご一緒したMIHOさんから、次なる行き先として提案のあった夏沢鉱泉アイスギャラリーへ1泊2日。すでにアイスシーズン最終盤ですが、ここでこの冬の練習の総仕上げをして来季につなげるのも悪くないアイデアです。アイスギャラリーと言えばお手軽アイスゲレンデの代表格で、私は2020年に今回と同様に夏沢鉱泉泊で登ったことがありますが、kusutto氏はなんと1週間前にやはり1泊2日で訪れたばかり。そんなわけで今回は、kusutto隊長にもろもろのプランニングをお任せしてのお気楽クライミングになりました。
2025/02/28
△10:05 桜平 → △10:25-11:00 夏沢鉱泉 → △11:20-15:25 アイスギャラリーG3 → △15:35 夏沢鉱泉
夏沢鉱泉へのアプローチはまずkusutto号で唐沢鉱泉・桜平分岐まで入り、そこで鉱泉の迎車に乗って桜平まで送ってもらって、荷物はそのまま車で運んでもらえますが人はそこから20分ほどの歩きとなります。
まずはチェックイン(モンベルクラブ会員は500円引き!)をすませ、着替えなどの不要な荷物はあてがわれた部屋にデポしてから、身繕いをしてさっそくアイスギャラリーを目指します。
この日アイスギャラリーに入るクライマーはG4に2名、G3に我々3名の合計5名。歩き出してわずかの登りで右へ沢を渡り、谷筋の中の明瞭な踏み跡を辿っていくと行く手に小ぶりながらはっきりした氷瀑が見えてきました。
これがG3のF1です。オーバーユース(?)のせいか穴がぼこぼこ開いている上に左(右岸)側は岩が露出してしまっていますが、まずは私のリードでこの滝の上に出てF2とF3に期待することにしました。
少し先にあるF2も残念ながら階段状になっており、氷瀑としてはお世辞にも立派とは言えません。しかし、それならそれで使い道があります。
すなわちここでMIHOさんが擬似リードを行うことにし、kusutto氏が最初に登ってトップロープを張ってから練習を重ねたのですが、もしやMIHOさん、腕を上げたのでは?私とkusutto氏もラインを変えながら数本登りましたが、その先のF3は影も形もない状態だったので適当に切り上げてF1の下に戻り、行動食をとってからF1でさらに練習を重ねました。
最初から最後まで貸切のまま4時間ほど登ってこの日のプログラムは終了。今宵の宿までの下り道はわずか10分という手軽さでした。
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夏沢鉱泉に戻ったらまずは入浴、しかる後に飲み会、そして豆乳鍋を中心とするおいしい夕食です。しかしちょっと飲みすぎたかも……。
2025/03/01
△06:45 夏沢鉱泉 → △07:10-11:40 アイスギャラリーG4 → △11:55-13:30 夏沢鉱泉 → △13:45 桜平
5時半起床、6時から朝食。今日は我々がG4で、昨日G4に入っていた2人組がG3という分担になりました。それでもこの日は土曜日なので後からG4に入ってくるパーティーがいるのではないかと思っていたのですが、少なくとも午前中のG4は昨日のG3と同じく我々の貸切になりました。
きんと冷えた朝の空気の中、夏沢鉱泉の建物の前からは彼方に槍ヶ岳から穂高岳にかけてのスカイラインがはっきりと見えています。今日あの稜線上にいる登山者はそう多くはないでしょうが、もしいたとしたら周囲の絶景に歓喜の声をあげているに違いありません。
kusutto隊長による事前情報に基づき、G4へは雪で埋もれた谷筋を下から詰めるのではなくいったんG3の谷に入って途中から左へ踏み跡を辿ってトラバース。G4の谷の途中に合流してこれを上流へと向かうと、やがて前方にF1が見えてきました。
こちらは昨日のG3のF1・F2とは比較にならない大きさ(トップロープは50mロープの折返しでちょうど)で、中央左寄りのふくらんだ部分は水が滴っていましたが、右半分は穴ぼこだらけながらもいい感じに立っています。ここにkusutto氏が振られ止めを設置しながら巧みにトップロープを張ってくれて、全部で4ラインを休みなく登り続けました。これは大変よい練習になりましたが、シーズンの序盤のうちにここでトレーニングできていればモアベターだったことでしょう。
続いてF2は私がトップロープを張りましたが、時間的にすでにいい頃合いになっていたので、MIHOさんは1本、kusutto氏と私は2本登ったところで撤収にかかりました。
振り返れば蓼科山の奥には白馬三山から鹿島槍ヶ岳までの後立山の山々が白く輝いており、私がその姿に見惚れているうちにkusutto氏がセットしてくれたロープでF1の下へ懸垂下降して、元来た道を夏沢鉱泉へと戻りました。
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夏沢鉱泉からは再び桜平まで歩いて、そこから鉱泉の車で唐沢鉱泉・桜平分岐へ運んでもらうことになりますが、下り始めるべき時刻(当初の予定は14時頃)までずいぶんゆとりがあったので、まずは地ビール(サミーデ・スタウト[1])の生ビール中ジョッキとカレーライスをいただき、さらに他の客が注文したプレーンチーズケーキとコーヒーがおいしそうだったのでこちらまで追加してしまいました。先日の赤岳のレポートでお財布の軽量化に「J&N」は効果てきめん
と書きましたが、どうやらこれは濡れ衣で、私自身にアフタークライミングでの散財癖があったようです。「J&N」さん、申し訳ありませんでした。
このゲレンデトレーニングの後、3月中旬に今季最後のアイスクライミングを南沢大滝で行う予定でしたが、私が冬季登攀に愛用しているブラックダイヤモンドのビジョンハーネスにリコールがかかってしまいました(詳細は〔こちら〕)。このため、今季のアイスクライミングはこれにて強制終了です。残念。
とは言え、この冬は通い慣れた八ヶ岳のみならず松木渓谷にも行けたし能取岬にも行けたしでそこそこ充実していました。そして行きたいところはまだまだいくらでもあるので、今年1年がんばって体力の維持向上に努め、来シーズンもアイスクライミングを楽しめるようにしたいと思っているところです。
脚注
- ^八ヶ岳山麓のクラフトビールブランド「8Peaks BREWING」による、焙煎したモルトを使用した黒い色の一品。
モルトの薫りと深めのコクが特徴
ということだが、飲み口はとてもマイルドだった。ちなみに「さみーで」とは諏訪地域の方言で「寒いから」という意味なのだそう。