岩根山荘アイスツリー / 小川山唐沢の滝

日程:2025/01/22-23

概要:初日は岩根山荘の人工氷瀑=アイスツリーで練習をし、翌日、小川山廻り目平からカモシカ登山道を登って唐沢の滝でアイスクライミング。

⏿ PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:---

同行:ミホさん / クス氏

山行寸描

▲唐沢の滝全景。上の画像をクリックすると、下段の滝の結氷状態をより鮮明に見られます。(2025/01/23ミホさん撮影)
ミホクスコンビと共に平日二日を使って岩根山荘のアイスツリーで練習をしようというプランは昨年12月上旬にすでに決定し、予約もしてあったのですが、直前になって小川山の唐沢の滝が登れる状態にあるという情報が入ってきたため、それなら初日はアイスツリーで軽くトレーニングし、二日目に唐沢の滝を目指すことにしようと計画を修正しました。唐沢の滝は2020年に登ったことがありますが、そのときは2月上旬。今回はまだ1月下旬というタイミングなので、どこまで氷が発達しているのか未知数です。

2025/01/22

△10:30- 岩根山荘

まずは岩根山荘で午前から練習開始。平日ながら我々以外に3組がアイスツリーに取り付きましたが、そのうち1組は先月の裏同心ルンゼでも出会ったJAGUのTガイドでした。もしやクス氏とTガイドの間には、何かの絆が結ばれているのでは?

今年のアイスツリーは出来が良いらしく、全面的に十分な氷が着いていました。とは言っても日当たりがいいバーチカルな面(写真の右側)はツララの集合体のようになっていて難しそうでしたが、我々は基本練習を繰り返してフォームを固めることに主眼があるので、左側の緩傾斜→垂壁の面にトップロープを張ってひたすら上り下り(クス氏と私はスクリューも使いながら)を繰り返しました。

途中でロープの位置を入れ替えながら登り続ける内に、気がつけば他のパーティーはいなくなっており、登っているのは我々だけ。それもそのはず、アイスツリーの利用時間は16時までなのにそのことに気づかずしつこく登り続けていたからで、アイスツリーの足元の氷の破片を山荘のご主人が片付け始めたことでやっとそのことに気づき、時間超過のお詫びを言ってそそくさと撤収しました。

極楽のような風呂に入って身体を温めたあとは、部屋で軽く一杯、ついで岩根山荘ならではのおいしい夕食にワインが進みます。ただ、最初に飲んだ白は良かったのに、後から飲んだ赤はイマイチだったのがちょっと残念……というより、明日もクライミングがあるのに3人でワインのフルボトルを2本空ける方がどうかしているのですが。

2025/01/23

△08:10 廻り目平 → △09:10-11:40 唐沢の滝 → △12:25 廻り目平

10時間ほどもぐっすり眠ってから朝食をとって、お世話になった岩根山荘を辞して廻り目平へ向かいます。

クス号はFFベース4WD・スタッドレスですが、ところにより氷が路面を覆っている廻り目平までの道では慎重な運転が必要です。そんな状態で、しかもこの早い時間帯に廻り目平には人はいないだろうと思っていましたが、駐車場に着いてみると1台が先に駐まっていました。もしや冬ボル?我々の方はただちにカモシカ登山道を辿って唐沢の滝を目指しましたが、もともと赤ペンキが随所にある上に踏み跡も続いていたので道に迷う気遣いはありませんでした。

懐かしの唐沢の滝に到着しました。ミホさんは呑気に記念撮影をしていますが、私はオブザベーションに余念なし。この滝は上下2段になっていて、予想していたとおり、前回来たときと比べると上段も下段も氷の発達がイマイチな感じです。しかし、下段の滝をしばらく眺めていると確かに登路と言ってもよさそうなラインが見えてきました。

トップロープを張って練習することも考えられますが、とりあえずリード&フォローで登ってみることにして私のリード。正面のボコボコを避けて右のつるんとした緩傾斜から取り付き、角度が変わるところで左にトラバースしてまずはテラス状を目指します。

テラス状は安定して立てる形になっており、そこから上を見上げると思ったほど傾斜はきつくなく直上もできそう。しかし真の弱点は直上ではなく右上へ回り込むラインで、そちらに進むとフレンドリーな凹角が上へと導いてくれます。もっとも、そのおかげで左→右→上と蛇行するおよそアイスクライミングらしからぬラインどりになってしまいました。

落ち口の上に出て振られ止めをセットしたら、左(右岸)の懸垂支点にトラバースして下段終了。ミホさん、クス氏の順に迎え入れましたが、大丈夫かな?と心配していたミホさんは下にいるクス氏からの助言も受けながら無事にトップアウトしました。

むしろ落ち口からビレイ点までのトラバースの方が、落ちれば大きく振られることになるので登る方も確保する方も緊張しますが、ミホさんはこれも着実にこなしてビレイ点に到着。いや、よくがんばってくれました。

続くクス氏は危なげなく登ってきて、ここで上段の滝を眺めてみると日当たりが良すぎてけっこう派手に水が滴っている状態ですし、中央は岩が露出してその上を水流が流れているのも見えました。左寄りから登っていけばかろうじて登れそうなラインも目に入りはしたものの、そこまで無理をしなくてもいいだろうと今回は下段の滝だけで終えることにして、懸垂下降にかかりました。

この後、クス氏にリードをするかどうか聞いてみたのですが、どうやら私の心の中の「早く下って焼肉を食べに行きたい」という声が聞こえたらしく、謙虚なクス氏はもっと結氷状態が良さそうな来月にここを再訪することにしてくれました。こうしてその場を離れようとしたちょうどそのときに、我々と入れ替わるように三人組が登ってきましたから、我々が早めに切り上げたことは彼らにとっても幸運だったということになります。

とは言うものの、廻り目平に下り着いたのは12時40分と早い時刻だったので、二人には少し物足りなかったかもしれません(申し訳なし)。ぜひ次は自分たちで、思う存分登りにきてください。

廻り目平からの凍った下り道では車が横滑りする場面もあって肝を冷やしましたが、どうにか無事に小川山クライマー御用達の「ふじもと」に到着し、焼肉定食(お肉大盛り)に舌鼓を打つことができました。

ところで、とあるサイトの情報によるとこの店舗はもと呉服屋だった店構えをそのまま残しているのだそう。確かに焼肉屋にしては変わった作りだなとは思っていましたが、本当かな?

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