南沢小滝

日程:2023/12/20

概要:美濃戸から南沢小滝を往復。

山頂:---

同行:アユミさん

山行寸描

▲南沢小滝。毎度のごとく、氷はぼこぼこの穴だらけ。(2023/12/20撮影)

山友アユミさんとは前々から「12月に入ったら裏同心ルンゼに行こう」という話をしており、11月には翌月のアユミさんの都合と私の都合を突き合わせてこのタイミングでの山行を設定していたのですが、私の方がフライングしてしまったことに加え、数日前の大雨のためにジョウゴ沢も裏同心ルンゼも氷が溶けてしまったという情報が入ってきたので、かろうじて登れそうな南沢小滝を目指すことになりました。

アユミさんは前日の仕事が遅くまであるために当日の早朝発。私の方は前日のうちに美濃戸口まで入って八ヶ岳山荘の仮眠室泊です。この日は平日であるために茅野駅から美濃戸口へ向かうバスが運行しておらず、タクシーを使うと数千円もかかるところですが、別手段を利用して1,000円未満で美濃戸口に15時頃に入ることができ、まずはビールで一人前夜祭。さらに夕食は山賊焼定食をいただき(17時までに食べ終える必要あり)、満ち足りた気持ちで仮眠室に入りました。

2023/12/20

△08:55 美濃戸 → △10:20-15:25 南沢小滝 → △16:25 美濃戸

アユミさんの合流予定時刻は午前8時頃。こちらは7時前に起床して、山荘の朝定食(洋)をいただきつつアユミさんの到着を待ちました。

無事に到着したアユミさんの車で美濃戸まで入り、赤岳山荘の駐車場をスタートしたのは9時少し前。およそ冬の八ヶ岳とは思えない乾いた(雪がない)道がどこまでも続きます。

歩きやすいのはいいのだが、これで本当に滝は凍っているのかなと心配しながら歩き続けるうちに、さすがに途中から地面に白いものが目立つようになり、南沢大滝・小滝への分岐あたりは初冬の装いになっていました。

南沢小滝に到着。ボコボコの穴だらけですが、氷はしっかり凍っており問題なく登れそうです。我々の前にはガイドパーティーの3人組が準備中で、我々も適当な場所にザックを置いてただちに身繕いにかかりました。

この日はトップロープで登り込もうとあらかじめ申し合わせてありましたが、出だしは正面からリードしても良さそうに見えます。しかし、この南沢小滝の状態は2021年にセキネくんと来たときとそっくりで、あまりにもボコボコ過ぎるために安心してスクリューを入れる場所が見つけられるかどうか不安です。そんなわけであっさり左から巻き上がり、ガイドパーティーのロープと干渉しないラインにトップロープを張りました。

以下、ひたすらTRでの上り下りの繰り返し。最初に左半分で2本ずつ登ってから大休止(温かいカップヌードルが嬉しい)、そしてスクリューを使ったりフォームを修正したりと自分で課題を設定しながら登り続け、後半でガイドパーティーがロープの位置を変えてくれたので中央のかぶったカンテ状のラインも登って、最終的にはアユミさんが7本、私が8本。ガンガン蹴って氷片の雨を降らせるナオコメソッドを試すアユミさんと「打たない・蹴らない・壊さない」を心掛ける私との対照的な登り方を、ガイドさんはどう見ていたか聞いてみたい気もします。

よい頃合いになったので構築していた支点を回収し、残置スリングを使って滝の下に懸垂下降したらトレーニングは終了です。「今日は10本ずつ登ろう!」という目標には届きませんでしたが、それでもよい練習になりました。

往路を戻って赤岳山荘に帰り着いたのはまだ夕日が残っている時刻で、振り返ると寒々しい雰囲気の阿弥陀岳がこちらを見下ろしています。今日の練習の成果を活かす機会を来年作ろうという話をしながら、アユミさんの車で帰京しました。

冒頭に記した「平日に安く美濃戸口に入る方法」は、次の通りです。まずは茅野駅西口4番乗り場から平日に限り1日5便出ている茅野バス観光の穴山・原村線のバスに乗って原村役場まで(所要30分余り・640円)。こんなに小さなバスだとは思っていなかったので少々驚きましたが、車内には両替機もないのでお釣りがいらないようにぴったりの運賃を用意しておく必要があります。

原村役場から今度は1日6便の原村循環線(セロリン号)八ヶ岳線に乗り継いで三井の森を目指します(所要20分余り・300円)。セロリン号の路線は複数あり、その一つは富士見駅から原村役場までを結んでいるのでそちらの方が若干安そうですが、新宿から特急に乗る場合は茅野駅からのこの乗継ぎの方が便利はいいかもしれません。ちなみに「セロリン」というのは高原野菜の産地である原村のご当地キャラクターで、実は原村はセロリの夏場生産高が日本一なのだそうです。

この路線図で見るとセロリン号の停留所のうち三井の森が美濃戸口に最も近そうですが、運転手さんに聞いた話では実践大学前でも大差ないのだそう。どちらにしても美濃戸口まで歩いて30分ほどで着くことができます。

しかし、これまた運転手さんに聞いたところによると、セロリン号は2024年2月から運行方式が時間を決めての巡回ではなくオンデマンドでの予約制(要事前登録)に変わり、なおかつ料金が距離に応じた従量課金になる(原村役場から美濃戸口までだと現在の倍以上になる)予定なのだそうです。詳しいことは年が明けたら原村から広報されるだろうということでしたから、今後セロリン号を使って平日に美濃戸口を目指そうとするなら原村の公式サイトをチェックする必要があります。