八王子八峰

日程:2022/02/06

概要:武蔵五日市駅からほぼハセツネのコースに入って今熊山・刈寄山・市道山のピークを踏み、醍醐丸から和田峠を経て陣馬山に登り景信山・小仏城山を越えて高尾山まで、八王子八峰の山々を縦走。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:今熊山 505m / 刈寄山 687m / 市道山 795m / 醍醐丸 867m / 陣馬山 854m / 景信山 727m / 小仏城山 670m / 高尾山 599m

同行:---

山行寸描

▲刈寄山の近くの開けた場所から高尾山方面を見る。遠くの丹沢の山々が立派。(2022/02/06撮影)
▲陣馬山の山頂から北を見る。ここから戸倉三山が見えていたとは知らなかった。(2022/02/06撮影)

COVID-19に伴うまん延防止措置のためにただいま都県境越え絶賛自粛中。よって今回も奥多摩方面の低山歩きの中で面白そうなコースを物色してみたところ、Wikipediaの「奥高尾縦走路」の解説の中に八王子八峰というのがあるのが目に付きました。これは高尾山・小仏城山・景信山・陣馬山・醍醐丸・市道山・刈寄山・今熊山の八つの山をつなぐコースで、かつてはこれを歩き通すトレイルランニング大会も八王子市によって実施されていたそう(ただし醍醐丸、市道山、刈寄山の各山頂部分は八王子市域には属していないそうですが、そのあたりは大目に見ましょう)。

よし、行くならこれだ。ただし寒さ対策のために着膨れた状態で走るのは難しいので基本は徒士歩きにするとして、帰りの電車の都合やコースの後半にエスケープの可能性を多く設定することを考えて今熊山側から歩き出すことにしました。

2022/02/06

△06:25 武蔵五日市駅 → △07:45-08:00 今熊山 → △09:00 刈寄山 → △11:00-10 市道山 → △12:15 醍醐丸 → △12:45 和田峠 → △13:05-15 陣馬山 → △14:30-35 景信山 → △15:00 小仏峠 → △15:20 小仏城山 → △15:55-16:00 高尾山 → △16:55 高橋家

午前3時半起床。今回の山行の核心部は、ここで寝床を離れられるかどうかにあったと言っても過言ではありません。惰眠を貪りたい気持ちをぐっと押さえつけ、身支度を整えて始発電車を目指して家を出ました。

山旅の起点は武蔵五日市駅です。しばらく車道を歩いて街道筋を離れ秋川を渡るあたりからは日本山岳耐久レース(通称「ハセツネ」)でおなじみのコース。見慣れた廣徳寺前を左に折れて山越えをして変電所の脇を歩くところでようやく日の光を浴びました。

ハセツネ通りならさらに車道を進むのですが、今回は消火栓のところで右に折れて今熊神社の裏参道を登ることにしました。十二曲りとも呼ばれたというこの山道はなかなか風情があり、気分良く登っていくと行く手に今熊神社の社殿が見えてきました。

八峰その一、今熊山。このピークに立つのは1985年以来で、こじんまりはしていてもこれほど立派な神社があったことはまったく記憶に残っていませんでした。この山はここだけを目的に登ってもいいと思えるほど、私にとっては好ましい雰囲気でした。

表参道を少し下って、いよいよ縦走路に入ります。ここから先は過去6回参加(うち完走5回)したハセツネで歩いている区間ですが、最後にこの大会に参加したのは2015年ですし、そのときは刈寄山と市道山のピークは踏まないコースどりなので、慎重に地図を読みながらの歩きとなります。

八峰その二、刈寄山。「かりよせやま」と呼ぶとは知らなかった……。

刈寄山を南に進んだところにある分岐点トッキリ場から西へ続く稜線は峰見通りと呼ばれており、何をもって「峰見」なのかは不明ですが、陣馬山の赤く禿げた山頂から高尾山へ続く奥高尾山稜が木の間越しに見えていました。

八峰その三、市道山。意外に眺めが良いことに驚きました。関東平野が一望でき、筑波山も見えていましたし、東京の高層ビル群やスカイツリーもはっきりと見えました。

この市道山を少し下って平坦になったところになぜか「醍醐峠」の道標が立っていました。醍醐峠は醍醐丸の南なのでは?(「山と高原地図」でも「山と溪谷オンライン」でもそうなっています)と思ったら案の定、これは公式に設置されたものではないらしく標識を設置された方へと題して設置の経緯を聞きたいので連絡せよというレンジャーの札が掛けられていました。

その日付が2021年12月19日で、道標自体も新しそうに見えることから、これが立てられたのは昨年なのだろうと思います。ともあれ、しっかりした作りの道標をわざわざ間違ったところに立てた「犯人」の意図が読めないままにここを通過しました。

ところが、この山行の後に入手したハセツネ公認マップを見ると確かにこの位置が「醍醐峠」で、醍醐丸の南の峠は「篠窪峠」となっていました。どちらが正しいのか?ともあれ、標識の設置者はハセツネと関わりがあるような気がしてきました。

醍醐丸の手前には「日本山岳耐久レース15km地点」の標識あり。このレースのコースは全長71.5kmですからまだ2割程度しか来ていない計算ですが、過去のハセツネ経験ではこの辺りの登りが地味に辛かった記憶があります。

八峰その四、醍醐丸。13時スタートのハセツネだとだいたいこの辺りで暗くなっていたのですが、今日は出発が早いので正午過ぎに到着しました。明るい醍醐丸に立つことができて、意味もなくうれしい。

醍醐丸から和田峠を経て陣馬山から高尾山までは十分に勝手がわかっているので、一気に気持ちが軽くなりました。車が何台も駐まっている和田峠をスルーして、遠目にも赤茶けて見える陣馬山の山頂までは階段登りを交えた一投足です。

八峰その五、陣馬山。寒気が入り、雲が広がってきました。そうなると茶屋で暖かい食べ物や飲み物を口にしたくなりますが、今回は無補給にするというルールを自分に課しているので、出がけに買った菓子パンとポットのお湯をそそくさと口にして、先を急ぐことにしました。

ここから先は何度も歩いたり走ったりしたコースなので説明は不要でしょう。下り基調で前方に人がいないときには小走りに足を進めましたが、さすがに人気のコースなので走れる時間帯は多くはありませんでした。

八峰その六、景信山。山頂の茶屋は営業中で、ハイカーが三々五々寛いでいました。

景信山もまた大展望が楽しめる山ですが、同時にここは……というより八峰のうちでここだけは「鬼滅の刃」の聖地でもあります。

縦走継続。小仏峠を越えて小仏城山への登り返しのあたりから、さすがにふくらはぎが張ってきました。

八峰その七、小仏城山から高尾山まではわずかの頑張りです。

高尾山の展望台から眺めた丹沢の山々が逆光の中にシルエットとなって神々しい感じ。「まん防」が明けたらあちらにも登りに行きたい。

八峰その八、高尾山。時刻が遅いせいか寒いせいか、登山者の姿はまばらでした。売店の類もみな閉まっていて寒々しい感じです。ともあれこれで八王子八峰コンプリート。スタートから9時間半かかりましたが、今回はこんなものでしょう。軽装で走れる時期に同じコースを辿ればそれなりに時間短縮ができそうですが、ここは一度歩けば十分かな。

驚いたことに薬王院の境内にも人っ子一人いませんでした。こんな薬王院を見たのは初めてです。

下山は薬王院の下の展望台から2号路を経て琵琶滝へ下り、6号路の下部を歩いて清滝駅まで。GPSを止めて高橋家に入ったのはラストオーダー(17時)の5分前でした。