塾長の山行記録
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塾長の山行記録

丹沢主稜縦走

日程:2022/01/08

概要:大倉から塔ノ岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳〜檜洞丸を越えてツツジ新道を西丹沢自然教室に下る丹沢主稜縦走をワンデイで。

山頂:塔ノ岳 1,491m / 丹沢山 1,567m / 蛭ヶ岳 1,673m / 檜洞丸 1,601m

同行:---

山行寸描

▲蛭ヶ岳西面から見た臼ヶ岳と檜洞丸(雲の中)。その間の尖ったピークは同角ノ頭。(2022/01/08撮影)

成人の日の三連休は2泊3日で少々意欲的な山行を計画していましたが、2日前に通過した南岸低気圧の置き土産(雪)のためにこのプランはお預け。しからばと通い慣れた丹沢主稜縦走で新雪を楽しむことにしました。塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸をつなぐ丹沢主稜縦走コースを初めて歩いたのは1989年3月のこと。このときは残雪期であったこともあり蛭ヶ岳山荘泊の1泊2日でしたが、続く2006年2016年はいずれもゴールデンウィークにワンデイで歩いています。今回は新雪直後とあって足回りをそれなりのものにしウェアも厚手のものを採用することになるので、ワンデイでは過去2回に比べて少々ハードルが高いだろうと予想しながら行程を検討しました。

2022/01/08

△07:05 大倉 → △09:42-47 塔ノ岳 → △10:28 竜ヶ馬場 → △10:48-11:01 丹沢山 → △12:41-56 蛭ヶ岳 → △14:15 臼ヶ岳 → △15:58-16:05 檜洞丸 → △17:38 ゴーラ沢出合 → △18:26 西丹沢ビジターセンター

渋沢駅から大倉行きの始発バスは座りきれない客が出るほどの満員状態でしたが、実は本来の始発の数分前に出発する臨時便が出ていたことを知らない登山客が皆この臨時便に乗り込んだためだったようです。

大倉で日の出を拝んでから大倉尾根を登ります。上がりそうな息を整えながら足を運んで、駒止茶屋あたりからは雪の気配が漂い始めました。

坂の上の雲……というこの光景は花立手前です。花立の上からは富士山が綺麗に見えていましたが、この後すぐに雲が降りてきて富士山を隠してしまいました。

金冷シの手前からはっきり雪道ですが、雪は薄くまだ柔らかい状態なので、チェーンスパイクの必要性は感じません。そのまま塔ノ岳の山頂に到着しました。

振り返ると表尾根の向こうに大山、右に輝く相模湾。しかし、ここまで2時間半以上かかったのは想定外でした。冒頭に記したような要因もありますが、単純に脚力の衰えのせいでもあるでしょう。この時点で、ゴールの西丹沢VCへの下山は相当遅くなること(最終バスに間に合わない場合はタクシー代がかかること)を覚悟しました。

これから向かう蛭ヶ岳や檜洞丸は禍々しい雲に頭を隠されています。あまりありがたくない眺めですが、冬山らしいと言えば言える景観です。ここで行動食を口にしてから、チェーンスパイクを装着しました。

塔ノ岳から丹沢山までの道は雪に覆われていますが、多くの登山者が歩いているので歩行には何ら支障ありません。しかし、空は日が差したり雪がちらついたりと目まぐるしく変わっています。山頂のみやま山荘は食事が美味しいらしいので一度泊まってみたいもの、と思いつつ山頂のベンチで再び行動食をとりました。

丹沢山でも小休止をとってから、まずは不動ノ峰へ。ここは独立した山と言ってもいいくらいの堂々とした姿をしており、修験の行者たちの行場があったところでもあります。

不動ノ峰との間にある鞍部=早戸川乗越は、かつて箒杉沢と大滝沢をつなぐ道が乗り越していたところ。しかし今はこの稜線から早戸大滝に下るには乗越から不動ノ峰方向へ少し登り、右手の植生保護柵をかわして尾根を下る道(大滝新道)が使われます。その入口を見つけておこうというのが今回の山行のひとつの目的で、それらしい箇所は3カ所見つかり、それらの中で最も高いところの入口の木の幹にはピンクテープが巻かれていました。これかな?

不動ノ峰休憩所に立ち寄って、今日の山行への御加護を祈ってからさらに先へ進みます。冷たい風や樹霜など冬山の雰囲気が満点です。

鬼ヶ岩まで来れば蛭ヶ岳は目の前。一見遠く見えるものの、高低差がさほどないのですんなり到着できました。

蛭ヶ岳山頂でもまずは神頼み、しかる後に山頂広場のベンチで行動食。名物の「ひるカレー」を食したいものとは思いましたが、はっきりと時間が押してきているので今回はお預けです。食事をしている間に姫次から単独行の男性が上がってきましたが、彼を除けば誰もいない静かな山頂でした。

蛭ヶ岳から檜洞丸に向かう西斜面は急坂で、そこには蛭ヶ岳〜臼ヶ岳の稜線は、冬期、斜面氷結による滑落等の遭難者を出しています。十分注意して通過して下さい。 神奈川県という警告あり。もっとも、雪は2日前に降ったばかりなのでまだ氷結してはいないはずです。

思った通り臼ヶ岳周辺は厚い雪が柔らかく積もっており、雪が靴底に付着してぽっくりのようになってしまうチェーンスパイクを外して歩きました。足跡は蛭ヶ岳から檜洞丸へ向かうものが1人分だけ。途中で反対方向からの単独行の男性とすれ違いましたが、彼と私を入れても降雪後にこの区間を歩いたのは3人だけということになります。神ノ川乗越、金山谷乗越と二つの鞍部を連ねるアップダウンをこなして、やっと最後の檜洞丸への登りに差し掛かる頃になると、さすがにへばってきました。

青ヶ岳山荘は煙突から煙を出していたのでどうやら営業中です。それなら美味しいコーヒーをいただきたいところですが、もはやそうした時間の余裕はありません。いっそここに宿泊の予約を入れておけばよかったなと少々後悔しつつ先を急いで、この日最後のピークである檜洞丸に到着したのは16時頃でした。西丹沢ビジターセンター発の最終バスは19時発なのでここから犬越路を回ったのでは間に合わず、潔く最短ルートであるツツジ新道を下ることにしました。実は、ツツジ新道を歩くのはこれが初めてです。

分岐までの木道や坂道を下る階段には雪がついており、この日はまだ柔らかいので問題ないものの明日以降これが凍り付いたら厄介だろうなと思いながら下山を急ぎましたが、展望台の下あたりで暗くなりヘッドランプ頼みの下降となりました。

後は暗闇の中の道を淡々と辿るだけ……と思いきや、ゴーラ沢出合での渡渉(標識がとても親切)や思わぬところでのミツマタの群生との遭遇、ところどころに出てくるスリリングな桟道など意外に飽きさせない道を頑張って、最終バスまで十分ゆとりのある時刻に西丹沢ビジターセンターに到着しました。


2006年のゴールデンウィークのワンデイ縦走時とは比較にならないほど時間がかかってしまいましたが、実は事前に提出した登山届に記載してあった予定コースタイムにはほぼぴったり一致しています。いい勘をしていたと喜ぶべきか足の遅さを嘆くべきか難しいところですが、ともあれ乗客たった1名(私)の最終バスで新松田駅に出て、駅前の居酒屋でこの山行を締めくくりました。

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