金峰山
#1017
日程:2026/09/17-18
概要:みずがき山荘前の登山口から金峰山に登り、その日は金峰山小屋に宿泊。翌日山頂で御来光を仰ぎ、往路を戻る途中で大日岩にも登る。
◎PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。
◎GPSログのダウンロードは「ヤマレコ」から(要ログイン)。
山頂:金峰山 2599m
同行:よっこさん
山行寸描
旦那さんのフィリピン駐在に伴い3年前からマニラに転居している山友よっこさんから、9月中下旬に一時帰国するので山行ないし食事はいかが?と声がかかり、しからば喜んで接待申し上げましょうと向かった先は金峰山。2022年の表参道や2024年の八幡尾根のように、金峰山と言えばこのところ近世の登拝路・峰入道を辿る山行を重ねていましたが、今回は王道の瑞牆山荘からの往復です。ずっと雨模様が続くここ数週間の中で直前まで天気の動向にやきもきしましたが、結果的にはピンポイントの好天をつかまえることができました。
2026/09/17
△11:00 瑞牆山荘 → 11:40-12:00 富士見平 → 13:25-35 大日岩分岐 → 15:10 金峰山小屋
新宿駅のホームでよっこさんとの久々の対面を果たし、同駅発7時30分のあずさ3号で韮崎着。茅ヶ岳みずがき田園バスで瑞牆山荘まで入り、ここから山歩きが始まります。


展望台から山頂部分を雲に覆われた瑞牆山を眺めて、さらにしばらく高度を上げて富士見平に到着。プランニング段階ではランプの小屋に宿泊する案も検討したのですが、それでは翌日がここからの山頂往復となってせわしなかろうと考え、今日は山頂直下の金峰山小屋まで上がる計画にしています。


大日岩まで上がると一時的に青空が広がったのですが、これは長続きせず、砂払ノ頭に達する頃にはあたりはガスの中。ここまでの間に雨がぱらつく場面もありましたが、雨具でがっちりガードするほどではありませんでした。


とは言うものの、この天気の中で登頂しても何も見えないので、千代ノ吹上からトラバース道に入ってまっすぐ金峰山小屋を目指します。山登りというものが久しぶりのよっこさんは登山開始前は自分の脚力を不安に思っていたようでしたが、それは杞憂に終わり、むしろ予定より早く投宿することができました。たいしたものではありませんか。
金峰山小屋には2018年にも立ち寄っていますが、宿泊するのは1988年以来38年ぶりです。受付の際にそのことを話し、その前年に初めて泊まったときの(今とは異なる姿の)金峰山小屋の写真を見せると、いたく喜ばれました。
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受付をすませたらまずは缶ビールで乾杯。それにしてもこの山小屋はすばらしい!コーヒーやお茶の類はカップを持参すれば飲み放題ですし、日本酒は小屋が貸してくれたグラスに自分で注ぐ方式なので表面張力の限界に挑むことが可能です。そして夕食はご覧の通りの豪勢なもので、これを食べ終えたらおかわりとしてカレーが食べ放題。この日の宿泊客は我々の他には男性三人組がいるだけだったので、寝床も間隔を開けてゆったりと使わせてもらえました。
2026/09/18
△04:30 金峰山小屋 → 05:00-45 金峰山 → 06:00-50 金峰山小屋 → 08:20-25 大日岩 → 09:35-45 富士見平 → △10:15 瑞牆山荘
うっすら汗ばむほど暖かい寝床で惰眠を貪り、もうこれ以上は眠れないぞという4時すぎに起床。表に出て空を見上げると、満天の星空でした。どうやら快晴に恵まれたらしいことを確認してから身繕いをして、山頂から御来光を拝むために空身で小屋を出発しました。

4時半出発というのは早すぎるかなと思っていたのですが、少し高度を上げるとすでに東の空が赤く染まっています。そしてそのかすかな光に照らされて、雲海の広がりも視界に入ってきました。
山頂に到着し、足場のいい場所を選んで待機していると、空は徐々に明るくなって周囲の山々が雲海の上に浮かぶさまが眺められるようになってきました。そしてありがたいことに風がほとんどなく、寒さを気にせずにお日様が上がってくるのを待つことができました。

5時25分、国師ヶ岳の左に待望の太陽が姿を現しました。これほど見事な御来光を仰ぐのは久しぶりで、よっこさんも私も感激しながら眺め続けましたが、やがて陽光の力が強くなって直視できなくなりました。

五丈岩もオレンジ色に染まり、その向こうの南アルプスも朝焼け色に染まっています。


せっかくの機会なので、五丈岩の足元を左に回り込んで、かつて金櫻神社の本宮があった場所へよっこさんを案内しました。もとより五丈岩自体が御神体とされていますが、この一角は金峰山の宗教的な歴史をさらに鮮明に感じさせる場所です。

眼下に表参道や八幡尾根を見下ろし、その彼方に富士山や南アルプスを眺めると、この金峰山がそれ自体の山容も、歴史的な意義においても、そして山岳展望の面からも抜きん出た存在であることが実感されてきます。


さて、お日様もずいぶん高くなってきたのでそろそろ山小屋に戻らなくては。朝食の時間は5時半とされていて、小屋の方には「御来光を見るのであれば遅くなってもかまわない」と言っていただいていたものの、あまり遅くなるわけにもいきません。


30分遅れの6時に小屋に戻った我々を待っていたのは、なんとびっくり、土鍋で作られたお粥の朝食でした。昨夜調子に乗ってカレーをおかわりしたために些か疲れていた私の胃腸も、このお粥にはすっかり癒されたようでした。

朝食を終え、パッキングをすませたら、二日間の温かいもてなしに感謝の言葉を述べて金峰山小屋を発ち、トラバース道を使って下山にかかります。


後ろには五丈岩、前には瑞牆山とその向こうの八ヶ岳。これらに別れを告げて砂払ノ頭から樹林帯の中に入り、昨日登ってきた道を淡々と下りましたが、下山する前に寄り道する場所があります。

それはこの大日岩で、昨日ここから見上げたときに「明日は時間にゆとりがあるはずだから、帰りに立ち寄って登っていこう」と打ち合わせていたのでした。


白ペンキが導く登山道は、大日岩の左サイドの中腹まで登ったあと大きな岩が浮かんでいる場所で左に折れて下っていますが、てっぺんに出るためにはこの浮かんでいる岩の下をくぐることになるはず……と勘を働かせてその先へ進みながら右手を観察し続けると、どうやらそれらしい凹角が見えてきました。ただし不用意に取り付いて、登ったはいいものの降りられなくなっては詰んでしまうので、慎重に「ここは帰りにクライムダウンできるか?」と自問しながら一段ずつ高さを上げていき、ついに大日岩の頂上の小広場に達することができました。
大日岩の上で万歳!しかし下降のことが気になって、長居する気にはなれません。

実際に下ってみれば岩のフリクションの良さといいところにあるガバホールドのおかげでさほど難しいクライムダウンではありませんでしたが、それでも二人とも神経を使いました。この大日岩の登り降りにはルートファインディング能力と基本的なクライミング技術が必要で、したがって岩登りの経験が少ない人には大日岩登攀はお勧めできないというのが、実際に登ってみての印象です。


分岐にデポしてあったリュックサックを回収したら、後は歩き慣れた登山道を下るだけ。

昨日とは異なり全貌を見せてくれている瑞牆山に挨拶をしたら、瑞牆山荘を目指してスピードを上げました。おかげで予定していたよりも1本早く、10時半に瑞牆山荘の前を出発して韮崎駅へ向かうバスに乗ることができました。
韮崎駅に戻ってきた我々が向かった先はもちろん、よっこさんと私の共通の友人であるセキネくんの居城「NEXT MOUNTAIN」です。


5月の瑞牆山の帰りにここへ案内したトモミさんも、今回のよっこさんも、セキネくんと会うのは2019年の小川山キャンプ以来のはずですが、たとえ数年のブランクがあっても顔を合わせれば瞬時にかつての会話パターンが蘇るのは、お互いに命を預け合えるほどの信頼関係で繋がった山仲間のいいところ。天候と展望に恵まれた金峰山登山に加え、セキネくんとの再会もアレンジできたことで、よっこさん接待ミッションは成功裡に終えられたと思っているのですが、よっこさん、いかがでした?



