広河原沢左俣見晴らしルンゼ
日程:2025/01/07
概要:広河原沢左俣の見晴らしルンゼをワンデイで。下山は往路を戻る。
⏿ PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。
山頂:---
同行:アユミさん
山行寸描
昨秋の飯士山以来約3ヶ月ぶりのアユミさんとの山行は、八ヶ岳広河原沢の左俣でのアイスクライミング。私は一足早く前日のうちに美濃戸口に入ることにしたのですが、茅野駅から美濃戸口までのバスは平日には運行していません。しかし実は心配無用で、茅野バス観光の穴山・原村線で原村役場に行き(運賃200円)、あらかじめ予約してあるAI乗合オンデマンド交通「のらざあ」に乗り換えれば美濃戸口の近くまで運んでもらえて(運賃700円)、そこから20分ほど歩けば八ヶ岳山荘に辿り着くことができます。
八ヶ岳山荘に入ったのは15時すぎで、受付で仮眠室の料金3,000円を払ったら缶ビール片手に蔵書を読んだり窓の外の雪を眺めたり。夕方になったところで山荘のメニューの中から「鍋焼き味噌ラーメン」に初挑戦してみたところ、胡麻のきいた味噌スープにキャベツと大きな豚の角煮がいい感じです。夕食を終えたら早々に仮眠室に引き上げましたが、ちょうどそのとき斜め向かいの「J&N」の駐車場に1台の車が入るのを目撃しました。このときは気づかなかったのですが、これがアユミさんの車だったことを翌朝知ることになりました。
2025/01/07
△06:45 舟山十字路 → △08:05 二俣 → △08:25-50 左俣F1手前 → △09:20 見晴らしルンゼ出合 → △09:50-14:55 見晴らしルンゼ氷瀑群 → △15:30 見晴らしルンゼ出合 → △15:50-16:05 左俣F1手前 → △16:15 二俣 → △16:55 舟山十字路
朝6時前にアユミさんと合流して舟山十字路に移動すると、駐車スペースには先客1台、我々の直後に1台。先客の行き先は不明ですが、後から来たのはアユミさんの知り合いで3ルンゼに向かうということでした。
我々も身繕いを終えたら広河原を目指して歩き始めましたが、前日の降雪量が多く左俣はラッセル祭りになると思われたこと、アユミさんも年末にひいた重い風邪の後遺症が残っていることから、この時点ですでに行き先を見晴らしルンゼに変更しています。それにしても、天気予報では今日は好天に恵まれるはずだったのに、空はどんより雲に覆われて士気は下がるばかりです。
左俣のF1に着いたところでハーネスとアイゼン、ヘルメットを装着し、気分を入れ替えて先に進みます。F1は水面が出ていましたが、左端を歩けば釜の向こう側に渡ることができました。その後も倒木またぎや釜のへつりなどが続きましたが、いずれもさしたる問題はなく先に進むことができました。
左俣の途中から左に折れて見晴らしルンゼに入ると帰路に懸垂下降することになる小滝が二つ現れますが、いずれもフリーで難なく越えられます。
やがて懐かしの見晴らしルンゼの氷瀑群が姿を現しました。ここには去年の1月にも来ていますが、見えている範囲内では滝の状態はそのときと変わらない様子です。
毎度おなじみの模式図で示すとこのあたりの滝の配置はこんな感じで、前回は(4)(5)(2)の順に登ったので今回は(1)の滝に取り付いてみることにしました。
(1)の滝は私がリードを担当することにして、まず出だしの緩い滝はフリーで登り、その後の緩傾斜帯はすっかり雪に埋もれているので左端を登り続け、2ピッチで上部の3段滝の足元に到達しました。見上げたところではさほど立っているようには見えないこの滝も登ってみると意外に手応えがあり、特に最後の小滝はつらら状になった足元が十分発達していなかったために苦戦することになりましたが、なんとか上に抜けてアユミさんを迎えることができて、アユミさんから「ナイスリード!」と言ってもらえました。
ロープがスタックして回収できなくなりかけ青ざめる一幕を挟みつつ、どうにか懸垂下降2ピッチで滝の下に戻る間にも吹雪模様になって「これはもう撤退かな」と思ったのですが、ここでアユミさんが「もう1本」と言ってくれたので、一番近くにある(2)の滝に向かうことになりました。
(2)の滝は短い下段、緩傾斜、やや大きさのある上段という構成で、下段も上段もしっかり露出しており楽しそう。ここはその意気を買ってアユミさんにリードしてもらうことにしました。
アユミさん、ナイスリード!もっともこの滝の難易度では、アユミさんには物足りなかったことでしょう。
この滝の問題は、登りではなくむしろ下降にあります。いつもは上段の滝の落ち口すぐ左(右岸)にある灌木から懸垂下降するのですが、今日の雪の状態ではそこへのトラバースがいつになく危険だったため、滝のどんづまりからアバラコフを使って下ることにしました。そういうこともあろうかと捨て縄を納めたミニザックを背負っていたのが当たったことになりますが、氷の厚みや形状の制約からV字スレッドが鋭角で幅の狭いものになってしまったため、先に下降した私は正直ひやひやでした。
(1)の滝の下にデポしてあったリュックサックのところに戻って行動食をとったら、後はとっとと下るだけ。十分明るい内に舟山十字路に帰還することができました。お疲れさまでした。
帰路に立ち寄ったのはアユミさんのおすすめ、茅野の「ハルピン味噌らーめん 雷蔵」で、まずはノンアルコールビールで乾杯し、しかる後に餃子とラーメンという黄金コンビ。
私が注文したのはこの店のイチ押しらしい「一本角煮たれ味噌らーめん」で、豪快な角煮と味噌スープが絶妙です。図らずも昨夜の八ヶ岳山荘と似た夕食になりましたが、もしかするとこの手のラーメンが癖になってしまったのかも。