高尾山〜陣馬山

日程:2025/01/04

概要:高尾山から小仏峠を経て景信山に至り、さらに陣馬山に達する奥高尾縦走。下山後はいつもの「山下屋」へ。

⏿ PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:高尾山 599m / 陣馬山 855m

同行:---

山行寸描

▲高尾山の飯綱権現堂。今年も一年間、お守りください。(2025/01/04撮影)

2025年が明けてからの三が日は、元日に母親が入所している施設を訪問したほかはどこに行くでもなくのんべんだらり。これではまずいと高尾山薬王院へ初詣に向かいました。もちろんそれだけでは身体を動かしたことにならないので、参拝を終えたあとは高尾山から陣馬山まで歩くことにしています。

2025/01/04

△08:30 高尾山口 → △09:45-50 高尾山 → △10:35-55 小仏城山 → △11:10 小仏峠 → △11:35-40 景信山 → △13:10-15 陣馬山 → △14:05 陣馬高原下

この高尾山から陣馬山へのコースは当サイトの中で何度もレポートしているので説明ははしょり気味で進めますが、やはり正月の薬王院には独特の厳粛さと参拝者の熱気とが感じられます。

薬王院本堂の柱に掲げられている額に書かれた「世界平和」の四文字が、今年はとりわけ切実なものに感じられます。世界はさまざまに分断され、そして内向きの志向が人々の心を支配しつつある中で、せめて私の周囲のささやかなコミュニティだけでもお守りくださいと祈りつつ、仏様と神様とに手を合わせました。

高尾山頂から眺める西の空はいい天気。今日丹沢を歩いている人は幸せに満ちていることでしょう。富士山を登っている人は……あまりいないはず。

縦走を開始してからすぐに、もみじ台の北斜面の道をシモバシラ期待で歩いてみましたが、これらを見つけるのが精一杯でした。

小仏城山に着いたところで珍しく「山の茶屋 青天狗」(かつて「春美茶屋」があった場所に昨春オープン)を覗いてみると、なめこ蕎麦がおいしそう。そう言えば年越し蕎麦を食べていなかったなと思ってつい注文してしまいましたが、たっぷりのなめこに柚子の香りが効いてなかなかの出来でした。これならリピートしてもよさそうです。

小仏峠を越えて景信山に達すれば、安定の大展望。まずこちらは高尾山稜から丹沢方面の眺めです。右端の富士山は、ここでも登山者の歓声を集めていました。

そしてこちらは関東平野。この写真ではわかりませんが、肉眼では筑波山や日光の男体山なども視認することができました。もっと真剣に山座同定に取り組めば、北関東の山々をさらにいくつも指摘することができたに違いありません。

陣馬山に到着。ここまで息が上がることなく、そして汗をかくこともなく歩き通すことができました。幸いなことに、正月の怠惰な暮らしの影響は最小限にとどめられていたようです。

遠くに見える白い峰は南アルプスの荒川三山と赤石岳です。あれらの山を歩いたのは1988年、つまり今から30数年も昔のことですが、自分の中では三伏峠と荒川前岳の間の区間が宿題として残っているので、遠からず再びあの山々を訪れるつもりです。

この日はここに来るまでの間に、恵まれた自然の中でささやかな幸せを享受している人々の姿をたくさん見かけました。高尾山の手前で小学生くらいの子供に「暑くなったら竹の子のように服をどんどん脱ぎなさい」と楽しい教え方をしているお母さん、一列縦隊のつもりでもついおしゃべりに夢中になって道幅いっぱいに広がってしまうガイドパーティー、明王峠のベンチでカップヌードルにお湯を注いで嬉しそうな表情で出来上がりを待っている西洋人。この高尾山から陣馬山にかけてのルートの魅力のひとつはそうした「日常」に近いところなのですが、今年はそれらの幸せが大事に守られる一年であってほしいと願いつつ、自分のこの日最後の幸せが待っている陣馬高原下を目指して下りました。

この日の山行の最終目的地である陣馬高原下の「山下屋」さんでは、毎度おなじみ「八王子城」をいただきながらアテと蕎麦で幸せに浸りました。今日は蕎麦づいていますが、あれはあれ、これはこれです。

それにしてもこの日は三が日に体重が増えたことへの対抗策として歩いたはずでしたが、銘酒「八王子城」をおかわりした時点でその目論見は虚しく潰えてしまいました。しかもよく考えてみると(考えるまでもなく?)城山山頂の茶屋で誘惑に負けてなめこ蕎麦を注文したところから、すでに道を踏み外していたような気がします。

陣馬高原下を15時半過ぎのバスで発ち、高尾駅に着いたときには夕暮れ時。京王線のホームからは遠くに筑波山のシルエットが見えています。今日は天気と展望に恵まれて、よい初詣・よい初登りになりました。