南高尾セブンサミッツ

日程:2023/06/04

概要:高尾山口を起点に、高尾山を東と南で囲む山稜上の7峰を縦走する南高尾セブンサミッツ。大垂水峠を経て一丁平で東に向きを変え高尾山に戻り、1号路を使って高尾山口に下るハート軌跡の周回コース。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:草戸山 364m / 榎窪山 420m / 泰光寺山 475m / 入沢山 490m / 中沢山 494m / 金毘羅山 515m / 大洞山 536m / 高尾山 599m

同行:---

普段、山歩きはほとんどしないボルダリング仲間のY女史から「夏に屋久島で登山をすることになったのでトレーニングにつきあってほしい」と支援要請を受け、高尾山に登ることに。そこで、どうせ行くならと設定したコースは近年人気の「南高尾セブンサミッツ」です。

▲「山と溪谷オンライン」より引用。

これはその名の通り南高尾山稜上の七つのピークをつなぐ縦走コースで、さらに一丁平から高尾山に戻り起点の高尾山口へ下ると歩いた軌跡がハート形になるというもの。若干こじつけっぽいルート設定ではあるもののよく整備されて歩きやすいコースを存分に歩いて、Y女史には十分なトレーニングになり、自分にとっても楽しいハイキングになりました。

2023/06/04

△08:00 高尾山口 → △08:15 四辻 → △09:10-20 草戸山 → △09:35 榎窪山 → △09:55 泰光寺山 → △11:00-20 入沢山 → △11:50 中沢山 → △12:05-15 金毘羅山 → △12:25 大洞山 → △12:55 大垂水峠 → △13:25-45 一丁平 → △14:15 高尾山 → △15:10 高尾山口

善男善女で賑わう高尾山口駅前でY女史と待ち合わせ、ただちに出発。いつもは駅前ですぐ右に折れてケーブルカー駅の方に向かうのですが、今回は駅のすぐ東を走っている甲州街道を渡ります。

甲州街道をわずかに南に進んで左に曲がり、すぐそこにある「四辻・草戸峠・高尾駅→」の道標を見つけて視線をそちらに向けてみると……。

えっ、ここ?と目を疑うような細い路地が民家の間を通っていますが、間違いなくこれが東高尾山稜上の峠である四辻への道。もっともこの狭い区間はすぐに終わり、歩きやすい山道を登るとあっという間に四辻に登り着きました。2日前は各地で災害が出るほどの豪雨だったのにほとんどぬかるみがないのは、このあたりの土質はよほど水はけがいいのかな?

四辻からしばらく南下して、最初に到着するピークが草戸山です。歩き出してから1時間あまりとちょうどいいタイミングなので、ここで小休止をとることにしました。

立派な鳥居を持つ山の神や木造の展望台(閉鎖中でした)、それにいくつかのベンチがあってとてもステキ。のんびりお弁当を広げたくなる雰囲気ですが、さすがにまだ早すぎます。

急な階段、休憩所、林道合流点を経て次のピークは榎窪山ですが、林間の広場(ベンチあり)の中に立つ道標に控えめに「榎窪山」と書かれているだけで、うっかりしていると気付かずに通り過ぎてしまいそうです。なお四辻から歩いてくるとここまでが東高尾山稜、ここからが南高尾山稜ということに一応はなっていますが、歩いている者の実感としてはシームレスです。

榎窪山から西に向きを変えてすぐに降り着くのが三沢峠で、ちょうど大勢のハイカーが登り着いてきているところ。ここから先は去年の1月に反対方向から歩いており、道すがらの木彫りのフクロウも懐かしく眺めました。

3番目のピークは泰光寺山。ここは巻道との分岐に立つ道標に手書きで小さく「←泰光寺山」と書かれているのを見逃すと、そのまま巻道を進んでしまいそうになるので要注意です。

泰光寺山のピークも榎窪山と同様にあっさりしており、小広い広場の片隅の木に「泰光寺山」と手書きされた木札がぶら下げてあるだけ。

そんな具合に素朴なピークの間には先ほどのフクロウや西山広場の龍の彫り物(いずれもスマホ台完備!)、それにベンチやリュックサック掛けを備えた休憩スペースが点在していてハイカーに対してとてもフレンドリーなのですが、「語らいのベンチ」で小休止したときにコースを再確認しなかったために、ここからしばらく迷走することになってしまいます。

4番目のピークである入沢山は縦走路の右側に枝道を入る……としっかり予習していたのに、その道が「語らいのベンチ」のあるあたりから分岐しているということをうっかり忘れていたために「語らいのベンチ」から大垂水峠方向に少し進んだところに出てきた道標なしの分岐を「これかな?」と思ってそちらの枝道に踏み込んだところ、少々ワイルドな道はやがて標高500mを超える二つのピークに通じていたもののそれらしい山名標識が出てきません。ここでおかしいと気付いて「山と溪谷オンライン」の記事を読み返したところ、入沢山の標高は500m未満であることがわかって失敗に気がつきました。

やむなく「語らいのベンチ」まで戻ってみると、確かにすぐ近くに枝道が尾根上に付けられています。なんだこれだったのかと憮然としながら登ると、明るい入沢山の山頂に到着しました。

こちらが迷走の軌跡。入沢山より標高の高い500m超ピークが登山対象として認識されていないのは残念ですが、このあたりは私有地になっているためかもしれません(だとしたら勝手に踏み込んでしまい申し訳ありません)。

苦労して到達した入沢山の山頂では、たくさんのハイカーが昼食休憩中でした。広くはないもののテーブルとベンチが備え付けられたすてきな展望台になっていて、これならわざわざ縦走路を戻って登り直した甲斐があったというものです。

立派な山名標識には「天空レストラン」の文字もあり、我々もここで大休止としました。私のランチはコンビニで買い求めた助六寿司、デザートはY女史が持ってきてくれたクッキーです。ごちそうさま。

縦走再開。この日は少々気温が高くても時折通る風が気持ちよく爽やかで、道迷いはあったものの基本的にはよく整備された登山道のおかげでぐんぐん行程がはかどります。この手の低山歩きは冬に限ると思い込んでいましたが、緑豊かなこの時期のハイキングも悪くないものだなと認識を改めました。

5番目のピークは誰が建てたか聖観世音菩薩像が立つ中沢山。

6番目のピークは明るい森の中にベンチが連なる金毘羅山。

セブンサミッツの最後は大洞山で、これら最後の三山は一気呵成に歩き通せます。

大垂水峠の陸橋を渡ってすぐの階段を登り登山道を右へ進むと車道に達し、そこから尾根上につけられている防火帯の道を緩やかに登れば一丁平。そこから高尾山までの間はこれまで数えきれないほど歩いている道になります。

もみじ台に続く長い木の階段をこなし、最後の石段をがんばって高尾山頂に到着。急に人口密度が上がったためにY女史はマスクを取り出しましたが、ここから先は緩やかに下るだけなので多少息苦しくなっても大丈夫。

薬王院で無事にセブンサミッツを完歩できたことの御礼を申し上げたら、後は1号路を使ってこの日の起点だった高尾山口駅を目指すばかりですが、ゴール目前での私の目線は「高橋家」さんにひたと向けられていました。