塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

三ツ峠金ヶ窪沢

日程:2023/01/17

概要:御坂の三ツ峠北西面、金ヶ窪沢でアイスクライミングの練習。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:---

同行:セキネくん

山行寸描

▲大滝全景。左半分はよく凍っていたが、右寄りから上部は氷が薄かったり消えたりしていた。(2023/01/17撮影)

セキネくんにとっての今年の初アイスは、彼のホームグラウンドと言えそうな御坂山地の三ツ峠北西面にある金ヶ窪沢。ここは自分にとっても、長いブランクの後にアイスクライミングを再開するに当たって保科雅則ガイドに初めて講習をしてもらった思い出深い場所です。

2023/01/17

△08:25 金ヶ窪登山口下のゲート → △09:10-12:40 大滝 → △13:00-15:10 堰堤 → △15:35 金ヶ窪登山口下のゲート

渋谷5時ちょうど発の井の頭線始発電車に乗って吉祥寺からJR中央本線高尾行きに乗り換え、高尾で松本行きに乗り継いで石和温泉駅到着が7時35分。趣味でやっていることとは言え、各駅停車での2時間半の旅はなかなか大変です。

石和温泉駅から南アルプスを遠く見て気分を高め、駅前でセキネくんに拾ってもらって三ツ峠の金ヶ窪登山口を目指しましたが、ゲートに阻まれて登山口のやや手前からの歩き出しになりました。この時点では数台が駐まっているだけでしたが、帰路に見てみると大変な数の車が周辺に駐車していて冬の三ツ峠の人気の高さを思い知ることになりました。

車を駐めた場所から標高差150mほど登り、左の沢に降りてさらに左岸の踏み跡を辿っていくと、大滝手前の右岸に入ってくるルンゼがそこそこ凍っていて期待が高まります。

肝心の大滝は中央の氷が薄く穴が開いたところに水流も見える状態ですが、左(右岸)寄りは分厚い氷が残っていますし、右(左岸)寄りも上までつながっている模様。直前の週末の気温が高かったので氷の状態を心配していたのですが、これなら御の字です。さっそく身繕いをして、まず私のリードで最も氷の具合が良い左側を1ピッチ登りました。

左岸の木に懸垂支点が設置されている場所まで登ってセカンドのセキネくんを迎えましたが、ここから上流側には氷がつながっていないので、まずはここから懸垂下降で下へ戻ります。

次にセキネくんのリードで右側を50mロープいっぱい近くまで伸ばして最上部まで。

何やら行きつ戻りつしながら登っているなと思いながらビレイしていたのですが、コールが掛かって後続してみると、下半分はまだしも上部は氷が完全になくなっておおまかな形状の岩の積み重なりの中を登ることになりました。モノポイントのアイゼンでの岩登りは少々厄介ですが、これも練習としては実戦的と言えば言えるのかも?

この最上部にも残置支点があって、すんなり懸垂下降することができました。ありがたいことです。

3本目は私のリードで中央のちょっとボコボコした箇所を通過するライン。すぐ横を水が流れているのが見えますが、残っている氷は厚みがあって登る分には支障がありませんでした。

ここの下降は要注意で、ロープを不用意に下ろすとところどころに開いている穴の中に吸い込まれてしまいます。また衝撃をかけると氷の面自体が崩壊しそうなので、そろそろと慎重に降りなければなりませんでした。

最後はセキネくんのリードで最初に私が登ったのと同じライン。実は我々が登り始めてしばらくしたところで大部隊がやってきて講習のようなものを始めたためにトップロープが何本か張られた状態だったのですが、その中に私の知り合いがおり、それ以外の参加者も気持ちの良い方々で、快く支点を共有させて下さったり我々が登るラインを開けて下さったりしていました。ありがとうございました。

大部隊に別れの挨拶をして、朝方の登りの途中で目を付けていた二つ下の堰堤に移動し、トップロープを張りました。

堰堤の氷は中央左寄りが発達しており、ここを何度も登り降りしながらお互いにフォームを確認しました。かかとは上がっていないか、肩は入れられているか、腕は十分に伸びているか等々のチェックポイントを設定し、動画も撮って改善点を見つけては修正していきます。試みに膝が90度曲がるところまで足を上げていく韓国登り(?)もやってみましたが、これは引き腕がつらいよなーという後ろ向きの結論になってしまいました。

最後にアバラコフを作って荷重を掛けて十分な強度が得られることを確認したところで練習を終了し、荷をまとめて下山しました。なかなかよいトレーニングができて満足です。

なお、行き帰りの車の中でのBGMは1月10日に亡くなったばかりのJeff Beckでした。セキネくんは『Who Else!』発表後の東京国際フォーラムのWOWOWによるライブ映像(1999年)を繰り返し見たと言っていましたが、何を隠そう私はそのとき東京国際フォーラムにいたクチで、このときを含めてJeff Beckのライブを9回見ています。ただし心残りはJeff BeckがTerry BozzioやTony Hymasと組んで発表した『Guitar Shop』ツアーのステージを見逃したことで、これは今にして思えば一生の不覚……。

そんなわけで、帰宅してからやんちゃ盛りのTerry Bozzioのドラミングが強烈なこの動画を繰り返し見ながらこの記録を書いていたのでした。