岩根山荘アイスツリー

日程:2023/01/21-22

概要:長野県川上村の岩根山荘に設置された人工氷瀑=アイスツリーを用いたアイスクライミング講習会。

山頂:---

同行:ジャパン・アルパイン・ガイド組合

山行寸描

▲アイスツリー全景。2日間、大変お世話になりました。(2023/01/21撮影)

ジャパン・アルパイン・ガイド組合(JAGU)のガイド陣が講師を務める岩根山荘主催の第14回岩根アイスツリー・アイスクライミング講習会に参加。実は昨年も申し込んでいたのですが、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴うまん延防止措置が東京都に出たためにキャンセルしていたので、これが3年ぶりの参加ということになります。

2023/01/21

△11:30- 岩根山荘

例によって新宿8時発のあずさに乗って小淵沢で小海線に乗り換え、信濃川上駅で下車。今年も暖かかったり寒くなったりの気候変動でアイスツリーの出来栄えには一抹の不安がありましたが、送迎バスで信濃川上駅から懐かしの岩根山荘に着いてみれば、立派な氷瀑ができあがっていました。

指導するガイド陣は、鈴木昇巳さんの後を継いでJAGU代表となった松原ガイドを筆頭に6名+アシスタント1名。私は棚橋ガイドの班に配属されましたが、ここは常連(高齢)班だったらしく、集合してみると過去の岩根山荘での講習会で見知った顔ばかりでした。

慣れている人たちばかりなのでとにかくどんどん登りましょう、という棚橋ガイドの方針で次々に場所を変えながら氷瀑をひたすら登りましたが、ふと見ると山荘の前庭にはテントの数々。この寒いのにわざわざテント泊とはご苦労なことだなと思ったもののそれは間違いで、この機会を利用して商品紹介をするために岩根山荘にやってきた登山用品企画販売のSTATICBLOOMによる展示でした。

おいしい夕食の後は大広間へ移動。以前は飲みながら映像作品を見たりジャンケン大会で賞品が出たりしたものですが、このご時世なので飲みはなく、代わりにまずSTATICBLOOMによる商品紹介がありました。同社は、大量生産はできないが本気で作っているブランドを紹介しているとのことで、ケブラー生地で日本では沢登りに最適なCRUXのリュックサック、フランスのアルパイン向けブランドでテント中心のSAMAYA、カーボンケブラー製で超軽量なアックスを出しているポーランドのELITECLIMBが説明されました。ついで佐藤勇介ガイドが司会役となってJAGUの各ガイドの紹介と各自によるアイスエリアの説明がなされ、八ヶ岳、北海道、御在所、西上州と韓国が写真と共に紹介されましたが、松原ガイドによるトワンソンポッポの解説にはやはり目が釘付けになりました。

2018/01/22

△-16:00 岩根山荘

明けて2日目もきりっと冷えていい天気です。これまたおいしい朝食をとった後、午前中は引き続き棚橋ガイドの班で淡々と上り混みましたが、その中で昨日説明されていたELITECLIMBのアックスを振るってみました。これは確かにすごい!重さは400g前後とされていますが、体感的には通常のアックスの半分に感じ、しかも軽さを売りとしつつ刺さりが犠牲になっていません。写真左のSalamandraはアルパイン向き、右のRaptorはテクニカルクライミング向き。 欲しい、でも高くて手が出ない(1本7万円くらい)。

午後は班を解散してテーマごとに分かれることになり、自分はまず庭野ガイドが設定したコンペ形式の課題に取り付いて絞られました。

その後は自前のスクリューとクイックドローを持ち出し、空いているルートを使ってアックステンションの練習。これまでも何度かアックステンションを掛けながらのリードを経験してはいますが、あらためてじっくり取り組んでみると、チェストハーネスにギアをぶら下げる今の自分のスタイルでフィフィまで使うと胸回りが混雑して大変であることを実感しました。もともとチェストハーネスを使用しているのはノーテンションで登るためにギアの配置を効率化することが目的ですから、そこにフィフィを持ち込んではコンセプトが錯綜するわけです。うーん、どうしたものか……。

ともあれ、こうした気付きも含めて収穫の多い講習会でした。ありがとうございました。