塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

蓼科山

日程:2017/02/04

概要:女乃神茶屋から蓼科山に登り、往路を下山。

山頂:蓼科山 2531m

同行:トモミさん / ジュンコさん

山行寸描

▲蓼科山頂からの展望。360度の眺めを堪能した。(2017/02/04撮影)

1年前の御前山に引き続いて、トモミさん雪山体験シリーズ第2弾。久しぶりの塾長モードでの山歩きですが、今回は昨秋北八ヶ岳でご一緒したジュンコさんを誘ってのトリオ山行としました。トモミさんとジュンコさんは既に顔合わせ済みで、当初の計画は丹沢の塔ノ岳尊仏山荘に泊まっての1泊2日コース。岩根山荘でのアイストレの際にこの計画を聞いたセキネくんは「……アルパインクライマーですね」としみじみ慨嘆(やや意味不明)したものですが、情報収集してみると塔ノ岳にはまるで雪がない様子。どうしよう?とメッセージのやりとりが前々日から始まりました。入笠山は?高見石は?今年は2017年だから雲取山(2017m)がいいのでは!などといった百家争鳴の末に、ジュンコさんのたっての希望で蓼科山ワンデイに決まったのは金曜日の午後のことでした。

2017/02/04

△10:35 女乃神茶屋 → △11:45 2110m標識 → △13:05-14:05 蓼科山 → △15:00 2110m標識 → △15:35 女乃神茶屋

早朝、渋谷駅前で合流。行き先が決まったあとに電光石火の早業でレンタカーを手配したジュンコさんがトモミさんと私をピックアップして、中央自動車道を諏訪へと向かいました。この日は天気予報通りの素晴らしい快晴で、甲府盆地に下っていくあたりから前方に南アルプスの白いスカイラインが見渡せるようになると、車内のテンションは上がりまくります。

ビーナスラインを進むと前方に蓼科山と北横岳が居並んでいる姿を見ることができ、ことに蓼科山の優美なさまは確かに女神に喩えられるのもうなずけます。見たところ、雪はしっかり着いている様子で、遠目にも登山道が歩かれていることがわかりました。

女乃神茶屋のかなり手前に車を駐めて歩き出す登山者の姿がちらほらと見られたので、登山口近くの駐車場は満杯なのかな?と不安になりましたが、幸いなことにちょうど1台が駐車場を出ていくところで、その空きスペースを利用することができました。駐車場の裏手がトレースされており、身繕いをしたらただちに登山開始です。

最初はヤッケを着て歩き始めましたが、気温が高くすぐに上衣を1枚脱ぐことになりました。この日朝早くから登ったらしい登山者が次々に降りて来るのとすれ違い、その都度足回りに注意してみると通常のアイゼンを装着している人が大半でしたが、登山道はしっかり踏まれていて、2人の軽アイゼンや私のチェーンスパイクでも不安なく登ることができます。それにしてもジュンコさんの足は速い!搭載しているエンジンが違う感じで、そのペースにかなわないトモミさんはときどき立ち止まって息を整えることになり、最後尾を歩く私もトモミさんに付き合って……というのは言い訳で、実は私もジュンコさんのハイペースに負けていたのでした。

平坦→急登→平坦→急登……を交互に繰り返して、最後に森林限界を超えると、頭上には真っ青な空、背後には素晴らしい展望が広がりましたが、展望を堪能するのは山頂に着くまで我慢することにして、先を急ぎます。

前方に山頂ヒュッテを見やりつつ最後のひと登りで、ついに山頂(三角点)に到着!私自身にとっては、冬は1995年以来、無雪期も入れれば2006年以来の山頂で、トモミさんも無雪期には登頂していますが、ジュンコさんにとっては初めての蓼科山です。おおむね微風、そして非の打ち所のない快晴と展望。既に13時を回っていますが、空気は澄んでいて展望を遮るものはありません。南八ヶ岳はもとより、南・中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、頚城の山々、浅間山、尾瀬、日光、そして上州から奥秩父へと360度がつながり、トモミさんもジュンコさんも大喜びで記念写真を撮りまくりました。

ひとしきり写真を撮ったら、溶岩台地を横断して反対側の方位盤へ向かいます。途中、中央にある蓼科神社奥社に無事登頂御礼の参拝をしました。

こちらの側からは正面に北アルプス、そしてその手前の眼下に霧ヶ峰から美ヶ原までを見下ろすことができて、これまたよい眺めです。

見飽きぬ展望に一区切りをつけたら、火口の縁を反時計回りに巡って三角点の近くに戻ってランチタイム。

私はコンビニサンドイッチにポットのお湯だけですが、トモミさんはジェットボイル持参。ジュンコさんは肉まんを蒸して、蒸しあがったところでさあ食べるのかなと思ったら、やおら山や空に向かって写真撮影!

ランチが終わったら、下山開始です。実は、蓼科山に行きたいというジュンコさんからのリクエストに当初私は難色を示したのですが、それはこの森林限界上の斜面がアイスバーンになる可能性があると考えたからでした。それでもネット上の直近のレポートではチェーンスパイクでも大丈夫だったという情報があったためにGOとしたのですが、あまり状態が良くないときはタイトロープで確保しようとリュックサックの中に補助ロープ、スリングとカラビナを入れ、リュックサックにはピッケルをくくりつけておきました。しかし、この日の雪はほどよく締まって軽アイゼンに対しフレンドリーな状態だったため一安心。展望を楽しみながら、それでも慎重に下りました。

樹林帯の中に入っても急坂は続きますが、軽アイゼンの2人は傾斜を恐れることなくさっさと下っていきました。一方、私のチェーンスパイクは雪ダンゴが着いてぽっくり下駄の状態です。やれやれ。

雪山の楽しさを満喫する2人。これを機によき山友達同士になって、一緒に山歩きを続けていってくれたらいいなと思います(←父親目線)。

山頂から1時間半で下山。最初から最後まで好天に恵まれて、楽しい山登りでした。お疲れ様でした。

帰路に入浴のために立ち寄ったのは、これまたジュンコさんお勧めの「テラス蓼科」です。お値段はそこそこしますが、大変にゴージャス。何といっても露天風呂から正面に見られる南八ヶ岳が、日が傾くにつれてピンク色に染まっていくさまを眺めるのは贅沢の極みでした。

今回の山行では、プランニングから車の手配、率先しての登高、そして下山後まで、ジュンコさんのリーダーシップと実行力が際立ちました。これからはジュンコさんのことを「隊長!」と呼ばせていただこうと思います。