塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

榛名黒岩

日程:2013/09/27

概要:榛名黒岩でトレーニング。

山頂:---

同行:セキネくん

山行寸描

▲懐かしい西稜(IV級)。ジャンケンに勝って気分良くリードさせてもらえた。(2013/09/27撮影)
▲ひっくり返しの大岩でアブミトレーニング。かぶっていていい練習ができた。(2013/09/27撮影)
▲「夏子」(5.8)。2人ともまさかのテンション。(2013/09/27撮影)

2013/09/27

△09:55-15:15 黒岩

古典的ゲレンデ・榛名山の黒岩にはかつて一度だけ行ったことがありますが、今回はそれから実に13年ぶり。セキネくんの都合に合わせて平日に休みをとり、6時半に都内を出て関越自動車道を北へ向かいました。

真っ青な空の下、車を飛ばすこと3時間で黒岩近くの駐車スペースを通過……というのは、トポに騙されて(?)「まだ上だろう」と思い込んでしまったからなのですが、どうやらさっき車が駐まっていたところらしいとすぐに気付いて引き返し、24番カーブの近くに車を置いて岩場への道を辿りました。

ドングリがたくさん落ちている明るい樹林の中の山道を歩くことわずかでまず「ひっくり返しの大岩」に着き、その見事な前傾ぶりに感嘆の声をあげてから、少し先のピラミッドフェースに到着しました。平日であるおかげか、この素晴らしいコンディションとロケーションにもかかわらず岩場にいるのは我々の前に2人だけ。トポを眺めてルートの同定を行ってから、左手へ巻き上ってまずは南面左端の「西稜」(IV級)でアップすることにしました。

ジャンケンの結果、リードは私。出だしがややかぶっているように感じるものの、よく探せばしっかりしたホールドと安心のハンガーボルトに導かれてカンテ沿いに自然に高度を上げ、いつしか素晴らしい展望の中で高度感を楽しめるようになる好ルートでした。この「西稜」は以前来たときに上から引っ張ってもらって登ったことがあったので、今回リードできたのは収穫ですが、このところアルパインに行けていないせいか終了点での作業にもたついてしまい、この点では反省材料を残しました。

セキネくんを上へ迎えてから懸垂下降で取付へ戻り、再びピラミッドフェースの前へ。アップを終えて勇躍「岳友会ルート」(5.9)にチャレンジするつもりだったのですが、先行の2人組が大テラスからそちらを狙っている様子だったので下から眺めていたところ、ベテランらしきリードの男性はこのルートにかなり苦戦している様子です。これを見てセキネくんと私は顔を見合わせて「あれは本当に5.9か?」……まだまだ時間がかかりそうな様子なので先に「ひっくり返しの大岩」でアブミ練習に取り組むことにしました。

見事にかぶった「ひっくり返しの大岩」は裏から登れて、トップロープを簡単にセットできました。アブミが初めてのセキネくんに巻き込みの基本動作とフィフィによるレストを組み合わせての登り方の手本を示して、セキネくんにも同様に登ってもらいましたが、さすがはセキネくん。ほとんど淀みのない登りでこの前傾壁をクリアしてしまいました。

引き続きリードのときのランナーの取り方、最上段巻込みの練習を重ね、人工登攀で使う小道具の説明をしてアブミ練習終了。いやー、腕が張った。

ピラミッドフェースに戻り、さてどうするか?とトポとにらめっこした結果、右に回り込んだ東壁の「夏子」(5.8)で締めくくることにしました。まずはセキネくんのリードでさくっと……のはずが、中間部のフェース左半分が濡れた状態で行く手を阻まれ、まさかのテンション。しばらく試行錯誤して、正解ラインは右側にあったことを見出したセキネくんは、そのままTOしました。よしよし、仇はとってあげよう!と私も取り付いたのですが、同じところでやはりテンション2回。3度目の正直でなんとかここを突破し、ロワーダウンで降りてきた私の脳裏には「チョークバッグさえあれば」「アブミ練習で腕が張っていて」「ビレイしている間に身体が冷えてしまったし(←実はフリースを羽織ってぬくぬく)」などと言い訳の嵐が吹き荒れていました。最後に再度「夏子」に挑戦したセキネくんが無事にRPしたところで、この日の練習は終了です。

今日はこのへんで勘弁しておいてやる!と負け惜しみの捨て台詞を残して榛名黒岩を後にしましたが、それはさておきこの岩場、東京からちょっと遠いものの他の岩場や山と組み合わせて1泊2日で足を伸ばすなら十分に報われるすてきな場所でした。宿題も残してしまったし、ぜひまた遠くないうちに訪れたいものです。