塾長の山行記録
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塾長の山行記録

大行沢

日程:2022/07/18

概要:名取川水系の大行沢を遡行。二口の駐車場直下から遡行を開始し、2段滝を抜けたところで脱渓し登山道に上がって二口へ戻る。

山頂:---

同行:ヅカ氏 / ブミ氏

山行寸描

▲大行沢下部の遡行。「天国のナメ」は一切出てこない。(2022/07/18撮影)

海の日の三連休はヅカ氏・ブミ氏と共に南アルプスの2泊3日の沢旅に出る予定でしたが、7月に入ってからの戻り梅雨が長引いて計画は直前に変更を余儀なくされてしまいました。天気の具合とヅカ氏の手持ちの「いつか行くリスト」を突き合わせた結果、最終的に向かうことになったのは蔵王の東から振子滝を越えて御釜を目指す濁川振子沢と決まったのですが……。

2022/07/18

△07:25 二口 → △08:40 ゴルジュ出口 → △12:35 2段滝の上 → △13:00 登山道 → △14:15 二口

宮城県内某所にて夜が明けるのを待って空を見上げると、東の方は青空が見えていますが、目指す西の方はどんより曇り。OMG。

それでも一応蔵王エコーラインを蔵王寺近くの駐車場まで上がってみたものの、どうやら見通しが立てられそうにありません。そこで、昨日のドライブ中に意見交換していた代替プランである大行沢へ転進することにしました。大行沢はかつて宮城県に勤務していたことがあるヅカ氏には馴染みのある沢ですし、私も7年前に2泊3日のゆったりした行程で遡行したことがあって、突然の行き先変更であっても迷う気遣いはありません。ただし不確定要素となるのは、ここ半月ほど続いている戻り梅雨による降雨が宮城県全域で特にひどい状況にあることで、癒しの沢である大行沢も一筋縄では行かないことは明らかです。しかも、私の感覚からすると大行沢の見どころは上流の「天国のナメ」になるのですが、ヅカ氏的には大行沢の醍醐味はその手前のゴルジュと滝にあるとのこと。うーん、そういうものかな……。

というわけで今回遡行する区間は2015年に遡行済みですし、このページの冒頭の動画で遡行の様子は雄弁に語られているので、以下の記述では今回の遡行の中でポイントになった場所でのあれこれを、2015年との対比にも触れつつ写真で紹介することにします。

▲ゴルジュ区間の入口。水量はやはり多めだが、フリクションは思ったより悪くない(ラバーソール使用)。
▲私が流されたポイント。この態勢から左足を写真右の窪みに飛ばすことになるが、右足のスタンスが完全にフリクション頼みとなる。ちなみに2015年はこんなに水が逆巻いていなかったので、上の写真の位置より手前から水の中の岩に飛び移り、そこから左岸寄りの水の中を歩いて手前の段差を越えた。
▲ゴルジュ出口の滝。2015年は右手前から巻き上がったが、今回はヅカ氏が右壁をトラバースして落ち口右に出るラインを見つけてくれた。ポイントになるのは右壁に乗り上がる際にバイルを使用すること。

ゴルジュを抜けるとちょっとしたナメが出てきますが、大行沢の「天国のナメ」と形容される上流部とは比べ物になりません。それでもこの頃はお日様が顔を出し、癒しの雰囲気が漂いました。

1時間ほどの歩きで前方にちょっとした大きさの滝が出てきます。これが駒止の滝で、単調な河原歩きの後ではうれしいアクセントになります。

▲駒止の滝はブミ氏がリード。左壁の階段状を容易に登ることができるが、ワンポイント「ん?」となる箇所があり、自分はジャミングも交えてそこを越えた。2015年はこの滝を右(左岸)から巻いているが、そのときの写真を見てみると上の写真でロープが垂れているライン上もどっかぶりの状態になっており、水流が変わっていることがわかる。

駒止の滝を越えるとしばらくは巨岩帯となります。本来の計画ではカケス沢まで遡行を続ける予定だったので、いっそここで左岸の登山道に逃げてカケス沢出合までワープするかという話も出たのですが、それは大行沢に対して失礼(?)だろうと律儀に沢の中を歩き続けることにしました。

途中で左岸に合わさる京渕沢の梯子滝を木の間越しに眺められるのが数少ない興味ポイントですが、その後も巨岩歩きが続いて徐々にうんざりしてきます。

▲2段滝の下段は私のリード。2015年はこの右上ラインで簡単に越えたが、今回は水圧のために滝身の中に踏み込めず、途中まで右上した後にホールドが乏しい左壁を直上することになって緊張した。
▲2段滝の上段も、かつては水流の左端を登ったが今日の水圧ではとても無理。ヅカ氏が見出した高巻きラインを辿って最小限の巻きでクリアすることができた。

2段滝の上下の間に閉じ込められかけた頃に強い通り雨があり、遡行としても十分充実したものとなっていたので、2段滝を越えてすぐの左岸凹部を使って登山道に上がり遡行終了としました。

帰路に立ち寄った雨滝では一同代わりばんこに滝に打たれて、この日の少々奮闘系になった沢登りでの憑き物を落としたつもりだったのですが、無事に駐車場に帰り着いて装備を解いてゆくと全員がもれなくヤマビルをお持ち帰りしていたことがわかり、ひとしきり悲鳴と薬剤の噴霧音が響き渡りました。


それにしても、ナメがあるから大行沢だというのにナメには見向きもせずゴルジュ突破と滝登りに終始した今回の遡行は果たしていかがなものか?基本的に癒し渓(デート沢)が好きな私の志向には全然合ってないぞ、話が違うぞおかしいぞ……と思いつつ、それでも終わってみれば楽しかったと振り返っている自分がいるのもまた事実です。

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