弥彦山

日程:2022/04/30

概要:彌彦神社の脇から登山道に入り、山頂の彌彦神社御神廟まで登る。下山には弥彦山ロープウェイを利用。

⏿ PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:弥彦山 634m

同行:ユキ

山行寸描

▲JR越後線の車窓から見た弥彦山(左奥の山)。尖っているピークが多宝山、その左のなだらかな部分の最高点が弥彦山山頂。(2022/04/30撮影)
▲弥彦山の山頂から振り返り見た多宝山。標高は弥彦山とほとんど同じ。(2022/04/30撮影)

今年のゴールデンウィークの最初の三連休は、新潟の温泉を巡りながら越後一宮の彌彦神社に参詣することがメインイベントです。この彌彦神社の神体山が神社の背後に聳える弥彦山で、名山ではあるものの背が低すぎるために『日本百名山』に入れなかったと深田久弥はその後記に書いていますが、海沿いの平地からいきなり立ち上がっているその姿は古来崇敬を集めてきたのも頷けるほど立派。純粋な登山の対象としても十分に価値があります。

2022/04/30

△13:40 彌彦神社一の鳥居 → △14:40 五合目 → △15:30 九合目(稜線) → △15:45-16:00 彌彦神社御神廟(山頂) → △16:10 弥彦山ロープウェイ山頂駅

前夜は月岡温泉で硫黄分たっぷりの緑の湯にのんびりつかり、この日の午前は新潟経由で弥彦へ移動。JR越後線の車窓からは水を張られた田が広がる向こうに聳える弥彦山の姿が見られました。

弥彦駅前から見上げる弥彦山はすぐそこで、これならさして時間をかけずに登れそうな気がします。ただし今回同行しているユキはあまり登山経験がないので、息が上がらないように時間をかけながら一歩一歩着実に足を進める必要があります。

きれいに整備された弥彦駅前から停車場通り・外苑坂通りを上がってやや古びた佇まいの神社通りに入り、適当な店に入って昼食をとってからさらに進んだ先にある一の鳥居を、この登山の起点としてGPSオン。鳥居はくぐらずに社家通りを少し左に進んで弥彦山ロープウェイの山麓駅に向かう道に入り、その途中から左へ分かれる登山道を進みます。

少しの間は平らな道が続き、その先に朽ちかけた茶店の姿を見るあたりから道はジグザグを切って山道らしくなってきます。イチリンソウを愛でたと思ったらすぐに一合目の合目石があり、ここから二合目・三合目と合目石を励みにしながら登っていくことになります。

少しずつ高さを上げるにつれて樹林が明るくなり、やがて岩場のようなところもときどき現れます。Wikipediaによれば弥彦山の岩は火山岩だそうですが、山の生い立ちは不明なのだそう。

1時間ほどの登りで着いた五合目には石の鳥居があり、額には「伊夜日子神社」と彫られていました。また、ここから登山道は左へ水平に続いていますが、尾根通しにまっすぐ登る道も以前は使われていたよう(現在は閉鎖中)です。

左下からの水音を聞きながら岩がちの道を進み、木の橋で沢筋を渡るところが六合目で、沢の上流を見るとちょっとした滝が落ちています。後で水場も出てきますが、この山は水脈が豊かであるようです。

やがて「里見の松」と名付けられた小さい東屋が現れて、そこに設えられたベンチで小休止すると正面には南東の三条方面の眺めが開けました。近くには小さな松が植えられていましたが、どうやらこの東屋の近くにあった松の大樹が雪害で倒れた後に、二代目として苗木を育てここに移植したものであるそうです。しかし、この幼木が先代の大きさまで育つにはあと何年かかるのか……。

豊かな水量の水汲み場となっている七合目を過ぎ、道がいったん水平になってから尾根筋に戻って最後のひと登りをこなすと、稜線に出ます。

稜線に出たところは山頂ではなく九合目ですが、ここで山の反対側の眺めが広がり、驚くほど近くに佐渡島が横たわっているのを目にすることができました。

稜線上の道は神社の参道のように幅広く、かつよく整備されており、階段状をひとしきり登ってからNHKの施設の横をいったん下り、もう一度階段を登るとそこが弥彦山の山頂になります。

弥彦山の山頂に通じる最後の階段の手前には鳥居があり、その先は彌彦神社の御神廟です。石柵で四角く囲まれた区画を左から回り込んでゆくと、南には信濃川とその先に上越国境の山々、南西には海際のはるか向こうに白馬山。標高の低さからは予想もつかないほどの見事な眺めが得られました。

御神廟の鳥居の前で神様に無事登頂の報告と御礼とを申し上げ、さらに左に回っていくと日本海を見下ろせます。そして登ってきた階段の近くには山頂から見えている山々の名前を解説した「弥彦山頂大観図」があり、そこで初めて東の方角に見えていた大きな雪山が飯豊連峰であったことを知って驚きました。

御神廟を一周回ってすっきり高い多宝山の姿を正面に見たら、元来た道を九合目まで辿ってそのまま直進。既に16時を回っているのでロープウェイで下山しました。

◎翌日の彌彦神社参詣の様子は〔こちら〕。