鎌倉アルプス

日程:2020/12/13

概要:建長寺から半僧坊を経て天園ハイキングコースに入り、大平山から天園に達したのち獅子舞の谷を下る。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:大平山 159m

同行:ユキ

山行寸描

▲獅子舞の谷の紅葉。日の当たり方次第ではもっと綺麗に撮れたかも。いや、腕のせいか?(2020/12/13撮影)

そろそろアイスクライミングの季節ですが、その前に行っておきたいのが紅葉狩り。ヤマレコの山行記録をあれこれと物色してみると鎌倉の獅子舞の谷というのが綺麗だとあったので、鎌倉アルプス(天園ハイキングコース)を歩いて天園から獅子舞へ下るコースどりにしました。

2020/12/13

△09:50 北鎌倉 → △10:10-35 明月院 → △10:45 建長寺総門 → △11:15-25 半僧坊 → △11:30 勝上巚 → △12:15 大平山 → △12:25 天園 → △13:20 金沢街道

JR横須賀線を北鎌倉駅で降りると、そこにはマスク姿の大勢の観光客。我々もその波の一部になって線路沿いの道を建長寺に向かいます。

駅からすぐの円覚寺の前の紅葉も実に見事ですが、ここはスルー。

続く明月院には立ち寄ってみることにしました。ここは紫陽花の寺として有名ですが、紅葉も捨てがたい模様。

丸窓の向こうには本堂後庭園の紅葉が見えていて、光線の具合もいい感じです。ただ、今はあちらの庭園が開放されていて人が頻繁に通るので、シャッターチャンスをつかむのは大変。

……というわけで我々も本堂後庭園に入ってみました。こちらの紅葉も見事ですが、ここはむしろ菖蒲の時期が良いようです。

明月院を辞して徒歩わずかで建長寺に到着しました。ここは円覚寺と共に10年前にじっくり拝観しているので、重厚な三門の大きさを堪能したらさっさと左手に回って奥を目指しました。

建長寺の奥山である勝上巚しょうじょうけんの半僧坊に向かう道すがらにも紅葉の見どころがありました。ちなみに半僧坊は権現様なので、その入り口には鳥居が立っています。

たくさんの烏天狗の像が迎えてくれて、そこが半僧坊。ここで小休止をとってから、右手の地蔵堂の前を通って急な階段を登ります。

高みから後ろを振り返ると、右下には建長寺の境内、正面の向こうには由比ヶ浜・材木座海岸。若宮大路のかたちもはっきりと見えていました。

勝上巚の最高地点には明月院方面からの道がつながっています。ここから稜線上の道を東へと辿るのですが、北の横浜市側は稜線のすぐ下まで開発されて住宅地が迫っているのが興醒め。それでも尾根道自体は緩やかなアップダウンを繰り返し、あちこちに岩が露出していて飽きずに歩くことができます。

途中に顕著な岩の露頭があったので上に乗ったのですが、ふと気付くと彫り物がある模様。あわてて岩から降りて正面に回ったところそこには仏様が彫られていました。これは十王岩と呼ばれ、彫られているのは左から如意輪観音・血盆菩薩・閻魔大王だそう。大変失礼いたしました。

さらに十王岩のすぐ先の岩塔にもこうした宗教的なモニュメントあり。1段高いところに据えられた台座には「第八十八番讃岐國大窪寺 本尊薬師如来」「鷲峰山」とありますが、台座の上に乗っておられたであろう石造弘法大師像は向こう側に落ちてしまっていました。後で調べたところでは昨年の台風15号で落ちたそうなのですが、早く戻して差し上げればよいのに。

しかしこうした宗教的遺物を抜きにしても、この道はなかなか感じの良いハイキングコースです。展望に恵まれているとは言い難いですが、樹林と岩と苔とが組み合わされて好ましい雰囲気でした。

そうした雰囲気は、鎌倉市の最高峰とされる大平山まで。このフェンスの向こう側は横浜市ですぐそこまで開発が進んでいますし、鎌倉市側も開けたススキの原になっていて、多くのハイカーがここで弁当を使っていました。ここも10年前にトレイルランのレースで通過したところです。

ゴルフ場の際を行く道を少し進んだところにまたしてもハイカーがたむろしている広場があって、ここが東郷平八郎にゆかりの天園。ハイキングコースはその右手前を下って、やがて四辻に至ります。

ここをまっすぐ進めば瑞泉寺で、天園ハイキングコースの本来の行き先はそちらなのですが、現在は道が荒れているために通行止めです。ところが、通行止めを示す看板にはマジックインキで通行できる旨の落書きがしてあり、実際にそちらを歩いている人の姿もちらほらと見掛けました。しかし、予習したところでは鎌倉市は公式にこの道が開通したとはアナウンスしておらず、この落書きについても警察に相談しているとのこと。どういう意図があってのことかはわかりませんが、こういう落書きは本当にやめてもらいたいものです。

ともあれ、我々の目的は獅子舞の谷の紅葉を見ることにあるので、四辻から右へ下りました。少々急で滑りやすい道をゆっくり下っていくと苔に覆われた獅子岩が現れ、その前後から紅葉地帯になってきます。

曇りがちの天気になっていたこともあってこれといった写真を撮ることができませんでしたが、肉眼で見ると確かにこの谷の紅葉は見事でした。寺院の境内の紅葉もすてきですが、こうして自然環境の中に広がる紅葉はまた一味違った美しさです。

やがて谷あいの道はしっとりとした沢筋に沿うようになり、ほどなく市街地に出て永福寺跡を横目で見ることになりました。

下山後、金沢街道に出た頃には腹ぺこ状態。すぐに目に入った「黒毛和牛 鎌倉ハンバーグ」の惹句に引かれて「雪ノ茶屋」で昼食としました。美味也。

さらに勝上巚から見えていた若宮大路に出て「こ寿々」でわらび餅とまめかんのデザート。

最後に、帰宅してから今日いただいてきた御朱印を御朱印帳に貼り付けて、これでこの日の鎌倉山行は終了です。