塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

甲州高尾山

日程:2020/11/08

概要:大滝不動尊から展望台を経由して甲州高尾山に登頂。柏尾山を経て大善寺に下る。

⏿ PCやタブレットなど、より広角(横幅768px以上)の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:甲州高尾山 1106m

同行:トモミさん / エリー

山行寸描

▲助さん・格さんと共に、甲州高尾山へ世直しの旅。「人生楽ありゃ苦もあるさ」という言葉が身につまされます。(2020/11/08撮影)

先週の丹沢に続いてリハビリ第2弾は、トモミさんとエリーに付き合ってもらって甲州高尾山へ。行き先を提案してくれたのはエリーで、短い行程で紅葉と展望の山を歩いたら下界でほうとうをいただいたりワインを試飲したりといったプチ旅行気分も楽しもうというもくろみです。

2020/11/08

△08:40 ゲート → △09:05-25 大滝不動尊奥宮 → △09:40-50 展望台 → △10:45-11:05 最高地点 → △11:10 甲州高尾山 → △11:25 宮宕山(剣ヶ峰) → △12:15 柏尾山 → △12:50 大善寺

一足先に勝沼ぶどう郷駅に着いてみると、あたりは霧で真っ白。しかしここに着く前の車中からは青空が見えていたので、高度を上げれば霧の上に出られるに違いないと思いながら2人の「娘たち」を待ちました。

8時すぎに全員集合。あらかじめ手配してあったタクシーに乗って大滝不動尊に向かいました。ぐんぐん高度を上げていく車の中で助手席に座ったエリーは運転手さんに、ほうとうを食べられる店やぶどうの丘周辺を巡るための移動手段(歩いたら遠いか?)をそつなく取材しています。あらかじめ知らされていた通り、大滝不動尊手前200mくらいのゲートで車を降りると、そこは期待通り霧の上に出ていました。

歩行には支障のない舗装路を歩いていくと、ところどころの展望ポイントからは甲府盆地に蓋をしたような雲海の向こうに南アルプス全山の姿が眺められて、早くもテンションMAX!山座同定したり写真を撮ったりしてのっけから時間を使いましたが、それでもゲートから20分余りの歩きで大滝不動尊奥宮に到着しました。ここはその名の通りいくつもの滝に囲まれた修験霊場で、由緒書によればその草創は9世紀に遡るとのこと。

丹塗りの仁王門をくぐると、斜めに流れ落ちる前滝沿いの長い石段が1段高い境内へと続いています。本堂でお賽銭を納めてこれからの山行の無事と世界平和とを祈り、由緒ありげな石像群をありがたく眺めてから、右手の登山道へと進みました。

前滝の上流の沢筋にかかる橋を渡り、水量の少ない髪洗滝を眺めてからジグザグの道を登っていくと、背後には落差140mの雄滝が黒々とした岩肌を見せていました。あの滝の水源がどうなっているのか興味津々ですが、残念ながら今回の山行ではそちらには回りません。

すぐに到着した展望台からも、雲海と南アルプスが眺められました。右端の甲斐駒ヶ岳から左へ順に鳳凰三山、白峰三山、荒川三山、赤石岳……そのいずれにも足跡を残してきた昔の山行を思い起こしながら、エリーから配給されたくるみゆべしでほっと一息。

展望台から稜線までは、いったん林道の一部らしい幅広の道を下って途中から左の斜面の山道に入ります。写真撮影を趣味にしているトモミさんとエリーは、これはと思う被写体に反応してはしゃがみこんでベストなアングルを探っていましたが、登山道に入るとところどころ荒れていて倒木をかわすためにもしゃがみこまなければなりませんでした。

棚横手山から甲州高尾山に続く稜線の一角に出ると一気に視界が開け、右手の方にこれから目指す甲州高尾山の高みがあり、その向こうに雲海が山裾に入り込む様子が波打ち際のように続いていました。あいにく富士山は雲の中にその姿のほとんどを隠していましたが、この景観だけでも十分に価値があります。

ちょっとくすんだ紅葉、深い色合いの青空、白く流れる雲。気持ちの良い緩やかな登り道を辿って、わずかの登りで甲州高尾山の最高地点に着きました。

この展望は素晴らしい!ぽっかりそこだけ開けて甲府盆地が一望でき、その向こうの南アルプスはもとより、八ヶ岳や奥秩父の山々も見えていました。のっけからテンションMAXだった我々も、この展望にはテンションMAX2です。

少し遅れて大善寺方向から登ってきた男性2人組のうちベテランらしい登山者も、この時間にこれだけ雲海が残っているのは珍しいと言っていました。どうやら我々はベストの日にこのピークに立つことができたようです。

ピークでの大展望を十分に堪能した後は、大善寺に向けて下山あるのみ。少し下ったところにある甲州高尾山の山頂標識や、その先の宮宕山(剣ヶ峰)の標識は、どうしてここがピークとされているのか?と思うようななんでもない場所に立っていました。

宮宕山からは急坂になり、ザレと落ち葉とで滑りやすくなっているので慎重に下ります。登りのときにタクシーがどれだけ高度を稼いでくれていたのかを実感させる我慢の下りが続きましたが、柏尾山の鉄塔を見上げたらあとわずか。

五所大神社の境内に下り着いて最後にもう一度甲府盆地と南アルプスの眺めを満喫してから、大善寺を目指して車道を歩きました。

山行としてはこれで終わりですが、その後にもさまざまなアクティビティが待っていました。

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13世紀の建立で関東周辺で最も古い建物であるという大善寺本堂〈国宝〉(本尊薬師如来像と脇侍の日光・月光菩薩像は秘仏のため拝めず)にお参りしてから、ぶどう寺と別称する大善寺の自家製ワインをいただき、しばらく歩く道すがらにかろうじて開いていたぶどう直売所で甲斐路と甲州をゲットしてから慶千庵でほうとうと炊込み御飯の昼食。しかる後、タクシーを呼んで勝沼ぶどうの丘に登って甲州高尾山の姿を正面から眺めてから「天空の湯」につかって疲れを癒し、湯上りには夕焼けの景色を飽かず眺めて、最後はコイン式ワインサーバーでフラグシップワインの数々をちびちびと試飲して、これでようやくこの日のミッションが完了したのでした。山行以上に盛りだくさんでちょっと大変だった……でもどれも楽しかった。

トモミさん・エリー、リハビリにつきあってくれただけでなく、いろいろ企画や手配もしてくれて、本当にありがとうございました。