広河原沢右俣クリスマスルンゼ / 武藤返しの滝
日程:2016/02/13
概要:広河原沢右俣のクリスマスルンゼへ、かっきーとセキネくんとの3人で。ついでに武藤返しの滝にも登った。
山頂:---
同行:かっきー / セキネくん
山行寸描
この冬はアイスクライミングに力を入れたいセキネくんと、肘の不調の中で気軽なアイスを楽しみたいかっきー。この2人を引き合わせての3人でのセッションを、勝手知ったる広河原沢のクリスマスルンゼで行うことにしました。天気予報は土曜日の午後から日曜日にかけての悪天を告げていたので、金曜日の深夜に「道の駅 こぶちさわ」で合流し、土曜日の朝まだ暗いうちにかっきーの車で舟山十字路を目指すことにしました。
2016/02/13
△05:35 舟山十字路 → △06:30-35 二俣 → △07:10-45 右俣出合 → △08:05-10:15 クリスマスルンゼ → △10:20-11:30 武藤返しの滝 → △11:45-12:10 右俣出合 → △12:30 二俣 → △13:15 舟山十字路
舟山十字路に着いたのは5時前。身繕いを整えてから、まだ暗い中ゲートを越えて歩き出しました。途中から深めの新雪の上をはっきりとしたトレースに助けられて進んだのですが、このトレースは建国記念の日に入ったパーティーによるものと思われました。
二俣に着いてみてもテントはなく、さらに右俣方向へ少し進んだところで追いついた2人パーティーは中央稜に登るということでしたから、どうやらクリスマスルンゼは我々の貸切りになりそうです。皆、天気予報を見て今週末の行動は控えることにしたのでしょう。
2年ぶりに訪れた右俣出合で小休止し、ヘルメット、ハーネス、アイゼンを装着しました。アックスも両手にして右俣に入ったのですが、出てきた小滝は雪がべったり着いていてアックスを振るうまでもありません。
やがて見えてきたクリスマスルンゼの下でロープを取り出し、登攀開始。下段はセキネくんのリードですが、緩傾斜ではあるもののまったく危なげなく登る姿には安心感がありました。
続いて上段は私のリードです。ラインは中央の浅い凹角にとり、そのまま右岸にある懸垂下降用の木を目指すことにしました。
今回は新兵器ノミックのデビュー戦でしたが、上段の滝は想定よりも堅く凍っていた上に、あまり登られていないのかアックスやアイゼンによる凹みも少なくて、さしものノミックをもってしても少々苦労しました。特に落ち口付近はアックスがなかなか決まらず緊張しましたが、どうにか左へ抜けて木にセルフビレイをとり、後続の2人を迎えました。
トップロープを張ってさらに遊んだり、ラインを変えてさらなるリードに挑むという選択肢もあったのですが、先ほどからいつ降ってもおかしくないほどに暖かく湿った空気が上空から降りてきていたので、ここは早めに打ち切ることにしました。
その代わり、クリスマスルンゼへのアプローチの途中で左岸に入ってきていた武藤返しの滝を偵察です。出合からも見えている小さな氷瀑をフリーで越えて左奥を見ると、顕著な滝が立っていました。これが武藤返しの滝のようですが、どうしてそんな奇想天外な名前になったかは定かではありません(後日判明しました→〔こちら〕)。
ともあれ、ここはセキネくんのリードとし、トップロープを張ってバーティカルアイスの練習をすることにしました。
気温が高いせいかこちらの氷は柔らかく、アックスが気持ち良くすとんすとんと刺さります。私のノミックを使ってみたかっきーもその軽さと刺さりやすさに感嘆の声を上げていましたが(かっきーのアックスは旧式クォークとBDバイパーでどちらも激重)、セキネくんはいまひとつピンとこなかった様子。これはアックスの振り方にもよるようです。そうこうするうちにいい時間になってきたので、下山にかかることにしました。
天気予報のおかげか誰もいないゲレンデで自分たちのペースでクライミングができた上に、結果的には最後まで雨に降られることもなく、楽しい半日でした。セキネくんはクリスマスルンゼ下段と武藤返しの滝でリードができ、私はクリスマスルンゼ上段でリード、かっきーはたくさん登っているうちに肘の不調が緩和されたようで、3人ともそれぞれに収穫を得て舟山十字路へ下りました。
下山後「八峯苑鹿の湯」で身体を温め、休憩室でのんびり仮眠をとってから、もはや山行終了後のルーティンと化しつつある甲府の「美味小家」でとんかつをいただきました。
相変わらずの美味に、私やかっきーはもとより初見参のセキネくんも舌鼓。
私「これだけとんかつを食べていると、来世は豚に生まれ変わるかもしれないな」
セ「この店で調理されたいですね」
私「どうせ食べられるのなら確かにそうだね」
か「ソースを使わない豚(=イベリコなどの高級ブランド豚)に生まれ変わりたいなあ」
……とは言うものの、食べられる立場よりは食べる立場に立ちたいというのが、3人の一致した本音ではあります。