小川山の岩場
日程:2013/04/28-29
概要:登處 八丁堀の仲間たちと共に、小川山の岩場でのスポートクライミングとボルダリング。初日はスラブ状岩壁、2日目はヴィクターを皮切りに各所を点々。
山頂:---
同行:ツジタ夫妻 / チオちゃん / おトミさん / リンタロウさん / カンキさん(28のみ) / ヤナギモト夫妻(29のみ)
山行寸描
今年のゴールデンウィークの前半は、昨年時間切れで敗退した不帰一峰尾根へのリベンジ山行を、昨年末の夢幻沢大滝でご一緒したかっきー・はっしーと行う予定だったのですが、八方尾根の麓に着いてみれば季節外れの風雪。三峰C尾根へのプラン縮小も視野に入れながら待機を続けたものの、八方尾根のゴンドラが運休となるに及んで山行を断念せざるを得なくなりました。
翌日以降のスキーによるルンゼ滑降を期待しつつ引き続き現地に留まるかっきー・はっしー両氏に別れを告げて、私はJRでトボトボと東京へと戻ったのですが、捨てる神あれば拾う神あり。Facebookでこの状況を見てとったツジタ氏が「小川山へ行きませんか?」と声を掛けてくれたのでした。あな、有り難し。
2013/04/28
△10:10- 廻り目平
ツジタ号に乗ってきたのは、ツジタ夫妻とチオちゃんと私。さらに現地へ先乗りしていたカンキさん、おトミさん、そして初対面のリンタロウさんが合流して総勢7人で、まずは林間にテントを張ってから、チオちゃんの案内でスラブ状岩壁へ移動しました。この日は全ルート、チオちゃんがトップロープを張ってくれて楽ちんクライミングです。
スラブ状岩壁南側壁
- Song of Pine(5.8)
- まずはスラブの洗礼。膝を傷めている関係で左足に乗り込むムーブが厳しい私は、途中で右のフットホールドに乗り込む迂回路(?)で解決。
- ウルトラセブン(5.7) TR→RP
- 出だしだけスラブチックですが、後はガバに導かれる気分の良い課題で、クリップするときに足場が安定しているのがグー。後でリードし、RPしました。
- 放浪癖(5.10b)
- 鏡餅のような段々の左にRCCボルトが2本打たれている課題。段々の右端を登るのはボルトの位置からすると邪道だったかも?最後にエクボのような凹みとその上の薄カチをまとめて右手で押さえて左手に足を上げるところがポイント。
- 穴があったら出たい(5.10a/b)
- これも典型的なスラブ課題。2ピン目がえらく遠くて、チオちゃんのリードのときは見ていて緊張しました。しかしTRで登ってみると、細かいながらもよく利くフットホールドが散りばめられています。
皆でわいわい言いながら登りましたが、木蔭になると途端に寒くなり、思わず腕組みをしてしまいます。姐さん方3人が渋面を作って腕組みしながら、登り始めようとしているチオちゃんを見下ろす姿は、「チオ、ヌルい登りを見せるんじゃねーぞ!」と檄を飛ばしているかのよう。
「放浪癖」ではリードのチオちゃんが何度もずるずる落ちる場面がありましたが、それにもめげず全ルートにロープを張ってくれたチオちゃんに大感謝!そして、テント場に戻れば楽しいBBQです。かなり気合の入ったBBQ道具と食材が登場し、前日から廻り目平に来ていたヒロセさんとトダさんもどこからともなくやってきて、ツジタ奉行による焚火を囲みながらの宴が22時すぎまで続きました。
2013/04/29
△-17:40 廻り目平
強烈に寒い夜をなんとかこなし、7時前に起床。焚火を熾し直して、各自朝食をとりました。仕事の都合でカンキさんは前日のうちに帰京しており、入れ替わりにこの日の朝からヤナギモト夫妻が参加です。今日はボルダリング専業の日とする計画になっており、まずはテント場から最寄りのヴィクターへ向かいました。
ヴィクター
- 10級
- 右端の易しい課題でウォームアップしましたが、昨夜のワインが残っている私はその後は岩に取り付く気にもなれず、日向ぼっこしながら睡眠の追加。その間に、リンタロウさんはわずかなトライで「コンケーブ」(3級)をゲットしていました。すごい!
哲学岩
- 5級
- 薄かぶりの壁の真ん中を、大きめのカチを頼りに登る課題。案外な難しさに全員が苦戦していましたが、ツジタ氏とチオちゃんがさすがのTO。
- フィロソフィー 初段
- 触ってみただけ。というか、この岩は相変わらず手に痛い!誰だ、この岩に行こうと言ったアホは。←私です。
スパイヤー
- 6級
- 皆が「穴社員」(3級)や「エイハブ船長」(1級)にトライしている間に、ひっそりと宿題を片付けようとスパイヤーへ。途中の大きめのホールドまでは安定して到達できるようになったのですが、そこから先、足を上げていくことができません。他のメンバーや現場でご一緒することになったチャーミングな女性ボルダラーと一緒にトライを重ねましたが、TOならず。
分岐岩
- トラバース 6級
- この頃になると、ホールドを押さえ込むための腕や肩の力が落ちてきており、十分なコンディションとは言えませんでした。やれやれ、またしても宿題持ち越しか。
この日、指皮がもつ限り目いっぱい遊んで、その後テントを撤収してから川上村内のパスタ屋さんでおいしい夕食をとり、ここでヤナギモト夫妻と別れて大渋滞の中央道を東京へと戻りました。
夜の寒さには参ったものの、岩のコンディションは申し分なく、実に楽しい2日間でした。初日に(TRとは言え)頑張り過ぎたせいか、2日目はあまりアクティブにボルダー課題に取り組むことができず、自分で自分を「ハーネスなければ只の人」などと嘯きながら流すように岩に触り続けましたが、それでも自然の岩は格別です。また機会があれば、小川山に足を運びたいもの……というわけでツジタさん、今回はお声がけありがとうございました。次の機会も、よろしくお願いします。
さて、ツジタ氏の運転でなんとか日付が変わらないうちに帰宅して、Macを立ち上げニュースサイトなどを見てみると、我々が風雪のために八方尾根を登るのを断念した土曜日に白馬岳の大雪渓に踏み入って雪崩に巻き込まれたパーティーが複数ありました。うーん、あの状況で落石や雪崩の巣となりやすい大雪渓に足を踏み入れるものかな……とは思うものの、それはあくまで結果論です。今はとにかく、亡くなった方々の御冥福をお祈りします。