塾長の山行記録
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塾長の山行記録

金目川春岳沢

日程:2005/04/23

概要:丹沢の春岳沢を遡行。大山に登った後、下社へ。

山頂:大山 1,252m

同行:---

山行寸描

▲髭僧の滝。落ち口手前の2mが悪そうに思えて、右の乾いたカンテを登った。(2005/04/23撮影)
▲樋状の滝。一見つるつるの水流右奥にこれ以上ないほど都合の良いホールドがあって、水線通しに難なく越えられる。(2005/04/23撮影)
▲連瀑。逃げようと思えば簡単に逃げられるが、それではここに来た意味なし。(2005/04/23撮影)

4月に入ってめっきり暖かくなってきたので、今年最初の沢登りに行くことにしました。誰かパートナーができればモミソ沢へ行って懸垂岩での岩トレを組み合わせようかと思っていたのですが、あいにく単独となってしまったので前々から目星をつけていた春岳沢に行くことにしました。どの記録を読んでも「夏向きの沢」ということになっていますが、なに、この暖かさなら4月でも大丈夫だろうと思いながら、秦野から蓑毛行きのバスに乗りました。

2005/04/23

△09:55 蓑毛 → △10:20-35 髭僧の滝 → △11:25-45 三俣 → △12:45-13:00 大山 → △13:45 下社

蓑毛から金目川沿いの舗装路を緩やかに登り、民家風の割烹や色とりどりの花が美しいテラスつきの喫茶の前を過ぎるとやがて湧水地の標識を見ながら木橋を渡って、ここから右に切り返すと山道っぽくなりました。少しの歩きで髭僧の滝への標識があって沢沿いに下ると10mほどの立派な滝の前に降り立ち、ここでスニーカーから沢靴に履き替えました。考えてみたら、沢靴を履くのは昨年9月のナルミズ沢以来です。

髭僧の滝は豊富な水量で落ちていますが、身繕いしながらちらちらと視線を送るとおおむね手掛かり足掛かりは読めてきました。ただしけっこう濡れそうなのと、落ち口の手前2mほどが手掛かりに乏しそう。今年最初の沢で怪我はしたくないので、ここはおとなしく右の乾いた緩やかなカンテ状を登ることにしました。こちらはなんら問題になるところもなく高さを上げることができ、最後に小さくトラバースして髭僧の滝の上に出ました。そこで落ち口を見下ろしてみるとやはりはっきり使えるホールドに乏しく、左壁に1カ所ピトンが打たれていて短いテープスリングが残置されていました。

ここから先はこれといって困難な滝もなく、多少高さのある滝でも左右どちらかに逃げることができてしまいます。しかしそれではわざわざここまで来た甲斐がないので、久しぶりの水や濡れた岩の感触を身体に思い出させるようにわざと難しそうなラインを選んで登っていくうちに、忘れかけていたフェルトのフリクションや濡れたカチに指をかけての引きつけ、遠いフットホールドに片足で乗り込んで徐々に身体を引き上げる感覚が甦ってきました。それにしてもこの沢は明るい、というより明る過ぎで、おそらくこれが夏なら両岸から木が覆いかぶさって緑の空気の中を登ることになるのでしょうが、この時期この場所ではまだ木々の葉も芽吹ききっておらず、すっかり開けた渓相が潤いの乏しさを感じさせるほどです。

どんづまりが堰堤になっている場所で左へ方向を変え、そこからわずかの登りで明るく開けた三俣に到着。右上にはこの沢の水源があって、覗き込んでみると豊富な水が滾々と湧き出しているのを見ることができました。たったの1時間で遡行終了では物足りないと思えばここから正面の涸沢を詰めてもいいのですが、笹薮漕ぎがうるさいらしいので遡行はここで終了としてスニーカーに履き替え、お弁当を食べて寛いでから右手へ等高線に沿って伸びる道へ。この道はよく整備されていてとても歩きやすく、ところどころでマメザクラが目を楽しませてくれて20分もしないうちに下社から大山山頂へ続く登山道に出て、ここからはハイカーの皆さんと一緒に大山山頂を目指しました。

遡行が1時間、遡行終了から大山山頂までがやはり1時間。これは本当に沢登りなのか?と思わないでもありませんでしたが大山山頂からの眺めは相変わらず絶景で、右手には真鶴半島から箱根の山々、左手には江ノ島や鎌倉方面、それらに囲まれて正面に相模湾。これらの景色を眺めながらバナナを食べてから、おもむろに下山にかかりました。8世紀の開山以来数えきれないほどの老若男女が登ったであろう山道をゆるゆると下って下社に到着し、3軒の茶店が競うように元気よく客を呼ぶのに惹かれて真ん中の店に入り、地酒「阿夫利大山」のワンカップと冷や奴、漬け物で今回の山行を締めくくりました。

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