塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

天王岩

日程:2005/04/16

概要:天王岩でスポートクライミング。

山頂:---

同行:シュクラさん

山行寸描

▲ピンクのラインが「クラックジョイ」(5.9)。この日1本目でFL。(2005/04/16撮影)

2005/04/16

△08:45-14:00 天王岩

シュクラさんにお誘いいただいて、天王岩でスポートクライミング。外岩フリーは、昨年の湯河原幕岩以来です。武蔵五日市の駅を8時20分発のバスに乗って15分ほどで曽利郷橋のバス停、そこから斜面を登ってわずかに2分というアプローチの良さ。ただし幕岩のような広さはまったくなく、すとんと切り立った上の岩場に30本、ちょっと歩いた下の岩場に20本弱のルートがそれぞれ狭い間隔で開かれていて、団体さんがきたらすぐに埋まってしまいそうですが、我々が到着したときは先客は2組。それというのも(たぶん)今日は午後から雨の予報なので、我々もそそくさと準備を始めました。

この岩場での初心者向けの有名課題は「クラックジョイ」(5.9)で、フリーには疎い私でもその名前は知っており、私としてもこれくらいは登りたいなと思いながらこの岩場に来たのですが、シュクラさんも私にここを登らせようというもくろみはあったようです。そうは言っても朝一番、まずはシュクラさんがアップのために「クラックジョイ」を登ってヌンチャクを残置してきてくれました。続いて交代して私の番で、ジムですらあまりリードの練習はしていないのにいきなりで大丈夫かな、という不安は押し隠して「(ビレイ)お願いします」の声を残して岩に取り付きました。下部は豊富なホールドに助けられて中間のテラスまでなんとか辿り着きましたが、朝一番で身体が固く、若干もたついているうちに早くも腕が張り気味なのを感じてちょっと焦りました。テラスで十分シェイクして、一丁前のフリークライマーっぽくチョークアップした手にふっと息を吹きかけてから上部のクラック部分に突入。しかし案ずるより産むが易しで、がばがばのホールドを使って身体を巨大フレークの外側へ出していけば、比較的スムーズに終了点へ抜けることができました(FL)。下に降りるとシュクラさんが「なーんだ簡単でしたね。それならマスタースタイルでOSを狙ってもらえばよかった」と言ってくれましたが、いやいやこれくらいが今の私にはいい線でしょう。

この後、私は「蝉時雨」の右隣の無名ルート(最後を直登すれば5.10aらしいですがランペ状を左に逃げて上をつかんだら体感5.8になってしまいました)、下の岩場の「ヒトリシズカ」(5.8)をそれぞれ登りましたが、「ヒトリシズカ」はグレードはともかくせっかくのOSトライだったのに、ルート図をきちんと読んでいなかったため3本目をクリップしてから直上すべきところを左上レッジに導かれて隣の「ちいせみ」の終了点に行ってしまいました。これも、岩の弱点を突くことばかり考える山ヤの哀しいサガというやつです。

一方シュクラさんはこの岩場で唯一残っている5.10台の課題「ミンミン」(5.10d)を登りましたが、ハングの乗っ越しからカンテを直上していくこのルートはかなり手が痛くなるらしく、断続的に何度かトライしたもののRPならず。ちなみにシュクラさんは昨年この岩場で「始祖鳥」(5.11a/b)をRPしており、今日はその「始祖鳥」の右にある「ドロボーカササギ」(5.11a)も試していましたが、どうしてあのかぶった平らな壁を登れるのか?というのが率直な感想です。

私の方はさらに「涅槃の風」(5.10b)に2便出しましたが、2ピン目まではガバに導かれて気持ち良くフリのムーブで上がれるものの、そこから左手で耐えながら身体を右に傾けて右手を上に伸ばすところがどうしてもできません。壁からはがされるのをこらえようとすると左手の引きつけに頼ることになるし、そうなると右手が伸びなくて先に進めません。ヌンチャク回収のために登ってくれたシュクラさんを見るといとも簡単に足を伸ばして体重移動しているのですが……。

最後に無名ルートをもう一度登ろうと岩に手を掛けたところで、上からぽつりぽつりと雨が降ってきて強制終了。スピーディーに用具を片付けて車道に出て、バスの時間にゆとりがあったので散りはじめの桜やかすかな新緑が美しい田舎の風景を愛でながら十里木までバス停四つ程もてくてく歩きました。

久しぶりの外岩はちょっととまどいましたが面白かった!次回はなんとか「涅槃の風」をRPしたいものです。