平ヶ岳
ハイライトシーン



1997/05/27
◎12:25 御池 ◎14:20-45 尾瀬口山荘 ◎15:25 平ヶ岳登山口 ◎15:40 ヒュッテふらんどる
御池から車道を3時間かけて、ヒュッテふらんどるに到着。ここまでアスファルト道を下るのは疲れました。この宿は、もともと登山者向けに20年程前に開設され、今では登山客と釣り客の半々になっているという小屋。ランプの下でいただく夕食は、地元の山菜や自前の畑で採れた野菜類が六品もあり、そのおいしさに感激しました。
1997/05/28
◎04:40 ヒュッテふらんどる ◎04:50 平ヶ岳登山口 ◎06:00 前坂 ◎07:25 下台倉山 ◎08:35 台倉山 ◎08:55 台倉清水 ◎09:55 白沢清水 ◎11:35-40 池ノ岳 ◎12:10-50 平ヶ岳 ◎13:10 分岐 ◎13:25-30 玉子石 ◎13:45 分岐 ◎13:50 池ノ岳 ◎14:50-55 白沢清水 ◎15:50 台倉清水 ◎16:05-15 台倉山 ◎17:05-10 下台倉山 ◎18:00-05 前坂 ◎18:45 平ヶ岳登山口
天気予報を信じて霧の中を出発。山頂にテントを張るつもりで装備を担いで来ていましたが、前夜、宿の主人に「山頂は雪の下なので冬山用幕営装備がないと難しい」と言われ、アンダーウェアを春山用にしていたため、軽装でのピストンに切り替えました。
下台倉山まで雨の中、急なやせ尾根を登ります。下台倉山からはほぼ水平の道が稜線通しに続きますが、ガスのため展望は全く得られませんでした。
台倉清水から道が雪に覆われ始めました。踏み跡もなく、標識(といっても樹木の幹に赤ペンキで線が引いてあるだけ)も見失いがちになり、地形を頼りに進みます。
青空が急速に広がり始める中、ふたたび急坂を登り切り、山頂の笹薮の中の木道を抜けると、目の前に大きな池塘。これが池ノ岳山頂の姫の池です。ここからは鞍部をへだてて目の前に平ヶ岳が大きく、尾瀬方面には燧、奥白根、至仏、武尊が近く見えています。とりわけ燧ヶ岳は、根張りから山頂までの大きな全容が見えていました。
池ノ岳からいったん下り、ツガの中の雪道を登り返すと、再び木道に出ました。そのまま雪解けた湿原の中を進むと標識があり、その右手の灌木の中にひっそりと平ヶ岳の三角点がありました。木道は標識のところからさらに進み、真っ青な空の下、隆起準平原らしい頂上湿原へとつながっています。自分の他には誰もおらず、風の音もしない木道を一人で歩いていると、そのまま空へ溶けていってしまいそうな不思議な気持ちになりました。
木道の末端からは正面やや右手に越後三山の駒ヶ岳と中の岳が白く、そこから左に連なる越後山脈の西側には、残雪の山肌よりもさらに白い雲海が視界を埋め尽くしています。うれしいような悲しいような言い知れぬ気分のまま山頂標識に戻り、ジャムパンとグレープフルーツの昼食をとりました。
帰路、有名な玉子石を見ようと鞍部の分岐から左に曲がりましたが、木道はテン場手前で雪に消えているため、池ノ岳寄りの分岐から再チャレンジ。こちらも尾根の緩斜面が雪におおわれていましたが、かまわずトラバースすると案の定木道に行き着き、しばしの歩きで写真で見た通りの姿をした玉子石に出会うことができました。
玉子石の不思議な姿を目に焼き付けたら下山開始。行きの踏み跡を辿ればよいはずですが、これが見つかりません。稜線上はまだよかったのですが、とうとう台倉清水で残雪のために方向を失ってしまい、しかもこういうときに限って雪の上に熊の足跡を発見してしまいました。結局、一本北側の尾根筋に下りかけてしまっていることに気付き、雪に埋まった浅い沢筋を渡って本来のコースに戻ることができました。しかし、ここから台倉山への登り返しも冷や冷やもの。半ばの勘と半ばの運に助けられました。
予定よりずいぶん遅れて下降にかかったのですが、前坂の下半分くらいのところで、心配した宿のご主人の出迎えを受けることになってしまいました。19時になっても戻らなければ、消防団の応援を呼ぼうとしていたとのこと。申し訳ありません。
ヒュッテふらんどるに連泊した翌朝、宿のご主人が所用で檜枝岐へ車で行くのに便乗させてもらいました。3時間かけて下った道も、車で登れば20分。この道にバスが通るのは、6月に入ってからだそうです。