宮之浦岳
ハイライトシーン



1997/06/04
博多で元同僚たちと飲んだ翌日、JRで西鹿児島に行き、ジェットフォイルで屋久島の玄関口、宮之浦に上陸。タクシーで淀川小屋入口まで上がりました。タクシー代10,610円也。しかし、運転手さんは極めて親切で、さりげなく島内観光案内をしながら、帰りの飛行機の手配まで無線でしてくれました。
■17:05 淀川小屋入口 ■17:40 淀川小屋
歩きやすいほぼ水平の道が小屋まで続き、そこまでの間、比較的高齢の登山者の団体と行き違いました。
清潔で大きな淀川小屋に宿泊しているのは自分を含めて六人。他にテントひと張り。しかし夜中にネズミの足音で目が覚め、あわてて食料の入った袋をザックに詰め込み梁から吊るす羽目に。都会のドブネズミとは違い、茶色のかわいい地ネズミですが、後で確認したら行動食として楽しみにしていたシュガートーストをかじられていました。
1997/06/05
■05:30 淀川小屋
4時になっても外が明るくならないので天候が懸念されましたが、東経130度のここでは日の出が遅いのでした。「ひと月に35日雨が降る」と言われる屋久島ですが、この日を含め、今回は天候に恵まれました。
■06:30 小花之江河 ■06:40 花之江河
こんな南の島に?と驚く高層湿原。花崗岩の島である屋久島ならではの清流と冬の寒さのおかげなのでしょう。
それにしても、徹底した木道の整備ぶりにはあきれます。初日にすれちがった高齢登山者たちのためか、それとも皇太子が近々来島するのでしょうか?
■08:35-09:25 宮之浦岳
笹原の中に巨岩と石楠花を配した気持ちの良い道を登り詰めると、誰もいない山頂に到着しました。360度遮るものはありませんが、遠くは靄って海と空の見分けがつきません。しかし、すぐ隣の永田岳のかなたに白いフェリーが動いているのをみつけ、おかげでそこが海だとわかりました。独りであることをよいことに、しばらく山頂の岩の上で朝寝を楽しみました。
■09:40 焼野三叉路 ■10:30-45 永田岳 ■11:25-30 焼野三叉路
穏やかな山容の宮之浦岳とは打って変わって壁のようにそそり立つ永田岳を往復。饅頭のような形の山頂へは5mほど足場の少ない花崗岩の斜面を登らなければならず、少々びびりました。登りつくと目の前に障子岳の巨大な岩壁。その手前の永田川の流れ下った先に永田港がはっきり見えます。
■11:55-12:00 平石岩屋 ■12:30 第二展望台 ■12:50-13:00 第一展望台
笹原の斜面はここまで。巨岩の上から振り返ると宮之浦岳と永田岳が巨体を並べていました。
その後、二つの展望台からも宮之浦岳が眺められましたが、平石岩屋からの眺めにはかないません。それよりも樹林帯に入って風が通らないため暑くてかないません。
■13:20 新高塚小屋 ■14:10 高塚小屋
新高塚小屋は新しい木造の小屋ですが、翌日白谷雲水峡までの時間を短縮したかったので、さらに先の高塚小屋まで足を伸ばしました。
独特の明るい茶色の樹肌をもつヒメシャラが目立つ鞍部に建つ、古いブロック造りでいかにも避難小屋という感じのこの小屋に宿泊したのは、自分以外に一人のみでした。
1997/06/06
■05:30 高塚小屋 ■05:35 縄文杉 ■06:05 大王杉 ■06:45-50 ウィルソン株
有名な縄文杉は小屋からすぐ。名前の由来になった、火焔文様土器そのままの樹皮に覆われ、登山者を見おろしています。ウィルソン株は八畳敷きのうろの中に清水が湧き出ており、来訪者の喉を潤してくれます。
■07:05 大株歩道入口 ■07:55 楠川別れ
かつて伐採した杉を安房の町まで運んだトロッコのレールの上を歩きました。昭和40年代まで現役だったというトロッコ道も、徐々に荒廃しつつあるようです。
■08:40 辻峠 ■09:00 白谷小屋 ■09:35 白谷雲水峡
ここまでの間でいやというほど多くの鹿を見ました。白谷川にかかる吊り橋の下流はダイナミックな渓谷美。透明で豊富な水と真っ白な岩、緑の苔、朱色のツツジに見とれている内に、案外早く白谷雲水峡の入口に到着しました。白谷雲水峡の事務所には缶ジュースはありますが公衆電話はなく(何故だろう?)、タクシーの予約は正午なのでゆっくり川の水で顔を拭こうとタオルを水に浸けていたところ、足をすべらせて川に落ち股下までびしょぬれにしてしまいました。
この後、たまたま11時前に来てくれたタクシーに乗って空港へ行き、その日の16時頃には帰宅していました。