塾長の山行記録

幌尻岳〜戸蔦別岳

日程:1990/08/11-12

概要:額平川沿いの道を、林道歩きから渡渉を重ねて幌尻山荘に着き、泊。翌日、幌尻岳〜戸蔦別岳を周遊して、往路を下降。

分類:北海道 / 日本百名山

山頂:幌尻岳2,052m / 戸蔦別岳1,959m

同行:K氏

ハイライトシーン

▲七ツ沼カールを見下ろす。素晴らしい幕営地ということになっているが、ヒグマのもてなしは遠慮したい。(1990/08/12撮影)
▲下山途中からの幌尻岳。右の尾根筋から登って左の稜線へ下ったが、頂上部分は雲に覆われている。(1990/08/12撮影)

→「トムラウシ山〜十勝連峰」からの続き。

富良野から苫小牧へ移動して同行のK氏と合流、その日は振内の旅館に泊まり、翌朝K氏の車で林道を35km入りました。車止めには他にも五台の車が停めてあり、少なくとも10人以上は入山しているものと予想されました。

1990/08/11

△10:45-11:05 車止め △12:20-13:00 取水ダム △14:55 幌尻山荘

林道を徒歩で1時間強。取水ダムに達したところで昼食ののち、K氏はかねて用意の地下足袋にワラジ履き、私も運動靴の上にワラジを適当に結ぴ付けました。雨模様の中を額平川沿いに歩き、やがて渡渉が始まります。台風11号の影轡で北海道の太平洋側は昨夜大雨が降っており増水が心配されましたが、渡渉地点はおおむね膝上程度の深さで、一度だけ尻を濡らしたほかは苦もなく遡行できました。しかし運動靴にワラジがしっくり着かず、途中何度も紐を結び直しました。

渡渉15回で、五ノ沢と六ノ沢の分岐に建つ幌尻山荘に到着。管理人が駐在し、ストープが焚かれた立派な小屋。二階にはワンゲルの学生達がごろごろ寝ていました。

1990/08/12

△05:05 幌尻山荘 △06:25-35 命の水 △08:25-09:15 幌尻岳 △11:15-30 戸蔦別岳 △11:50 下降点 △13:05-25 六ノ沢出合 △14:10-40 幌尻山荘 △16:20-25 取水ダム △17:35 車止め

朝、小屋の右手から急坂の登りにかかりました。尾根の途中左手にある水場「命の水」では、冷たい水が斜面の上から流れ落ちています。戸蔦別岳の三角の頂上が目の前に見えましたが、灰色の雲がその上に蓋をかぶせようとしていました。しばらく登って稜線に出ると左手に北カールが広がり、その向こうに幌尻岳の山頂がありますが、既に雲の中に隠れていました。

ガスの中を花を愛でながら緩やかに登ると、道はハイマツ帯を過ぎて岩がちの山頂に辿り着きました。あいにくの展望皆無の中でラーメンを食べ、記念写真を撮って山頂に別れを告げ、戸蔦別岳を自指しました。稜線を進むと雲の下に出、右手に東カールと日高の山々が見えました。さらに歩くと、突然目の前が開け、はるか下に七ツ沼カールが現れました。正面には戸蔦別岳が聳え、縦走路は七ツ沼カールのカール壁の上に細々とつけられています。のびやかなカールは実に美しいのですが、残念ながら沼はほとんど千上がっていました。一気の急降下の途中動物のフンを見ましたが、この時間帯ならヒグマも出ることはあるまいとタカをくくってハイマツを漕ぎました。

ジグザグ道をひたすら登って戸蔦別岳の山頂に到着。ここもガスの中で眺望ゼロ。グレープフルーツを食べて直ちに下山にかかりました。稜線をわずかに進んで、下降点からは両手でハイマツの枝をつかみながら下る急坂が続き、ダケカンバの林に入る直前、雲がわずかに上がって幌尻山頂が顔を覗かせました。これがこの山行最初の、そして最後の幌尻岳の眺めになりました。

六ノ沢出合から再び運動靴とワラジの組合せにして沢を下りましたが、途中で右足のワラジの紐が切れ、片足だけワラジを履いて歩くことになったのですが、このためにワラジのフリクションの絶大な威力を実感することになりました。幸い、幌尻山荘で他のパーティーからワラジをわけてもらうことができ、再び雨模様の額平川を下りました。


この後K氏に苫小牧まで送ってもらいステーションビバーク。翌朝、千歳空港から東京に戻り、一週間の山旅を終了しました。