塾長の山行記録
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塾長の山行記録

北穂高岳〜奥穂高岳〜前穂高岳

日程:1990/08/25-26

概要:上高地から涸沢を経て北穂高に登り1泊。翌日、涸沢岳、奥穂、前穂を越えて、重太郎新道を岳沢へ下山。

山頂:北穂高岳 3,106m / 涸沢岳 3,110m / 奥穂高岳 3,190m / 前穂高岳 3,090m

同行:Y村氏 / K暮氏

山行寸描

▲北穂からの槍ヶ岳。大キレットを渡ったのは、9年後のこと。(1990/08/25撮影)
▲北穂南稜からの前穂。ぎざぎざのスカイラインがいかにも穂高らしい。(1990/08/25撮影)
▲前穂からの奥穂。まさに岩の殿堂の風格。(1990/08/26撮影)

1990/08/25

△05:15 上高地 → △07:50-08:00 横尾 → △10:20-11:35 涸沢小屋 → △12:40-13:00 鎖場 → △14:20-35 北穂高岳 → △14:35 北穂高小屋

同行Y村氏の車を沢渡の村営駐車場に留め、タクシーで上高地入りすると、バスターミナルは早くも観光客があふれています。徳沢まで歩いて前夜コンビニで買ったおにぎりで朝食の後、屏風岩の威容を見上げながら横尾谷を遡りました。

涸沢に着いた時点でまだ10時と時間には十分ゆとりがあるので、涸沢小屋の涸沢カールを見下ろすテラスでビールを飲み、昼寝タイムとしました。涸沢に足を踏み入れたのはこれが初めてでしたが、意外に狭いそのカールも夏山シーズンのピークを過ぎたせいかテントは少ないようでした。

大休止を終えて登高再開。簡単な鎖場を抜けたところで腰を下ろし、下方に小さい涸沢ヒュッテ、正面には常念山脈を眺めながら展望の良さを言い訳に休憩をとりました。しかし、始めは30分に1本だった休憩は急登の連続のために次第に間隔が狭まり、ついには10分に1本になっていきます。それでもやがて、穂高らしくこごしい岩の積み重なりの果てに実然不意打ちのように展望が開け、北穂高岳の3,106mの山頂に着きました。北を見れば大キレット越しの槍ヶ岳が、どんな写真で見るよりもはるかに威圧的な迫力で目の前にあり、滝谷も噂通りに胸のすくほどすっぱり切れ落ちています。さらに山頂直下の北穂高小屋で宿泊の手続を終えたら、テラスでワインを飲みながら北アルプスの山々を愛で、夕食後も笠ヶ岳の向こうに沈む夕日を見に再び山頂に上がりました。

1990/08/26

△06:10 北穂高小屋 / 北穂高岳 → △07:55-08:05 涸沢岳 → △08:20-50 穂高岳山荘 → △09:20-09:40 奥穂高岳 → △10:55-11:10 紀美子平 → △11:35-40 前穂高岳 → △12:05-15 紀美子平 → △13:35-14:10 岳沢ヒュッテ → △15:10 上高地

4時50分、小屋を出て山頂で御来光を待ちました。朝焼けの槍ヶ岳も見たかったのですが、あいにく飛騨側から雲が湧き大槍を隠しています。5時10分になって常念山脈の東に広がる雲海の予想外に低い位置から大陽が顔を出し、登山者の間にどよめきが広がりました。

シャッター音の中、小屋の徒業員が登って来て「御来光の最中にすみませんが、朝御飯ができちゃったんですけどォ」と呼び掛けましたが、誰もが苦笑するばかり。ともあれ撮影タイムを終え、朝食をとったらいよいよ縦走開始です。

縦走路は厳しいトラバースやアッブダウンが続き、しかも日陰は岩が冷たく指先がかじかんで思うようにホールドがつかめません。それでもとりたてて恐ろしい所があるわけではありませんが、涸沢岳の登りは浮石の多い垂直の岩壁のトラバースや登高が続き、少なくとも逆コースは採りたくないと思いました。ちなみに岩場での歩き方は、Y村氏は積極果敢、K暮氏は慎重そのもので対照的です。

最後の凹角の鎖を越えて稜線に飛び出し、50mほどで狭い涸沢岳山頂。昨日に続き抜群の天候で、北アルプスのほとんどの山がクリアに見通せました。蒲田川から一気に聳え立つ笠ヶ岳の左には加賀の白山が長大な稜線を左右に引いており、行く手にはもちろん奥穂高岳と前穂高岳が吊尾根に結ばれて手の届きそうな近さにあります。

奥穂高岳の山頂からは眼下に上高地が箱庭のように見え、それを見下ろす赤茶けた焼岳、彼方の乗鞍岳の姿が立派ですが、ふと気付くとジャンダルムの上に人が立っているのもはっきり見えました。大ケルンの上で記念撮影をしグレープフルーツを分け合ってから、前穂高岳を目指しました。吊尾根のトラバースでは結構冷汗をかかされて紀美子平に到着すると、奥穂高岳から西穂高岳へのギザギザの稜線が一望できて迫力満点です。

紀美子平にザックをデポして前穂高岳の山頂を目指すと、ゴロゴロの石に覆われた細長い山頂に着く頃には雲が出始めていました。それでも登頂の証拠写真を撮ったらただちに下って紀美子平でザックを回収し、いきなりのツルツル岩の鎖場から急降下、最後にお花畑の中をジグザグを切って岳沢へ下りました。ところが岳沢ヒュッテに着いてみると、きつい下りの励みにしていたカレーライスが売り切れと知りY村氏は一瞬激怒!幸い、代わりに売っていたピラフを食して事無きを得た後はピラフパワーに任せて上高地までひたすら歩くだけ。観光客で賑わう河童橋から振り返れば、数時間前にその山頂にいた奥穂高岳と前穂高岳がはるかに高く聳えていました。

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