富士山

日程:2012/06/02

概要:富士スバルライン五合目から吉田口頂上に登り、その日のうちに馬返しまで下山。

山頂:吉田口頂上 3710m

同行:---

山行寸描

▲七合目最初の花小屋から雪、そして八合目の蓬莱館からアイゼン装着。山頂近くの鳥居や狛犬の埋もれ具合にも要注目。(2012/06/02撮影)

毎年恒例、6月の富士山。夏山に向けての脚力確認と高度順化のために、佐藤小屋をベースに五合目から山頂までを土日で2往復するのを通例にしていますが、今回は日曜日に用事が入っているため土曜日ワンデイです。

2012/06/02

△10:25 富士スバルライン五合目 → △14:40-15:00 吉田口頂上 → △17:40-45 佐藤小屋 → △18:45 馬返し

新宿を出たときにはよく晴れていたのに、富士スバルライン五合目に着いてみるとガスで視界ゼロ。ぽつぽつ雨も降っています。にもかかわらずこの辺りは非常に国際色豊かで、売店に入れば大陸系の団体さんが買い物をしながら大声を張り上げているし、外では東南アジア風の黄色い僧侶姿の2人が写真を撮り合っています。さらに、ちょっと歩き出すとインド風の風貌の観光客から「この先にはstationはあるのか?山の上には登れるのか?」と聞かれましたが、この先には開業しているstationはないし、上には雪があるから君たちには無理でしょう!と教えてあげました。

泉ヶ瀧分岐から富士山安全指導センターまでの斜めの道は少々荒れ気味。そして安全指導センターに着いたところで持参したバナナを食べていると山頂方向の視界が一瞬開けて、大きな斜面にかなりの雪が残っていることが見てとれます。暑いような寒いような微妙な天気の中をジグザグに登りましたが、早くも七合目の花小屋から雪が出てきたためここでアプローチシューズから登山靴に履き替え、小屋の横の雪の斜面をダイレクトに登りました。さらに八合目の蓬莱館まで達すると登る者と下る者とが交錯するようになり、案外多くの人が富士山に入っていたことを知りました。周囲の人々の様子を見てみると、リュックサックの外にスキーを装着している人もいれば、マットをくくりつけていることから山頂にテントを張って泊まる予定であることがわかる人も少なくありません。ここからはアイゼンを装着して登りましたが、お鉢までの間で雪面が凍っている場所はほとんどありませんでした。

2008年に登ったときにも雪が多いように思いましたが、今年はそのときよりもさらに雪が多く、狛犬や鳥居の埋もれ具合は2008年の比ではありません。そうした中、思ったより時間をかけながらどうにか吉田口の山頂に到着したところ、下界の展望には恵まれませんでしたが火口の対岸にある最高点方面の景観は相変わらず立派でした。

今回は時間の都合でお鉢巡りはしないので、わずかの滞頂で下降を開始しました。風もなく雪もクラストしていないので広々とした雪面を順調に下り、ガスで方向を見失いかけることもありましたが、おおむね踏み跡に従って下れば山小屋がポイントになって軌道修正することができ、登りと同じく花小屋でアプローチシューズに履き替えました。

富士山安全指導センターに着いたときには17時を回っており、既に富士スバルライン五合目からのバスはないのでそのまま馬返しへ下ることになります。このため佐藤小屋の前でタクシー会社に電話し、1時間後の迎えを依頼して電話を切ったところでメールが入りました。見ればTwitterで「佐藤小屋▪富士山 @satougoya さんがあなた(@juqcho)をフォローしました」。なんたる奇遇!

佐藤小屋から馬返しまでの下り道は江戸時代以前から富士山に登るためのメインルートとして整備されてきた歴史があり、歩きやすく整備されている上に合目ごとに茶屋の跡などの遺物があって楽しく下れます。それらの解説板に見入りながらのんびり下っているうちに約束の時刻を過ぎそうになったので最後は駆け下ることになってしまいましたが、どうにか無事にオンタイムで馬返しに着くことができました。