つづら岩
日程:2011/12/17
概要:奥多摩の岩登りのゲレンデ・つづら岩で、マルチピッチと人工登攀のトレーニング。
山頂:---
同行:常吉さん / いず姫
山行寸描
2011/12/17
△09:40 千足 → △11:00-16:00 つづら岩 → △16:50 千足
人工登攀の技術を身に付けたいという常吉さんと「ストーン・マジック」でアブミの練習をしたのは10月のこと。次は外岩でという約束を果たすべく、この日、武蔵五日市駅前で常吉さんと、さらに常吉さんの入っている山岳会の仲間であるいず姫と合流しました。行き先は大岳山から南下する馬頭刈尾根上にあるつづら岩で、東京近郊のゲレンデとして有名ですが私は初めてです。
ちょっとわかりにくい「千足」バス停近くの駐車場に車を置き、料金500円を駐車場のオーナーに支払ってから、わかりやすい道をぐんぐん登ります。きれいな綾滝を越えたあたりから傾斜が急になってきて、ロープやギアの重みに息を切らせそうになりながら登っていくと29人ものハイカーの団体に追いついてしまいました。この方々は見たところほとんどが私よりずっと年配に思えましたが、足取りはしっかりしているのに我々に道を譲ってくださろうとしたり、つづら岩の場所を詳しく教えてくださったり。好感度大の団体でした。
やがて待望の岩場に到着しました。かなりのスケールのあるゲレンデで何本ものルートが拓かれていますが、どれも日当りが良好で気分良く登れそう。まずはアップでIII級の「オケラルート」を登ってみるかと取付まで移動したのですが、見たところ岩が脆そうでなんだかイヤな感じ。それなら岩の堅そうなIV級ルートの方がいいんじゃない?と「一般ルート」に変更することにしました。3人なのでリードが2本のロープを引っ張るスタイルとなりますが、常吉さんも私もリードする気ゼロ。レディファーストですからね、私たちは紳士なんです。
このルートはところどころ神経を使う箇所がありますが、岩はしっかり堅く要所にハンガーボルトも打たれていて安心して登ることができます。ルート長はトポでは50mですが、初見でもありマルチピッチの練習でもあるので、途中2カ所の安定したテラスで短かめにピッチを切りました。それにしてもこの日はいい天気で、背後には真っ白な富士山もよく見えており、いず姫がルートファインディングに迷いながら一所懸命リードしている間に常吉さんと私はのんびりと写真を撮りながら日向ぼっこ。これで熱い昆布茶と厚切り羊羹でもあれば言うことなしなんですが。
最後に上部へ抜けるところはルートを間違えてしまったようですが、とにかくIV級ルートを初見で見事完登。「ウォームアップ」のつもりが思わぬ本気チャレンジになりましたが、ともあれいず姫、お疲れさまでした。とは言うものの、空中懸垂も交えながら取付に戻ったところで時刻は既に14時。うーん、さすがにこれは時間がかかり過ぎかな。支点構築ではそれほど時間をロスしていなかったと思うので、やはりルートファインディングに苦しんだせいでしょう。次回この岩場に来ることがあったら、3人でも1時間以内でここを抜けられるようにしたいものです。
この日はアイゼントレーニングもしようともくろんでいた私でしたが、予想外に時刻が遅くなってしまったのでアイゼントレーニングは割愛してアブミ練習だけをすることにしました。「一般ルート」の取付の右にあるかぶった岩にリングボルトやRCCボルトが打たれているのが人工登攀の練習場で、ここにトップロープを張ってひとしきりのアブミ練習。普通にアブミの掛替えで数m上がって、最後にアブミを回収したらロワーダウン。地面に着く前に止めて、そこからセルフレスキューです。いず姫は見事に巻込みによるレスト姿勢を作ってすいすいと上へ登り、セルフレスキューも難なくこなしていましたが、常吉さんはちょっと苦労してしまいました。2ピン目が身長的にぎりぎりである上に、意地悪なRCCボルトがくるくる回ってしまってカラビナをなかなか掛けさせてくれません。本チャンでもそうした事態はあるでしょうから実践的と言えば実践的なんですが、これは少々ムカつきます。
最後に行ったのが最上段巻込みの練習で、これができれば遠いと感じた2ピン目もフツーに手が届くようになりますが、巻込む足を横に開くというコツを体得した常吉さんもいず姫も、最上段巻込みをきれいにモノにしていました。
岩場に当たる日の光が夕方のそれになったところで練習を終了し、最後は日没と競争するように下山しました。つづら岩はちょっとアプローチが遠く、そのために特に冬季は本数を稼げませんが、また行きたいと思わせるなかなかいい岩場でした。
この日、私は常吉さんのお宅に泊めていただきました。気さくな奥様、矍鑠としたお母様、そしてかわいいプー嬢(トイプードル)とご挨拶し、お酒も進んで楽しい一夜でした。ありがとうございました。