塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

湯河原幕岩

日程:2006/02/12

概要:悟空スラブ2ピッチ(5.7)。その後にフリーをしようと思っていたら、終了点で雪に降られてあえなく撤収。

山頂:---

同行:オグ

山行寸描

▲2ピッチ目。意外に立っていて面白い。(2006/02/12撮影)
▲終了点からの眺め。真鶴半島がはっきりと見えている。(2006/02/12撮影)
▲懸垂下降するオグ。何の不安もないパートナーシップを発揮してくれた。(2006/02/12撮影)

2006/02/12

△09:25 幕山公園 → △10:50-11:40 悟空スラブ → △13:20 幕山公園

会社の同僚で若手のオグと、湯河原の幕岩へ行くことにしました。計画としては、午前中にマルチピッチの悟空スラブを登って、午後から簡単なフリーのルートに取り付いてみようというもの。というわけでこの日9時に湯河原駅で待ち合わせて幕山公園までタクシーを奮発し、幕山の中腹に姿を見せている悟空スラブを確認してから、まだちらほらとしか花をつけていない梅林の中を右上して茅ヶ崎ロックエリアへと歩きました。

トポを見ながら不安な歩きを続け、割礼塔を回り込んで上へ登るところでなぜか道を見失い、しばらく薮を漕いだあげく、仕方なく元来た道に戻ってやり直し。すると今度ははっきりした踏み跡が続いていて安心しました。

悟空スラブの取付にはたくさんのリュックサックが残置してあって、上からもさかんにコールが聞こえました。樹林に阻まれて姿は見えませんが、コールの口調や内容を聞いてみると中高年初心者のトレーニングのようで、3、4パーティー程度に分かれているようです。こちらも身支度をととのえておもむろに登攀を開始しましたが、そうはいっても最初の1ピッチはほとんどII級なので、ロープは単に引っ張っているだけで途中ランナーもとらずに次のビレイポイントに到着しました。

悟空スラブの面白いところはこの次のピッチで、先行パーティーのロープの間を縫うようにカンテ状の岩にとりつき、細かいホールドに丁寧に手足を置きながら高度を上げていきました。さすがにこのピッチは途中5カ所でランナーをとりながら登りましたが、高度が上がるにつれて傾斜が立ってきてそれなりにスリリング。とりわけ、上からラペルでそろそろと降りてきた「私、懸垂下降は初めてです」と顔に書いてある先行さんを、ルート中の核心部と思われるけっこう立ったカンテ(5.7)でランナウトした状態でやり過ごさなければならなかったのはちょっとびびりました。

フォローのオグもこのカンテを淀みなく登ってきて、そのまま終了点から数m上の安定したテラスまでフィックスロープを頼りに先行してもらってから、私もそこまで上がって軽食タイムとしました。この先に上まで抜けるルートもあるらしいのですが、大半のパーティーはここで終了して同ルートを下降するようです。

ここは意外な高度感があり、真鶴岬もはっきり見えていい景色のはずなのですが、さっきから舞っていた白いふわふわはここにきてはっきりと雪模様となっています。今日は晴れの予報のはずだったのですが、仕方なく軽くパンと午後ティーを口にしただけでそそくさと退却の準備にとりかかり、懸垂下降2ピッチで取付に戻ったらフリーは諦めてただちに下山しました。

下界に降りて振り返ると、幕山はまるで吹雪の中のよう。フリーを諦めたのは正解ですが、いくらなんでもこれで終わるのはさびしいので、東海道線を鈍行でえっちらおっちら移動して恵比寿の「J&S」に転進し、16時すぎから2時間余りボルダリングで遊んでから解散しました。しかし、「J&S」の受付のお兄さんの話では今日の東京はよく晴れて穏やかな陽気だったとのこと。我々が見舞われた降雪は、いったいなんだったんでしょう?