白山
日程:1993/05/03-04
概要:市ノ瀬から登山口=別当出合までバス道を歩き、雪の砂防新道を登って室堂泊。翌朝、白山山頂を踏んで往路を下降。
山頂:御前峰 2702m
同行:ユウコさん
山行寸描
1993/05/03
△08:50 市ノ瀬 → △10:30-50 別当出合 → △14:05-10 甚ノ助避難小屋 → △16:30 室堂センター
夏であれば別当出合までバスが走りますが、この季節は雪と落石のため車は市ノ瀬止り。フキノトウが目立つ雨の車道を別当出合までてくてく歩いてからスパッツを着け、登山道に入りました。ここからは緩やかな雪の斜面が果てしなく上部へと続きます。
甚ノ助避難小屋は完全に雪に埋もれ、溝状に掘り出された入口から今夜ここに泊まるパーティーが出入りしていました。斜面はさらに傾斜を増し、南竜ヶ馬場分岐から急斜面をトラバースして黒ボコ岩下の雪壁を100m直登すると、目の前に真っ平な弥陀ヶ原の雪原が広がり、その向こうには左から右へ吹きすぎる雲の切れ切れに室堂センターの茶色の屋根と意外におおらかな曲線の御前峰の山頂も姿を見せました。
弥陀ヶ原を横切り最後の坂を登り切ると、屋根を雪の上に覗かせた室堂センターに到着です。小屋番の若者の案内で入った冬期小屋は登山客で賑やかでしたが、1人当りのスペースはゆったりとられていました。
1993/05/04
△05:00 室堂センター → △05:40-06:05 白山(御前峰) → △06:20-08:35 室堂センター → △09:30 甚ノ助避難小屋 → △10:50-11:15 別当出合 → △12:30 市ノ瀬
明けて4日は朝から快晴。寝坊のユウコさんを置いて小屋を抜け出し、アイゼンを着けて山頂を目指しました。アイスバーンになった斜面を50歩進んでは息を整えることを繰り返して寒風の吹きすさぶ稜線に飛び出ると、眼前に岩がちの剣ヶ峰と白いカーブを描く大汝峰が出現し、わずかに右に進むとそこが山頂=御前峰でした。既に日は高く上っているものの槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳、御嶽山が雲の上に黒いシルエットを現わし、ややあって太陽の角度が変わると立山・剱岳や薬師岳の姿も浮かび上がってきました。
小屋に戻り、食事と出発準備の喧騒の中で惰眠を貪るユウコさんを叩き起こし、コーヒーを淹れました。ついでユウコさんの山頂往復を待って朝食をとってから、5月のきつい日差しの中を足早に下りました。山スキーを楽しむスキーヤーが上から滑り降り、下から板を引きずって登ってくる中、バスの時刻を睨みながらシリセードを多用して時間を稼ぎました。
下界に降りてからの歩きでは、車道の脇にうじゃうじゃ生えているフキノトウをいくつか摘み、ビニール袋で持ち帰りました。これは翌日スパゲティの具にしましたが、独特の苦味がマッチした不思議なおいしさでした。