伯耆大山

日程:1992/05/04

概要:夏山登山道から弥山に登り、縦走路を最高峰の剣ヶ峰へ渡り、三鈷峰に寄ってから大神山神社に下山。

山頂:弥山 1711m / 剣ヶ峰 1729m

同行:---

山行寸描

▲弥山(左)から剣ヶ峰(右奥)方向を見る。際どい縦走の始まり。(1992/05/04撮影)
▲崩壊中の稜線の縦走路(左)を進むと核心部のラクダの背(右)に辿り着く。ここはもう道の体裁をなしていない。(1992/05/04撮影)
▲ラクダの背を越えて弥山を振り返る。この手前数分が恐怖の連続だった。(1992/05/04撮影)

1992/05/04

△08:45 登山口 → △09:45-55 六合目 → △10:30-40 弥山 → △11:05-10 剣ヶ峰 → △11:15 天狗ヶ峰 → △11:55-12:05 三鈷峰 → △13:05 下宝珠越 → △13:30 大神山神社

2年半ぶりの大山。前回果たせなかった剣ヶ峰への縦走が今回のメインテーマです。ゴールデンウィークだけあって家族連れの多い登山道を黙々と登りましたが、六合目から上は雲に覆われていました。

山頂直前のダイセンキャラポク純林にかかる頃から青空が広がりはじめ、登山者でごったがえす弥山山頂からはこれから辿る縦走路の向こうに剣ヶ峰が意外に近く見えています。多くの登山者が三角点標石付近で寛いでいますが、縦走路に足を踏み入れる者はほとんどいません。それでもわずかに数名の先行者が両側のすっばり切れ落ちた稜線を進んでいるのを見て意を決し、縦走にかかりました。

ここからの500mは高度感を味わうゆとりもなく、風の唸りと岩肌の崩れるサラサラという音を聞きながら足元だけを見つめて歩きます。高所恐怖症気味の人間には拷問として使えるのではないか、と思い付いたのは縦走を終えた後のことで、歩いている間は足を置く場所を探す以外のことに心を振り向けるゆとりなどなく、特に難所とされる「ラクダの背」は距離は短いながらも足場が脆くて肝を冷やしました。

最高峰である剣ヶ峰に達してほっとひと息。しかしこの後の下降路もけっこう悪く、引き続き緊張を強いられました。

三鈷峰に着いてようやく緊張を解き、すっかり晴れ渡った青空の下に高い縦走路を見上げると、北壁の大崩壊はスケールが大き過ぎてカメラのフレームに納まりそうもありませんでした。