棒ノ折山

日程:2024/12/11

概要:白谷沢コースから棒ノ折山へ登り、滝ノ平尾根を下ってさわらびの湯に降りる。

⏿ PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

山頂:棒ノ折山 969m

同行:Y女史

山行寸描

▲棒ノ折山への登路=白谷沢。ゴルジュ区間の雰囲気が岩好きにはたまらない。(2024/12/11撮影)
▲棒ノ折山の山頂。彼方に見える筑波山は、こちらより低いにもかかわらず雄大な山に見える。(2024/12/11撮影)

ボル友・Y女史の登山事始めパート3[1]として、奥多摩の孤峰・棒ノ折山へ。酒好きなY女史のことだからもちろん棒ノ折山から南へ下って青梅線沿線の小澤酒造を目指すのかと思いきや、出発前日になって「のんびり温泉気分なのでさわらびの湯へ戻るプランで」と注文が入り、思いがけずお手軽な山行となりました。

2024/12/11

△09:30 さわらびの湯バス停 → △11:45 権次入峠 → △11:55-12:25 棒ノ折山 → △12:35 権次入峠 → △14:10 さわらびの湯

上記のように行程が短くなったのでのんびりと、飯能駅に8時半集合。平日であることもあって、さわらびの湯近くのバス停に降りた登山者は我々だけでした。もっとも今回のように起点に戻ってくるタイプの山行なら、自家用車で来ている登山者もいなくはないでしょう。

有間ダムの上を通って名栗湖右岸の道をしばらく進み、白石橋を渡ったところが登山口です。もともと先月下旬にここから棒ノ折山に登るつもりだったのに、直前になって伐採作業のためにコースが閉鎖されているという情報に接し行き先を変更した経緯があったので、Y女史にとっては捲土重来といったところですが、私にとってはこのコースを登るのはこれが3度目です。

例によって、Y女史はわずかに残った紅葉よりも岩がちの道(岩質はおそらくチャート)を歩くことのほうが面白いらしく、嬉々として歩いていきます。

白谷沢の左岸の中腹に付けられていた道は、やがて白谷沢の中に入るようになり、同時に谷筋は深く切れ込んでゴルジュ状になってきます。ここは何度歩いても楽しいところで、私もまた嬉々として岩の感触を楽しみながらY女史の後を追って進みました。

ゴルジュを抜けた先で再び紅葉を愛でた後、林道を横断して少しの急坂を登ってから左へトラバースすると……。

みんな大好き岩茸石。こちらから見て左奥側から登ればまったく簡単ですが、ここは真正面に見えているチムニーを活かして登るのが立体的で面白い。ちなみに私は肩痛持ち、Y女史は肘痛持ちでそれぞれジムでのボルダリングを封印している状態ですし、お互いにいい歳でもあるので第三者目線で見ればナントカの冷や水と言われても仕方ありませんでしたが、ちょうど通りかかった単独の登山者もそんな寒い光景を面白そうと思ったのか呆れたのか、リュックサックを下ろして我々の後からこの岩に取り付いていました。

権次入峠を経て東屋のある広場になっている棒ノ折山の山頂に着いたのは正午頃。先客は2組、我々の休憩中にやってきた登山者も2組と静かな山頂でした。この山頂からは関東平野の眺めが広く、そのはるか彼方には筑波山が特徴的な双耳の姿を見せていましたが、ここでY女史から指摘を受けて初めて、この棒ノ折山の方が筑波山よりも高いことに気がつきました。迂闊と言えば迂闊な話ですが、しかし遠くから見る筑波山の姿は実に雄大で、とても標高が900mに満たない山だとは思えません。ともあれ、Y女史から配給を受けたクリームパンでの昼食を終えたら早々に下山にかかりました。

権次入峠、岩茸石と往路を戻り、そこからまっすぐ滝ノ平尾根を下って下界に降り立ったのは14時頃です。実働5時間にも満たないお気楽山行でしたが、天気と展望に恵まれゴルジュとボルダーにも接することができて、行動時間の短さの割には満ち足りた山歩きになりました。そしてこの山行の趣旨であった「登山事始め」という観点から振り返ると、Y女史の歩きはしっかりしていて注文のつけどころがなく、これなら一人でどこでも歩けそう。あとは地図読みに慣れればOKかな。

下山後の楽しみはもちろん「さわらびの湯」です。過去2回の棒ノ折山登山はいずれも高水三山の方へ進んでいたのでこの施設に入るのはこれが初めてでしたが、地場の材木を使った大屋根に覆われた内湯とスチームサウナですっかり温まり、物産コーナーも楽しく眺めました。

そして飯能駅に隣接した「CARVAAN」にて、クラフトビールとピザで打上げ。ここを訪れたのは2年ぶりでしたが、相変わらず雰囲気も味もよく、これからも折々に足を運びたくなるお店です。

脚注

  1. ^パート1は2023年の南高尾セブンサミッツ、パート2は先月末の高水三山