棒ノ折山
日程:2017/12/31
概要:年納めのトレイルランニングとして、ラン友・マドカと共に棒ノ折山へ飯能側から登り、軍畑へ下る。
山頂:棒ノ折山 969m / 岩茸石山 793m / 高水山 759m
同行:マドカ
山行寸描


2017/12/31
△09:45 さわらびの湯バス停 → △11:15 権次入峠 → △11:20-40 棒ノ折山 → △11:45 権次入峠 → △12:55-13:00 岩茸石山 → △13:15 高水山 → △13:20-30 常福院 → △14:15 軍畑
2017年も今日でおしまい。1年の締めくくりに奥多摩方面へトレイルランニングをしに行こうとラン友・マドカに声を掛けて行き先を物色した結果、距離も手頃な棒ノ折山に登ることになりました。棒ノ折山は奥多摩と奥武蔵の境に位置する山で、今回は西武線の飯能からバスで登山口へアプローチし、棒ノ折山から高水山を経てJR青梅線の軍畑へ下る計画です。
さすがに年の瀬とあって、バスに乗った登山者は我々2人だけ。バス停「さわらびの湯」の近くには「ようこそ名栗へ」という観光案内板と「なぐりづえ」という物騒な杖(レンタル?)が置かれていました。
車道をしばらく歩いたところに現れたのがロックフィルダムの有間ダムと名栗湖。昨日まで快晴が続いていましたが、今日はいつ降り出してもおかしくない空模様です。
ダムを渡って名栗湖の左(右岸)の車道を少し走った先にある白谷沢沿いの登山道に入りました。
最初の内は何ということもない登山道だったのですが、やがて沢筋が狭まるとはっきりとゴルジュ状になり、滝が現れるようになりました。これはなかなか。
岩質は越沢バットレスなどでもおなじみのチャートであるようです。チャートというのはプランクトンの殻が海底に堆積して固まったもので、2億年ほど前に海溝に沈み込む海洋プレートの動きによって大陸側に押し付けられてできた付加体として日本列島の一部を形成するようになったものです。
そうしたダイナミックな歴史の知識を持っておくと、この谷筋の道も味わい深く歩けるというものです。
ゴルジュが終わってしばらく登ったところに林道が横断しており、登山道はこれを突っ切ってさらに高度を上げましたが、やがてこちらも左へトラバースするようになって「さわらびの湯」から尾根筋を登る道に合流しました。
合流点にはこのように立派なボルダーあり。山側から見て左は階段状で簡単に岩のてっぺんに立つことができますが、正面右寄りの前傾クラックを使うとかなり難しそうです。
ひと踏ん張りの登りで権次入ごんじり峠に到着。ここから幅広い尾根道を緩やかに登ったところが棒ノ折山です。
棒ノ折山の山頂に立ったのはこれが初めてですが、これほど眺めの良いところとは知りませんでした。さすがにこの日は寒々しい感じがしますが、それでも左奥には武甲山、正面には奥武蔵の山並み、その向こうに遠く筑波山が連なり、右の方は都心方面でスカイツリーもよく見えています。
広場状の山頂には東屋やベンチが置かれており、寛ぐには最適。我々もここで昼食としましたが、ふと気付けば雪がはらはらと降り始めています。迂闊にも雨具を持参していない我々は、早々に棒ノ折山を退散して高水山を目指しました。登山道はそれほどアップダウンがないものの、枯葉に覆われているために不用意にスピードを上げるわけにはいきません。
それでも1時間余りの早歩きで、これまた眺めの良い岩茸石山に到着しました。なるほど改めて地図を見てみると、棒ノ折山からこの岩茸石山へと連なる山脈の東側にはこれといって高い山はありませんから、この展望も納得です。
高水山は一見遠く見えますが、途中の登山道はほぼ水平で実に気持ち良く走れます。霜が若干気になりますが、どうやら雪はやんできたようです。
高水山の山頂には石の祠が二つ、そしてそのすぐ下が常福院でした。
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常福院にはこれまで何度も来ていますが、いずれもトレイルランニングのレースの折返し点としてのもの。こうしてじっくり境内を拝見したのは初めてでしたが、落ち着いた雰囲気が好ましい古刹という感じです。本尊は「浪切白不動明王」だそうで、不動堂の正面には「開運守護の剣」と題した巨大な剣が置かれていました。また、帰宅してから調べてみると、こちらは9世紀の開創で現在は真言宗豊山派。ということは、この狛犬二匹は空海を高野山に導いた狩場明神が従えていた黒白の犬なのかもしれません。
高水山からは人気のない山道を30分ほど下り、そこからは車道のランとなりました。その頃になると天気は好転し、雲が切れて太陽が顔を覗かせていました。
軍畑駅でランを終了した後、青梅線で河辺に移動して「梅の湯」でのんびりお風呂につかりました。
打上げはご覧のとおりの酒池肉林……というのは言い過ぎですが、スポーツの後のアルコールは身体に良くないとわかっていてもやめられません。かすかな後ろめたさと多大なる開き直りでジョッキやグラスを傾けている間に、2017年最後の太陽が山の端に隠れていきました。