富士山

日程:2016/06/04-05

概要:恒例のトレーニング山行として富士山へ。初日は富士スバルライン五合目から吉田口頂上に達し、すぐに下山して吉田口五合目の佐藤小屋泊。2日目は雨のため午前中停滞し、富士スバルライン五合目へ。

山頂:吉田口頂上 3710m

同行:---

山行寸描

▲6月上旬とは思えない雪の少なさ。それでもお鉢の中にはそれなりに雪が残っていた。(2016/06/04撮影)

2016/06/04

△11:20 富士スバルライン五合目 → △16:20-30 吉田口頂上 → △18:40 佐藤小屋

4月にできたばかりの新宿高速バスターミナル=バスタ新宿に初見参。ロビーは広く、綺麗になっていい感じです。

しかし、あいにく中央自動車道の途中で渋滞に捕まり、富士スバルライン五合目に着いたのは11時頃になりました。

見るからに黒々とした富士山頂部には、申し訳程度の雪と雲。小御嶽神社で御守りをいただきましたが、こちらは承平7年(937)創建と由緒ある神社なのだそうです。その神社に隣接した食堂の山菜うどんで腹ごしらえをしたものの、食堂のおばさんから今夜は雨が降り翌朝まで残るという情報を仕入れてちょっとがっかり。

遅いスタートとなりましたが、とにかく今日のうちに山頂に達しておかねば。泉ヶ滝から斜めに登る道は閉鎖されていたので、いったん佐藤小屋まで進み、そちらから登ることにしました。

ところが、こちらの登山道の途中で樹木が妙に荒れている箇所に遭遇しました。これはどうしたこと?と思いつつ歩き続けて六合目から上を眺めると、どうやら今日の富士山はご機嫌斜めの様子です。

それでも高さを上げるにつれ視界がきくようになってきましたが、今年は雪の少なさが際立っています。例年ならスキーを担いだ人たちがこの道を登っているはずですが、もうこれではスキーは無理でしょう。とは言うものの徐々に寒風が強くなってヤッケなしでは厳しい気象条件になってきましたが、そうした中を背後からひたひたと登ってきた半袖Tシャツ1枚姿の西洋人が白雲荘で私に追いついて「ここは九合目か?」「あとどれくらいかかる?」と聞いてきました。いやいやここはまだ八合目、(彼の足なら)あと30分位かなあと答えたところへ上から夫婦らしい西洋人が下りてきたので、彼がやはり「あとどれくらい?」と聞くと「depends on you」としごくもっともな答。なるほど、これが西洋合理主義というやつか。

九合目の鳥居が見えるあたりからそれなりの雪が出始めましたが、この辺りですっかり失速してしまいました。今回は高度順化が目的なので意識して時間をかけて登ることにしていましたが、高度の影響で息が上がったために足が上がらなかったのも事実です。

吉田口頂上に着いてみると誰もいません。おかしいな、Tシャツ男はどこへ行ったのだろう?と思いながらお鉢を見下ろせる場所に足を運んでみると、対岸の剣ヶ峰の左下に動く人影が見えました。たぶんあれがTシャツ男でしょう。怖ろしいヤツ……。

こちらは佐藤小屋での夕食が18時からだと言われていたのでさっさと下山を開始しましたが、どう頑張っても間に合いそうにありません。17時50分に東洋館に下り着いたところで電話を入れて遅刻を詫びると、佐藤小屋のおかみさんは快く「待っている」と言ってくれました。

ようやく佐藤小屋に到着し、ビールを1本買い求めて人心地がつきました。夕食はお肉たっぷりのすき焼きに新鮮なサラダ、カツとコロッケ、ご飯で大満足でした。お客は他に単独行が1人とガイド&クライアントのペア、さらに21時頃にクライアント2人が合流する予定とのことでしたが、いずれも天気の悪い翌日に登頂を目指すそう。今日のうちに登っておいて良かったと思いながら20時には就寝しました。

2016/06/05

△11:30 佐藤小屋 → △11:50 富士スバルライン五合目

3時半に起床しましたが、やはり外は雨。ガイドパーティー4人は2時頃に登っていったそうですが、これはつらい登山になることでしょう。こちらはこの日の登頂は早々に諦め、おかみさんの勧めもあってもう一眠りすることにしました。

9時頃に再び起き出して、後はコーヒーを飲んだりインコのピーちゃんをからかったり持参した文庫本(シェークスピアの『夏の夜の夢』の秀逸な新訳)を読んだり。その合間に小屋番の息子さんと会話を交わしたところ、私が見た登山道の荒れた様子は2月の豪雨(雪ではなく)の際に起きた土砂崩れの爪痕だったことがわかりました。そのときには佐藤小屋も震度5並みに揺れたのだそうですが、怪我人が出なかったのは何よりでした。そうこうしているうちにも雨は時折本降りになりましたが、トレイルランナーたちが次々に馬返しからの道を駆け上ってくるのには驚きました。彼らの一人から聞いたところでは、この雨は高いところでは雪になっているとのこと。そういえば昨日、下山の際にすれ違った大荷物の単独行は山頂でテント泊をすると言っていたが大丈夫だろうか?一方、この雨は悪いことばかりではなく、小屋番ジュニアの話によれば、七合目以上の山小屋の管理人たちは天水を集めるために今朝そそくさと登山道を登って行ったのだそうです。

11時半に小屋を辞し、富士スバルライン五合目へ戻りました。さすがにこの天気では人出も少なく、バス停近くのレストランも正午だというのにがら空きでした。

こんな具合で土日2本のトレーニングというわけにはいきませんでしたが、まずは山頂の薄い空気の中に身を置くことができたことで目的の一部は果たしました。次の土曜日も富士山に登ることにしていますが、次回はタイムを意識して登るつもりです。