塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

伊豆ヶ岳

日程:2013/11/02

概要:正丸駅から正丸峠に上がり、南下して伊豆ヶ岳を越え、東へ向きを変えて子ノ権現。そこから吾野駅まで下る約15kmのトレイルラン。

山頂:伊豆ヶ岳 851m

同行:---

高い山には雪が降り、沢登りの季節ももう終わり。それなら低山でのトレイルランでも楽しもうかとラン友マドカに声を掛けて、手軽なお勧めコースを考えてもらいました。

出てきたプランは正丸峠から伊豆ヶ岳を越えて子ノ権現へ走る約15kmのコース。昨年末は吾野駅を起点として顔振峠から日和田山へ走りましたが、今回はさらに少しだけ秩父寄りで、かつ西武線の西側ということになります。

2013/11/02

△09:10 正丸駅 → △09:45 正丸峠 → △10:20-30 伊豆ヶ岳 → △11:50-12:25 子ノ権現 → △13:05 吾野駅

徒歩なら標準タイム5時間10分のところを4時間ぐらいでのんびり走ろうという事前の申し合わせのもとに、正丸駅をスタートしました。

駅の近くには「関東ふれあいの道 / 伊豆ヶ岳を越えるみち」という看板がありましたが、今日のコースはまさにこれを走ることになります。

最初は谷筋の沢沿いの舗装路の登りで、やがて緩やかな山道になります。

「正丸峠」という名前は、親孝行者の正丸が足腰の弱った母親を背負ってこの峠を越えて子ノ権現参りをしたという言い伝えによるネーミングだそうです。最後の胸を突くような急な登りはきつくて正丸の苦労を偲ばせ、そして峠のレストランではジンギスカン料理1,300円というメニューがあっていい匂いをさせていましたが、さすがにここで誘惑に負けるわけにはいきません。

天気予報とは裏腹に今にも降り出しそうなお天気ですが、ここまで登れば先に進むしかありません。

途中の小高山や五輪山を越えて、いよいよ伊豆ヶ岳に差し掛かりました。

安全な道ももちろんあるのですが、やはり岩場に惹かれて鎖の垂れたコースを選択しました。岩は比較的しっかりしており鎖も十分な強度がある(と思われる)ので、こうした道に慣れていればすたすた登れます。

山頂の手前はちょっとした広場になっていて、大人数であっても気分良く休憩ができそう。手製のお弁当をもってゆっくり寛ぎたい感じです。

なるほど「イズ」にはそういう意味があったのか。この地方までアイヌ語が浸透していたというのも驚きです。

しばしの休憩の後、先に進みます。山頂のすこし先から左へ下る急坂は、へっぴり腰になりながら下りました。

天目指アマメザス峠にあった看板にも新知見あり。山の地図を見ていると「……ザス」という地名をよく見ますが、これが焼畑農法のこととは知りませんでした。

緩やかなアップダウンの中を気分良く走る……と言えば聞こえはいいですが、実際には登り道は速歩き程度です。

途中心配したお天気も、どうにか最後までもってくれました。

子ノ権現は正しくは天台宗大鱗山雲洞院天龍寺といい、子年子月子日子刻に紀伊に生まれた子ノ聖が延喜11年(911)にここに十一面観音をお祀りしたのが始まりとのこと。「権現」は本地垂迹説に基づき仏が神道の神の姿を借りてこの世に現れたものという意味ですから、神仏習合の寺ということになります。また、聖が昇天の折に我、化縁につきぬれば寂光の本土に帰るべし。然れども、この山に跡を垂れて永く衆生を守らん。我登山の折、魔火のため腰と足を傷め悩めることあり。故に腰より下を病める者、一心に祈らば、その験を得せしめんと誓いをたてられたことから、足腰守護の神仏として崇められているそうです。

なるほど!これは足腰に御利益がありそう。

何かと言えば高いところへ登りたがる私……奥の院に通じる階段を見逃しませんでした。

空気の澄んだ日ならここからスカイツリーを見ることもできるそうですが、今日は無理。でも風情があっていい場所でした。

鐘楼の鐘は誰でも撞けるので私もひと撞き。ただしルールがあって、一度撞いたら2分は間隔を空けなければなりません。というのは、この鐘の連打は山火事の合図だからだそうです。

紅葉の中を下り、それよりもさらに真っ赤な仁王像の間を抜けて下界を目指します。

お寺なのに鳥居があるのは、上述のとおり神仏習合だから。子ノ聖が使った箸が根付いたという謂れのある二本杉もありましたが、奥側の方は老朽化のせいか途中で切られてしまっていました。

後は歩きやすい道をひたすら下るだけ。たっぷりめの休憩をとりながらのトレイルランでしたが、計画通り4時間弱で走れたので満足です。

打上げは吾野駅前の食堂で、ビールで乾杯しました。お疲れさまでした。