第2回富士忍野高原トレイルレース

日程:2011/06/05

概要:忍野八海で有名な富士山麓忍野村の北から東、南へと周回する31.7kmのトレイルランニングレース。ぐるりと一周した後に再び稜線へ登り返して小さく回るコースどりがユニーク。

山頂:杓子山 1597m / 石割山 1413m / 大平山 1295m

同行:マドカ

2011/06/04

昨年のこの時期は秩父の名峰・武甲山を登るトレイルランニング大会に参加しましたが、今年は山梨県まで足を伸ばして富士山麓の忍野村へ。今回もラン友マドカとのトレイルラン・セッションです。コースマップを見るとかなりのアップダウンがあり、これはロードのランが本業のマドカに勝てるかも、とひそかにほくそ笑んでいたのですが……。

スタートは午前7時40分なので、大会当日の入村は無理。そこで前日のうちに忍野村に入ってついでにコース説明会を聞くことにしましたが、せっかくだからと忍野八海も見物しました。

富士山の伏流水が長い年月をかけて濾過されて湧き出しているという忍野八海は、本当にきれいな水が滾々と湧き出ていて確かに一見の価値ありです。しかし残念ながらバスが中央自動車道の渋滞につかまったために現地に着く時刻が遅れ、観光のための時間はほとんどとれなかったので、駆け足で適当にいくつかの池を見て回ってから慌ただしく説明会会場である村民ふれあいホールへ移動しました。このホールは忍野中学校の敷地内にあって、この中学校がレースの会場になっているために既にいくつか出店が出ていました。

スポルティバがスポンサーになっているので、このようにスポルティバのトレランシューズがずらり。私はアルパイン用クライミングシューズはスポルティバ(バラクーダ)ですが、トレイルランの方はモントレイル。しかしこれを機会にスポルティバに切り替えようかな。

コース説明会は地図と写真を多用した懇切丁寧なものでしたが、実は我々のお目当てはゲストランナーのお二人でした。ドレッドヘアがトレードマークの福田六花りっかさんは「シンガー・ランニング・ドクター」(歌って走れるお医者さん?)という摩訶不思議な肩書きの持ち主で、老人介護の仕事に従事しながらトレイルレースのプロデュースも行っているのだとか。ミュージシャンらしいきびきびしたトークの中に医師ならではの解説が織り込まれていて、さすがという感じです。かたや間瀬ちがやさんはトレラン界で知らぬ者のないスーパー女性ランナー。ハセツネで過去5回優勝、2008年トランス・アルプス・ジャパンレース優勝、2009年ツール・ド・モン・ブラン女子9位などすさまじい戦績をあげてきていますが、実物の間瀬さんはふにゃっと天然系のかわいい人で、その彼女が水を携帯するのにマヨネーズのチューブを使うというのは目から鱗の話でした。

2011/06/05

明けてレース当日。薄もやの中に富士山が巨体をそびえさせている雄大な景観のもとで、忍野中学校からのスタートとなります。

ロング(31.7km)は7時30分と同40分の2波に分かれたウェーブスタートです。すぐに登り道に入って少し行ったところで、間瀬ちがやさんがすいすいと追い抜いて行きました。

しばらく高度を上げ、やがてきれいに開けた笹原の斜面をトラバースするように進むと、かなりの急勾配の道になって渋滞が始まりました。ここから登り一辺倒のコースとなり、そのてっぺんである杓子山はスタート地点から800m登ったところなので相当のアルバイトになります。気温もぐんぐん上がってきて蒸し暑くなり苦しい登りが続きました。

なんとか到達した杓子山の山頂で鐘を鳴らした後は岩がちのアップダウンの稜線となり、さらにその先のコース最高地点である子の神からは滑りやすい怒濤の急降下になって、随所で渋滞が生じます。

スタートから8kmほどの距離にある立ノ塚峠の第2給水所には水・スポーツドリンク・バナナ・オレンジ・まんじゅう・梅干し・塩が用意されていました。ここからまるまるハーフマラソン分の距離が残っているのに既に2時間半が経過しており、前途に暗いものを感じましたが、第3給水所の二十曲峠を過ぎたあたりから雲が広がって気温が下がり、ずいぶん走りやすくなってきました。

石割山から平尾山を経て大平山への稜線は南に広がる山中湖の景観が良いのですが、階段混じりのアップダウンのきつい道でへこたれそうになります。すぐそこにあるはずの富士山も雲に隠されていました。下りきったところが笹尾根公園=第5給水所兼第1関門で、残り13.7kmのここを正午に通過しました。

なんとか1周目を終えて忍野村の平地に下り、分岐点で右に折れて2周目へ。忍野村の皆さんも、本当に温かい声援を送ってくださいました。そこで次のエイドステーションでは勇気を奮って(?)福田六花先生お勧めの塩バナナにトライしてみました。要するにバナナを塩につけて食べるだけなのですが、少なくとも味に関しては私としてはあまりお勧めできません。ともあれ、よく整備された道をひたすら歩いて再び立ノ塚峠に登り着き、アップダウンの少ない稜線を二十曲峠まで進んで、ここから走りやすい道を一気に駆け下りました。

山から下りてきて残り3kmくらいのところで、福田六花さんと間瀬ちがやさんがランナーたちを迎えてくれていました。えっと、ちがやさん!そのポーズはちょっと目のやりどころに困ります!

ゴールイン。この日は14時半に現地を発って新宿へ向かうバスを予約していたのですが、なんとか間に合いました。我ながらよく頑張った。

このレースはとにかく最初の急登がポイントで、ここで消耗したりへこたれたりしなければ後は気持ち良くコースを進むことができます。大会のスタッフや地元の方々の応援がとても温かく、またこの距離にしては異例と言えるくらいエイドステーションが充実しているので、それらを励みに頑張れば最後の二十曲峠からの下りを気分良く走れるはず。お勧めの大会の一つとなりそうです。

なお最終的な順位は後日正式に公表されると思いますが、少なくともタイムに関してはマドカに45分ほどの大差をつけられて負けたことは間違いないようです……。