塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

第1回猫の森カップ

日程:2001/09/29

概要:職場の同僚たちによるフリークライミング体験講習の2弾目、「ストーン・マジック」でのコンペ『第1回猫の森カップ』。

山頂:---

同行:黒澤敏弘ガイド

山行寸描

▲予選ルートを登るしのちゃん。ツインモンスターに引かれた5.9の課題。(2001/09/29撮影)
▲よもやの最下位敗退にがっくりくるてっしー。まさかの大逆転で3位に輝いたコンちゃんのピースサインが追い討ちをかける。(2001/09/29撮影)

先日職場の同僚たちを小川山に連れて行きましたが、さらにクライミングの輪が広がって今日は別メンバーで「ストーン・マジック」でのインドアクライミング講習。コンペ形式でインドアクライミングを楽しもうという企画です。参加者はクライミング経験2回目のコンちゃん、まったくの初心者のしのちゃん、学生時代けっこう登りこんでいたもののここ5年間壁から遠ざかっていたというてっしー。それに昨年勘七ノ沢で御一緒したS氏がジョインして下さって『第1回猫の森カップ』となりました。競技ルールは「トップロープによるフラッシング&ワークト方式」というもので、つまり全員TRで、未体験のルート(ただし黒澤ガイドが登るのはあらかじめ見ている)を登り、かつ制限時間内であれば地上からの再トライもOKというわけです。

2001/09/29

△10:00-15:00 「ストーン・マジック」

競技ルール等についてのオリエンテーションの後、クライミング経験が少ない参加者もいるのでまずはツインモンスターの一番手前の壁で一通りフリークライミングの概説と確保の基本についての講習を行い、ついで5.8のルートで足慣らし兼順番決めをすることになりました。S氏、てっしーはもちろん、初体験のしのちゃんも抜群の運動神経で終了点に到達して「大したもんだ」と賞賛を浴びましたが、コンちゃんは残念ながら3手目が出せずに終わってしまいました。最後に残った私は「どこかでこんなパターンがあったな?」とプレッシャーを感じながら取り付きましたが、登ってみると案外バランシー。爪先を壁にがりがり言わせながら情けない姿勢で伸び上がってホールドに手を伸ばす動作が続いて恥ずかしい思いをしました。終了点からロワーダウンで下ったところで改めてスケジュールの確認になりましたが、黒澤ガイドが「次のルートが予選で、そこで1人脱落します」と説明すると、コンちゃんがぽつりと呟きました。「私だ……」

予選はツインモンスターの奥左の壁の垂壁に引かれた5.9のラインで、小さなハング越えがあるもののさほど難しいルートではありません。S氏、てっしー、私の順に上まで登り、ついでしのちゃんも見事に完登(一番上の写真)。コンちゃんはけっこう頑張りましたが予言通り(?)途中で力尽き、1回パスとなってしまいました。

昼食休憩の後の準決勝は突き当たりの壁のハング越えの5.10aで、S氏は安定した登りで登りきりましたが、フリークライミングが久しぶりのてっしーは既に前腕がパンプしており、ハングを越えたところでフォールしてしまいました。私もハングは越えたものの終了点の3手前のホールドが悪くてそこから先に進めず、ランジで次のホールドにタッチしてポイントを稼ぎました。しのちゃんも上手にハングを回り込んで越えましたが、てっしーの少し下でフォールしターザンのようにロープにぶら下がってぶらぶら。ここでてっしーとしのちゃんが脱落となりました。

決勝進出はS氏と私ということになり、先にてっしー、しのちゃん、コンちゃんの3人で3位以下決定戦を行うことになりました。選手の皆さんが休憩している間に黒澤ガイドがツインモンスターの5.6のルートに限定シールを貼って即席のルート(5.7)を設定し、ここは各自OSで挑戦してもらうことになりました。最初に登ったてっしーは、前腕が死んでいるとは言えさすがのムーブでどんどん高度を上げ最後のホールドをつかんだのですが、なんと足がホールドではなくハンガーボルトを踏んでいて反則となり、そのムーブを起こす手前の状態でポイントが算定されてしまいました。これで順位の行方がわからなり、がぜん面白くなったところで次のしのちゃんはてっしーの成績を知らない状態で登り、途中十分レストしながら柔らかい動きで完登です。最後のコンちゃんもこれまでとは打って変わって動きが良く、途中のとんでもなく手が遠いところも足をしっかり上げて上手に右手を届かせてしまいました。「これはいけるかも」と期待しながら見上げていましたが、ふと見るとタイムキーパー役のS氏が緊張した顔をしています。そしてコンちゃんが最後のホールドに両手を掛けたとき、S氏が「うわっ、時間差でこちらが上だ!」。この結果、大逆転でコンちゃんがてっしー・しのちゃんを抜いて殊勲の3位入賞となりました。

戦いすんで休憩時間。

てっしー「悔しいな……」
コンちゃん「今夜はぐっすり眠れそう。(^^)v」

このとき「ストーン・マジック」にいつものように家族連れで現れたのが世界チャンピオンの平山ユージ氏で、しばらくしてからジムのスタッフとともにボルダー壁の前に立って何やらじっと眺めていましたが、ややあって突然「できた!」と大声をあげてから上半身はだかになって試登を始めました。どうやらボルダリングの課題設定をしていたようで、彼のさすがの動きには言葉もありませんが、後から同じルートに取り付いたジムの若いスタッフも素晴らしい腕前で一同感心しました。

さて、決勝はあっけなく決着がついてしまいました。奥壁を右下から左上へ斜めにつないでいく5.10aのルートですが、出だしからの数手が「ムーブ的には5.10c/dくらいか」と言うのが黒澤ガイドの談で、ここをS氏は巧みにつないで完登したのに対し、私は4手目から次のムーブを起こしたところであえなくフォールしてしまいました。これで優勝はS氏、準優勝が私となったのですが、せっかくだからというわけで他の3人も同じルートにチャレンジしてもらうことになりました。まだ腕の力にゆとりがありそうなしのちゃんが取り付こうとしたとき、黒澤ガイドが突然「ここで塾長さんより上に行けたら準優勝ということで……」と一言。ええっ!そんなの聞いてないよ!あわてた私は、しのちゃんがフリークライミング初心者であることも忘れ、「落・ち・ろ!落・ち・ろ!」と落ちろビームを発して野望を阻止しました。

……というわけで下記の順位となってコンペ終了。全員に参加賞と記録証、さらに上位3人には副賞が授与されて、打上げは相模大野駅近くでの焼肉食い放題となりました。

〔第1回猫の森カップ競技結果〕

選手名 順番
決定戦
予選 準決勝 3位以下
決定戦
決勝 順位
S氏 TOP TOP TOP - TOP 1
TOP TOP 15- - 4+ 2
コンちゃん 2- 5+ - TOP - 3
しのちゃん TOP TOP 10- TOP - 4
てっしー TOP TOP 12 5 - 5