景信山

Rec. 1000

日程:2026/04/26

概要:相模湖駅からかつての小仏峠越えの道を辿って小仏峠に達した後、景信山を越えて底沢峠から陣馬高原下へ下る。

◎PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。

◎GPSログのダウンロードは「ヤマレコ」から(要ログイン)。

山頂:景信山 727m

同行:---

この週末は泊まりの山歩きに行く予定でしたが、土曜日に早起きしてみると少々疲労がたまっている感じ。目的地の天気もすっきりしない予報なので、計画していた山行は半月ほど後ろにスライドすることにして、日曜日ワンデイでの散歩代わりの近場歩きに変更しました。こういうところが単独行の気楽なところであり、怠惰なところでもありますが、それはそれとして、こういう場合の定番である高尾山は今年の2月に周辺のさまざまな道を集中的に歩いているので、これからは「陣馬散歩」と題して小仏城山から陣馬山を経て生藤山にかけての南面の道を東から西へ順番に歩くことにしました。もっとも、その伝でいけば最初は千木良から小仏城山へ上がる道になるはずですが、この道は過去に何度か歩いているのでパスし、これまで陣馬・高尾間の縦走の途上で小仏峠を通過するたびに気になっていた由緒正しい小仏峠越えの道(相模湖側)をセレクトしました。

2026/04/26

△09:30 相模湖駅 → △09:50-10:10 小原宿本陣 → △10:45 小仏峠登山口 → △11:25 小仏峠 → △11:50 景信山 → △12:40 底沢峠 → △13:30 陣馬高原下

自宅を出たのはかなりゆっくり目の午前8時。井の頭線→京王線→JR中央線を乗り継いで相模湖駅に到着ですが、この駅で降りたのはたぶんこれが初めてです。

ツバメが盛んに飛び交う駅前から、地図の教えるままに歩きます。その途中からは相模湖ダムを振り返り見ることもできましたが、相模湖もご多分に漏れず渇水に喘いでいるのかと思いきや、神奈川県庁のデータによれば4月25日時点の貯水率は津久井湖17%、宮ヶ瀬湖38%に対し相模湖は67%とそこそこの数値でした。ちなみにこれら三つは相模川水系ですが、酒匂川水系の丹沢湖は今や71%まで持ち直している模様です。

向こうの稜線が奥高尾縦走路で、その足元に向かって道はゆったりとカーブを描きながら続いています。周知の通りこの道は江戸時代の甲州街道の一部で、相模湖駅の目の前が与瀬宿、そこから江戸方向へわずかに進んだところが小原宿(江戸から9番目)です。こんなに近いところに宿が並んでいるのは、江戸へ向かう場合は与瀬宿の次の泊まり場が小仏峠を越えた先の小仏宿、逆に小仏峠を越えた場合は小原宿に泊まってその次が与瀬宿の一つ先にある吉野宿、という具合に上り下りで宿を使い分ける「片継ぎ」の宿場だったからです。

この小原宿にはいくつかの古民家が並び、さらに神奈川県下で唯一かつての建物が残っている小原宿本陣(神奈川県指定重要文化財)があります。これを見逃す手はないので、寄り道をして中を見学させてもらいましたが、意外に簡素かつ手狭な感じ。この本陣を利用したのは信州の高島藩、高遠藩、飯田藩の大名と甲府勤番の役人で、ここに泊まりきれない家来たちは脇本陣や旅籠に分宿したそうです。その旅籠は小原宿に7軒あって、一般の旅人のほか富士山や身延山にお詣りする講の人々も利用したということです。

短い時間でしたが、いい勉強をさせてもらいました。

ここには小栗判官の説話で知られる照手姫にまつわる「美女谷」もあったりして、古くからの歴史が今でも息づいている感じがします。そんな中を道標の示すままにくねくねと登っていくと、やがて山道の入口に差し掛かりました。

ここから山道。入口を見ると大名行列が通ったにしては細い道のように思えますが、登っていくとしっかりした道が続いており、ところにより狭いもののおおむね傾斜が緩く歩きやすいものでした。

途中、送電鉄塔が立っているあたりは平坦に開けていて木のベンチも置かれていましたが、そこにはかつて中峠茶屋が置かれていたそうです。

花は咲いていないものの鳥の声に癒されながらの40分ほどの登りで、小仏峠に到着しました。江戸時代の人々の往来に思いを馳せながらの穏やかな山道歩きでしたが、登山という目線で見るとさすがに物足りません。当初の計画ではこのまま反対側の小仏方向へ下るつもりでしたが、そちらは昨年歩いたばかりでもあるので、計画を改めて景信山を越え、底沢峠から陣馬高原下へ下ることにしました。こういうところも単独行の気楽なところです。

景信山にはすぐに到着し、その一角から相模湖方面を振り返ると、彼方に先日長距離横断を行った丹沢の山々が見えています。また、写真ではわかりませんが肉眼ではうっすらと、富士山の姿を見ることもできました。

景信山の山頂直下は山吹が花盛りでしたが、その中に花季を終えたミツマタが少なからず混ざっていることに気づいてちょっとびっくり。景信山でミツマタが見られるとは知りませんでした。そしてこれらを横目に山頂に足を運ぶと、ものすごい人数の登山者が休憩中でした。ちょうど昼時だから仕方ないのですが、茶屋の前にも天ぷら待ちの長蛇の列ができていて、とてもここで休もうという気にはなれません。

そんなわけで早々に景信山を退散し、歩き慣れた道を陣馬山方向へ1時間弱歩いて底沢峠に到着しました。ここは相模湖側から見れば美女谷橋からまっすぐ登ってきた先にあたり、反対側は1時間弱で陣馬高原下へ下ることができます。実はこの底沢峠をまたぐ道を歩いた経験がなかったことも、小仏峠から転進した理由の一つでした。

底沢峠から陣馬高原下への下降路は、最初は植林地の中を下り、やがて広葉樹の新緑の中も通るようになる明るい道でした。ちょっと荒れているところはあるものの歩きにくいところはなく、順調に高度を下げていくことができました。

やがて道は舗装された車道になり、釣り堀やら民家やらがまばらに並ぶ中を気分良く歩いていけば陣馬高原下に到着です。


陣馬高原下と言えば当然「山下屋」です。小仏峠での計画変更の最大の理由はこちらだったかも。

このところ体重および体脂肪率の動向にナーバスにならざるを得ない状況なのでお酒は控えめにしようと思っていたのですが、旬の筍とコシアブラの天ぷらが出たところでタガが外れてしまい、いつものように地酒「八王子城」をくいくい。いかんなぁ……。