鶴川赤沢
Rec. 999
日程:2026/04/19
概要:相模川水系の鶴川上流の支流である赤沢を遡行。坪山に詰め上げてから、登山道を下って起点へ戻る。
◎PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。
◎GPSログのダウンロードは「ヤマレコ」から(要ログイン)。
山頂:坪山 1103m
同行:shunrin氏
山行寸描
今年最初の沢登りは、相模川水系の鶴川上流の支流である赤沢を遡行。今回のパートナーを勤めてくれたshunrin氏が紹介してくれた沢で、これを坪山に詰め上げてから、西尾根の登山道を下って起点へ戻る行程です。
2026/04/19
△07:20 駐車場 → △07:30 赤沢入渓 → △10:05-20 坪山 → △11:50 駐車場
今日は一日よい天気。shunrin氏に私の自宅の近くまで来ていただいて、中央高速道を使って上野原へ向かいます。目指す鶴川は上野原の南西で相模川から分かれ、市街の西を通って北へ伸び、三頭山と奈良倉山とをつなぐ鶴峠の手前を源流としています。


赤沢の対岸にある駐車スペースに車を駐め、沢装備を身に付けて出発。橋を渡って少し手前へ戻ったところに流れ込んできている赤沢は出だしぱっとしませんが、ともあれ奥へ進んで脆い急斜面をこわごわ下って入渓です。
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出だしがぱっとしないと書きましたが、少し進むと次から次へと小滝が連なるようになり、遡行者を飽きさせません。若干ヌメる感じがあるのと、倒木や枯葉のために荒れた印象を受ける点は残念ですが、それらを差し引いても面白みがコンパクトに続く良渓でした。

この沢には大きな滝が二つありますが、入渓して30分ほどで現れたのが最初の大滝。まずはshunrin氏のリードで突破します。正面から見ると上から4分の1くらいのところで水流が向きを変えており、そこに残置ハーケンもありますが、そこまでの間はプロテクションの必要性を感じない易しい登りです。核心部となるのはそこからの数歩で、水流の左のカンテ状のところにある外傾したホールドに微妙なバランスで乗り込んでいくと手が使えるようになり、あとは気持ちよく落ち口の上に抜けられます。なお、落ち口の上で安定したビレイ態勢を作るためには左岸の木を利用することになりますが、リードがそこまで上がると30mロープでほぼいっぱいの状態でした。


最初の大滝の先にも小滝が続きます。この短い沢にはいわゆる河原というものがほとんどなく、沢床の大半が岩に覆われていることが美点です。

最初の大滝を登り終えてからわずか10分ほどで、行く手に二つ目の大滝が見えてきました。

ここは私がリード。中央から右上を目指して登るかたちになりますが、途中2カ所に残置ハーケンがあったほか、ハーケンとハーケンの間ではカムが使え、さらに落ち口近くでは木の根にスリングを巻くこともできました(←片っ端からランナーをとりました)。最後の方は土や枯葉が堆積していてフリクションが利きませんが、しっかりした木の根がホールドを提供してくれるので、これをつかんでずり上がりました。ただ、落ち口の上に出てしまうと後続のビレイのためにセルフビレイをとれる場所がなく、やむなく沢の中に腰を下ろして岩に足を突っ張り肩がらみで確保態勢に入りました。


これで大きな滝は終わりですが、うれしいことに小滝はまだ続きます。

おまけにクワウンナイ川を彷彿とさせる……と書いてしまうと景表法違反(優良誤認!)になりますが、幅は細いながらもこの規模の沢にしては長いナメのセクションもあって、もしこの沢を雑然としたものに見せている両岸からのガレや倒木、枯葉の堆積が大雨で洗い流されることがあったら、どれだけ人気を集めることになるだろうかと思わないわけにはいきませんでした。

やがて源頭部が近づき、何度かの二俣ではなるべく水が多い方を選ぶことを心掛けました。

昭文社の『山と高原地図』を見ると坪山に登る登山道のいずれにも山頂直下に急な岩尾根
と書かれていることからも窺えるように、この赤沢も登れば登るほど傾斜が強くなってきます。一見すると簡単そうな小滝でも、実際には斜度がきつく良いホールドも得られなかったりしており、大滝を終えたからといってイージーなわけではありません。


山頂の手前の最後の50mはいよいよ等高線の間隔が詰まっているので、GPSで現在地を確認しながら適当なところで右へ逃げました。沢筋を離れてしまえば急な土の斜面のトラバースになるので、チェーンスパイクとアイスハンマーが威力を発揮します。


トラバースした先で登山道に出て、沢登りとしてはこれで一応終了です。そこは坪山の山頂から北北東に伸びる2本の尾根のうち「東ルート」と呼ばれる尾根で、この道に出たところで握手をかわしてから、引き続き坪山山頂を目指しました。

ちょっとした岩場の登りの先に待っていた坪山の山頂は細長い小広場になっていて、何人かの登山者が休憩中でした。ここはなかなかの展望台で、向こうに見えているのは過去何回かのハセツネで常に夜戦を強いられた笹尾根(遠い目)で、左端の登山者の先には三頭山がそびえています。また、これらの反対側には富士山の姿もあり、これらの眺めを楽しみながら沢装備を解き、行動食を口にしてから下山を開始しました。

この解説板は尾根をある程度下ったところに掲げられていたものですが、実にタイミングよくここに載っているすべての花を見ることができました。
中でもクリーム色のヒカゲツツジは上品な咲きぶりで、山頂直下から下降路の途中まで広い範囲に分布していました。ただ、こうした花のシーズンであるためにこれを目当てに登る登山者も多く、実に多くの登山者とすれ違ってそのたびに道を譲っていたのでなかなか下降が捗りません。それでもまだ午前中というタイミングなので我々は一向にかまわないのですが、「40人の団体です」というパーティーとすれ違ったときには「あの狭い山頂に全員は立てないのでは?」と人ごとながら心配になってしまいました。
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さらに下界が近づいてからもフデリンドウやニリンソウといった小柄な花が目を楽しませ、里の桜や山吹も今を盛りと咲き誇っていましたが、そこでshunrin氏の目が見つけるのはワラビやコゴミといった山菜の類でした。

そんなこんなのうちに起点に帰着です。お疲れさまでした。
実は、私自身はこの山域の沢にはうとく、shunrin氏に勧められて「そんなところで沢登りができるの?」と半信半疑のリハビリ遡行だったのですが、多少荒れたところもあるものの、入渓直後から小滝が続き、二つの大滝も適度に難しく、さらにナメ状のセクションまであって期待以上に楽しい沢でした。遡行は3時間もあれば終わるので、「いつか行く沢」リストに加えておいて、半日時間ができたときに足を向けてみてはどうでしょうか。新緑と紅黄葉の季節がおすすめですが、遡行終了後のヒカゲツツジに期待するならやはり今の時期がベストです。







