養沢川大岳沢
Rec. 1011沢登り
日程:2026/07/19
概要:大岳鍾乳洞入口バス停から大岳沢沿いの道を上流に向かって林道終点で入渓。適当なところまで遡行して登山道にエスケープし、沢沿いの登山道を使って起点に戻る。
◎PCやタブレットなど、より広角の画面で見ると、GPSログに基づく山行の軌跡がこの位置に表示されます。
◎GPSログのダウンロードは「ヤマレコ」から(要ログイン)。
山頂:---
同行:---
山行寸描
◎本稿での地名の同定は、主に『ウォーターウォーキング2』(白山書房 2013年・以下『WW2』)の記述を参照しています。
今年は厄年なのか、昨年後半から今年の春にかけては私が頸肩腕症候群でダウンしていましたし、夏になって岩や沢たけなわだ!と思ったらパートナー候補が二人も負傷休場。そんなわけで一人でとぼとぼと、涼を求めてウォーターウォーキングをしに奥多摩に行ってきました。あくまで「ウォーキング」なのでロープもハーネスもなしという軽装での半日行程で、大滝25mは一見の価値がありますが登ることはほぼ不可能ですし、遡行した区間は標高差が小さく登攀要素はほぼゼロ。それでもよい足慣らしになりました。
2026/07/19
△08:55 大岳鍾乳洞入口 → △09:15-50 大岳鍾乳洞 → △10:00-20 入渓点 → △12:00 脱渓点 → △12:30 入渓点 → △13:05 大岳鍾乳洞入口
今日は海の日の三連休の中日、武蔵五日市駅前のバス乗り場で上養沢行きバスを待った人数はミニサイズのバス2台分プラスアルファ(←全員は座れなかったという意味)でした。


4月にサルギ尾根を登ったときと同じく大岳鍾乳洞入口バス停で降りて、まずは養沢神社にお参りして今日一日の安全を祈願してから、バス停の時刻表を撮影して出発しました。


せっかくの機会なので大岳鍾乳洞にも立ち寄りました。入り口にはどれくらい狭いところを潜り抜けるか実感できる模型が設置されており、そのあまりの狭さに少々怯んだものの、料金700円を支払いヘルメットを借り、リュックサックをデポして冷気漂う鍾乳洞に入りました。
坑口から冷気を吐き出している鍾乳洞の中は、寒い・狭い・暗いの三拍子が揃った周回路がくねくねと続きます。この鍾乳洞は昭和36年に発見され、翌年観光客向けに公開されたのだそうで、ところどころの窪みにはさまざまな趣のある名前が付けられていますが、正直それぞれの違いがよくわからない。ただ、ウミユリの化石は確かに貴重なもののような気がします。それにしても予告されていた通り、しゃがみながら進まなければならない箇所があちこちにあって、腰痛持ちにはつらいアトラクションでした。それに一周20〜30分とそこそこ長いので、もしこの中にいるときに地震にでも遭ったら相当怖そうです。

鍾乳洞探検を終えてすでに一仕事果たしたような気分になってしまいましたが、今日のメインイベントはあくまで沢登りです。林道を引き続き歩き「小滝」と言う名に似ず立派な滝の前を通って大岳沢の上流を目指すと、対岸のキャンプサイトでは何組ものキャンパーがテントの前で寛いだり談笑したりしていました。


林道の終点は駐車スペースになっており、そこから先は登山道です。入渓点はこの駐車スペースからすぐ先の道が川を渡るところなので、ここでヘルメットをかぶり沢靴に履き替えました。

いよいよ入渓。あまりそそられる渓相ではありませんが、透明な水と緑の苔が綺麗です。ただ、ちょっと薮っぽいところが時々現れて、そうしたところでは漏れなく蜘蛛の巣が絡みついてくるのには閉口しました。


それでも気持ちの良い釜が出てくれば気分は盛り上がってきますし、すぐ横を登山道が並行しているのでいつでもエスケープ可能なのは安心材料です。

最初の滝らしい滝はこれ。左下から右上に向かってランペを上がりますが、初心者にとっては楽しいチャレンジになることでしょう。

大岳沢の観光スポット「大滝」に着きました。これは一見の価値ありで、林道終点からここまではほとんど標高差がないので観光客でも登山道を使って見に来ることが可能ですし、私が駐車スペースで遡行準備をしている間にも何組かの観光客が登山道に踏み込んで行ったのはこれを見るためのはずです。派手にひょんぐっている滝の姿もいいし、その下の釜も広くて水の力を感じさせますが、ざっと見たところ登攀の可能性はゼロです。


「大滝」の前で右岸から左岸に渡っている登山道を使って滝を右から巻き上がり、落ち口の近くに降り立つと、落ち口を覗き込むことができるようになっていました。これまた一見の価値ありですが、じっと見ていると吸い込まれそうになるのでほどほどに。


「大滝」見物を終えたら、青々としたミズの群生や芸術的な造形の鳥の巣を横目に遡行を継続します。途中で釣り人に追いついたので、声を掛けてどこまで釣り上がるかを確認し、そこまでの間はなるべく釜っぽいところには踏み込まないようにして先に進みました。

釣り人がここまで釣り上がると言っていた登山道横断点。ここからしばらくの間、登山道は大岳沢の左岸をごく至近距離で並行しています。

なかなか楽しいねじれ滝。その出だしのところで左壁に足を突っ張ろうとしたら大きな蛙がじっと貼り付いていたので、蜘蛛の巣よけのために持っていた小枝でつんつんとつついて場所をあけてもらいました。

小さい2条滝は左側を細かいスタンスを拾って登ります。たぶんこれは『WW2』のトポの⑥にあたる場所だと思います。

上の写真は帰り道で撮ったものですが、『WW2』のトポの⑦「多段10m」です。別格の「大滝」を除けば、この滝が一番のポイントになります。


下段は左から近づいて、細かいスタンスに乗り込んで岩の上へ。その上は左の細い水流を詰めても簡単ですし、右側の3条のうち左端のものが楽しく登れそうでもあります。『WW2』の記事はすぐそばに登山道があるので巻く
と書いていますが、さすがにそれではもったいない。さして難しくないし危険もないのでぜひトライを。なお、この10m滝から上流は『WW2』が言うとおりパスしても良いのですが、入渓してまだ1時間なのでもう少し粘ってみることにします。

しかしトポに書かれている通り倒木が増えてきて、水線にこだわっていても意味がなさそうなので、歩きにくいところは適宜土の上を歩いてショートカットしながら先に進みます。やがて登山道が右から左へと渡る場所に到着し、そこで遡行を終えても良さそうでしたが、『WW2』にはその先の2段3m滝を登って終了しても良い
とあるのでそこまで行くことにしました。

なるほど!珍しくすっきりした滝があって、これは中央から取り付き細かいフットホールドをつないで上へ抜けました。小なりとは言えこの3m滝は登攀的な観点からは最も面白い滝だったかもしれないので、今後大岳沢を歩く人には、途中の単調さを我慢してこの滝までは遡行を続けることをお勧めします。


さて、3m滝の上に出たところで上流を見通してみるとますますボサっぽくなってきそうですし、実は先ほどから雲行きが怪しくて「さっさと終わりにしろ」と言われているような気がしており、ここで遡行を終えて下山することにしました。ここから大岳山の山頂までは標高差にして430mほどなので、気合いが乗っていれば登山道を使って1時間あまりで到着するはずですが、それではせっかくの「涼」が汗だくに変わりそうです。しかも時計を見ると、今から下ればちょうど13時台のバスに間に合いそう。


そんなわけでとっとと下山したのですが、帰路のところどころから遡行の途中で出会った滝を眺められたのは思わぬご褒美でした。また、下りの途中でくだんの釣り人と再会し、聞いてみたところ「何匹かは釣れた」とのこと。めでたしめでたしです。ところが、大岳鍾乳洞入口バス停に着く頃には青空も見えていて、あの雲行きの怪しさは何だったんだ?と拍子抜け。もっとも、そのおかげで濡れていたズボンがほぼ乾いた状態でバスに乗ることができたのですから文句はありません。