三ツ峠屏風岩中央カンテ / 直登カンテ
日程:2025/04/12
概要:三ツ峠屏風岩でクラシックな「中央カンテ」を登った後、「直登カンテ」1ピッチ目でアブミトレーニング。
山頂:---
同行:MIHOさん / kusutto氏 / 相模太郎氏 / ヒミカさん
山行寸描


今日は丹沢仲間である相模太郎氏からのリクエストで、アブミ練習のために2年ぶりに三ツ峠を訪問。中央カンテでの普通のマルチピッチと直登カンテ1ピッチ目でのトレーニングを組み合わせることにして、いつものMIHOkusuコンビにも声をかけ、相模太郎さんもジム友のヒミカさんを伴うことになって、総勢5名で三ツ峠へ向かいました。
2025/04/12
△08:15 三ツ峠裏登山口 → △09:25 三ツ峠山荘 → △09:40-17:10 屏風岩中央フェース → △17:25 三ツ峠山荘 → △18:25 三ツ峠裏登山口
8時頃に裏登山口のゲートの前に着くと、幸いなことにMIHOkusuコンビと私が乗ったkusutto号にぴったりな空きスペースがあり、ここからいつもの登山道を三ツ峠山荘まで登りました。
相模太郎氏とヒミカさんはひと足先にこの山荘まで上がっていてここで合流しましたが、我々が着くまでの間、いつも登山者を見ると大声で「お前は誰だ、どこへ行くのだ」と誰何する黒犬に念入りに挨拶をしていたそうです。
岩場に降りて中央カンテの前に着いてみると、ちょうど先行パーティーのセカンドが離陸するところ。土曜日なので混んでいるかと思っていたのに、岩場全体を見渡してもクライマーの姿はこの二人組と我々だけのようです。そこでまずは中央カンテを登ることにしましたが、ここでもMIHOkusuコンビ+私と相模太郎・ヒミカペアの2組に別れ、前者は全ピッチをkusutto氏がリードすることにしました。
後続の相模太郎・ヒミカペアは、奇数ピッチをヒミカさん、偶数ピッチを相模太郎氏が担当するツルベでの登攀です。ヒミカさんはフリークライミング能力がこの日のメンバーの中では最も高く、また広沢寺でマルチピッチを練習した経験もあるものの、こうした本チャン(死語)に近い場所での登攀は初めてということなので、彼女が支点構築する場面では必要に応じ私が横からサポートすることにしました。
肝心の中央カンテの登攀は、kusutto氏が順調にロープを伸ばしてはMIHOさんと私を迎えることを繰り返し、核心部になる3ピッチ目も若干のぼやきは入ったものの危なげなくクリア。MIHOさんはさすがにここをフリーで登ることができませんでしたが、kusutto氏がセットしたカムを使ってのA0で抜けていきました。
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こんな具合に短く切りながらの全4ピッチで無事にトップアウトし、懸垂下降は私が先行して、まず2ピッチ目終了点近くの懸垂下降支点へ降りたのですが、3人がここに揃ってからロープを引いてみると動きません。うわ、スタック?と焦りましたが、完全にスタックしたわけではなく摩擦で動きにくくなっているだけだったようで、kusutto氏と私が交代しながら渾身の力でロープを引き続けるとじわじわと動いてくれて、どうにかロープ回収に成功しました。やれやれ、どうなることかと思った。
登山道まで降りて行動食をとってから、シングルロープで登っていた相模太郎・ヒミカペアがじわじわと降りてくるまでの空き時間を利用して、中央カンテ1ピッチ目でMIHOさんのリード練習を行うことにしました。易しいピッチなので登ること自体は問題ないという前提で、支点構築の部分を確認するためにまず私が1ピッチ目終了点へ上がってからロープをリリースし、その上でMIHOさんがロープを引いて登りましたが、易しいとは言ってもセカンドで登るのとリードで登るのとでは大違い。途中でつい私が残したクイックドローをつかんでしまい(A0)、フリーでのリードとはなりませんでした(残念……)。また、支点構築と後続のフォローに関してもいくつか課題があったのですが、とにもかくにもリードで登り切ったことは大きな一歩です。
続いてこの日のメインイベントである人工登攀の練習に移り、まず直登カンテの1ピッチ目を私が登ってトップロープを張りました。ここを登るのは6年ぶりですが、ボルトの間隔は短いので登ること自体は易しいものの、何年前に設置されたかわからないリングボルトに体重をかけるときの緊張感は相変わらず。こういうところのリードでモノを言うのは、自分自身の「日頃の行い」に対する信頼感です。
まずは相模太郎氏が悪戦苦闘しながら登っている間に、MIHOさんとヒミカさんには逆V字ハングの出だしにあるハンガーボルトを使って即席アブミ講習を行いました。その甲斐あってか、がんばってハングを越えてから戻ってきた相模太郎氏の次に登ったヒミカさんは、これが初めての人工登攀なのに一手登るごとに動きが洗練されていって、これも見事にハング越え成功。MIHOさんもきれいに巻込みの態勢を作れるようになっていい感じでしたが、時間が押してきたこともあるので途中までで終えて、最後にkusutto氏に支点回収をお願いしました。
これでこの日のメニューはすべて終了です。岩場を撤収して三ツ峠山荘に登り返し、途中の泥濘に難儀しながら山道を下って車に戻ったときには、まだ薄明かりが残っていました。