甲府幕岩

日程:2018/06/09

概要:クライミング仲間同士で、甲府幕岩へ。私が触ったのは「森の唄」(5.10a)、「HIVE」(5.10a)、「ペンタゴン」(5.9)。

山頂:---

同行:ヨーコさん / ナガシマ氏

山行寸描

▲「森の唄」(5.10a)。勉強させていただきました……。(2018/06/09撮影)
▲「HIVE」(5.10a)。長くて疲れてしまい、上部のクラックに頭をつっこんでレスト。(2018/06/09撮影)
▲「ペンタゴン」(5.9)。前回はTOできなかったが……。(2018/06/09撮影)

2018/06/09

△10:55-17:25 甲府幕岩

ジム仲間のヨーコさん&ナガシマ氏と、甲府幕岩へ。この岩場を訪れるのは3年ぶりの2度目です。昨年夏のヨセミテ行から帰国したあと発症した左足中指の痛みがようやく治り、今回はサイズきつめのカタナ・レースをリュックサックに入れて韮崎駅でヨーコさんと合流したのですが、実はそこからのアプローチが核心部でした。

増富ラジウムラインから「岩下の十王」の看板を目印に小森川林道から岩場を目指したのですが、集落の中で道がわからず右往左往、さらに岩場に近づいてもGoogleマップが表示する道と実際の道路が一致しない(Googleの地図の誤りかGPSの不具合かは不明)……といった具合でヨーコさんには運転の苦労をかけてしまいましたが、どうにか正しい道に入って「アプローチ敗退を免れた」とほっとしたときには、後部座席で地図を覗き続けていた私も乗り物酔いのためにフラフラになっていました。

前回この岩場に来たのは2015年6月ですから今回と同じ季節ですが、そのときと同様、明るい光が差し込む広葉樹の森の中に展開する岩場の雰囲気は最高です。ただ、さすがに出足の遅れが響き、近場の主だったルートはどこも大賑わい。楽しそうに登っている先客たちを横目に見ながら奥に進み、メルヘンランドの左端に荷物を置きました。

森の唄(5.10a)
メルヘンランドの左端にある課題。ナガシマ氏にヌン掛けしてもらってから取り付きましたが、久しぶりのスポートルートは怖い。ジムのガバホールドに慣れた身には指先を岩の形状に合わせて細かく保持することへの違和感が拭えず、途中で逡巡しまくってしまいました。結局いったん降りてヨーコさんにトップロープを張ってもらい、改めてトライ。それでもすんなり登ることはできず、ヨーコさんとナガシマ氏の時間をずいぶん無駄に消費してしまいましたが、最後はどうにかTOしました。
しかし、このルートでこんなことでは、隣の「ダダ」(5.10b)など夢のまた夢という感じがします。ハングドックしているときにそちらを登るクライマーの動きを間近で見ていたのですが、細かいホールドを厳しくつないで最後はランナウト、という相当に心臓に悪い課題のように見受けられました。
HIVE(5.10a) FL
ここで保科ガイドの一行と合流。保科ガイドがこの「HIVE」と途中から分岐する「ジューンブライド」(5.11c)にクイックドローを掛けてくださって、保科チームは前者をリード、後者はトップロープ。そのクイックドローをお借りして、ナガシマ氏は「ジューンブライド」狙いで私は「HIVE」狙いです。
ナガシマ氏の長時間にわたるトライ、さらにその後の保科チームのトライが終わった後に、ようやく私の出番。ナガシマ氏とヨーコさんはヨーコさんの「ライスシャワー」(5.11b)チャレンジを手伝うために豊饒の森に行っていたので、保科チームの1人がビレイしてくださいました(ありがとうございました)。下部のカンテはそれだけでも「アプローチ」(5.7)という課題でさすがに問題なし。その終了点を分岐点として左側の立ったフェースを登るのが「HIVE」で、フェースの右側のクラックとフェースのかっちりした凹凸をうまく使えばさほど消耗せずに登ることができますが、1カ所、カチカチフェースが終わったあとの少し高い位置に手を伸ばす箇所で、腕を伸ばしてみたところ明瞭なホールドをとらえることができず、いったん下がってレスト。腕の回復を待ってから改めて身体を引き上げ、奥のガバを見つけて安堵しました。その後の短い垂壁も、クラックに頭をつっこんだり、ジャミングしたりしてレストを重ね、最後は少し緩んだ傾斜に癒されつつ終了点にクリップ(FL)しました。
いや〜助かった。これすらも登れなければ荷物をまとめて帰らなければなりませんが、自分の車ではない私は、そうなったら韮崎駅までの約30kmを徒歩で踏破しなければならなくなるところでした。
6時間16分!
ペンタゴン(5.9) RP
前回トライして登れていなかった宿題課題。ヘタレの私のためにヨーコさんとナガシマ氏がつきあってくれて、先にナガシマ氏がヌン掛けかたがた模範演技を示してくれた後に取り付きました。そのおかげで、鍵となるホールドには真新しいチョークがつき、手順は一目瞭然。順調に高さを稼ぎ、終了点を目前にしたところで「……行けそうな気がする」と漏らしたところ、2人から「そこまで行ったら行ってください!」と叱咤の声が飛んできました。
終了点にクリップしてロワーダウン。宿題も片付いてよかった、とほっとしていたところ、ビレイしていたヨーコさんからは「楽勝じゃないですか。こんなのダメです(もっと限界グレードを追え、の意)」と再び教育的指導が入りました。スミマセン。

そのヨーコさんは、先ほどまで「ライスシャワー」で奮闘していたもののRPには至らなかった模様。そして最後にナガシマ氏が「ジューンブライド」に再挑戦し、こちらもRPはできなかったものの、ムーブはある程度固まった様子でした。

この日はこれでおしまい。それぞれに宿題を持ち帰ることになったので、日をおかずにまたこの岩場に来たいものです。