塾長の山行記録

塾長の山行記録

私=juqchoの登山の記録集。基本は癒し系バリエーション、四季を通じて。

湯河原幕岩

日程:2004/03/06

概要:湯河原幕岩でスポートクライミング。

山頂:---

同行:山ヤ氏 / フルノ氏 / きむっち / タカダ氏 / ノリオくん / Niizawa氏 / Sakurai氏

山行寸描

▲すっきりした岩、きれいな梅、真っ青な海と空。まさに絶好のロケーション。(2004/03/06撮影)
▲「アナザガール」(5.9)を登る山ヤ氏。頑張れ!(2004/03/06撮影)
▲「ヘイ・ジュード」(5.10c)を登るノリオくん。彼のクライミングセンスには皆が脱帽。(2004/03/06撮影)

山ヤ氏が郷里の岩手県へ帰ることになり、その送別企画として湯河原幕岩でのクライミング。山ヤ氏の知人のフルノ氏が全体を仕切って下さって、とても楽しい一日となりました。参加したのは、泊まり組が山ヤ氏、フルノ氏、きむっち、タカダ氏、ノリオくん、それに日帰り組がNiizawa・Sakurai・私のおやぢれんじゃあトリオ。

2004/03/06

△10:40-16:20 テントウムシロック

朝方は雨が路面を濡らしていましたが、10時に湯河原駅で落ち合う頃にはすっかり晴れ上がって絶好のクライミング日和です。駅前からバスで湯河原梅林へ移動し、フルノ氏の案内で梅が満開の気持ちの良い道を歩いて、手近なてんとうむしロックエリアの右端の岩場でクライミングを開始することにしました。最初にトップロープを張ったのは「イット・ウォント・ビロング」(5.9+)「アイ・フィール・ファイン」(5.9)で、以後、順次左方向へ移動しながらフルノ氏が全てリードしてロープをセットし、皆は張られたロープに順番に食い付いていくという気楽なスタイルです。フルノさん、ありがとうございました!

登ったルート(全てTR)は次の通り。他に「フライング」(5.7)にもロープが張られましたが、私はこれは登りそこねました。

  • イット・ウォント・ビロング(5.9+)
  • アイ・フィール・ファイン(5.9)
  • (その左のフェースルート)
  • ハニーパイ(5.8)
  • イエス・イット・イズ(5.6)
  • アイム・ダウン(5.9)
  • イン・マイ・ライフ(5.9)
  • (その左のカンテルート)
  • アナザガール(5.9)
  • アンナ(5.7)
  • ヘイ・ジュード(5.10c)

これらの中で特に面白かったのは「イン・マイ・ライフ」「アナザガール」「ヘイ・ジュード」の3本でした。「イン・マイ・ライフ」はつるつるの1mほどを上のカチホールドで耐えて一歩上がり、そこからしわしわのスラブをフリクションでじりじり登って行くもの。「アナザガール」は高い位置にあるハングの乗り越しがポイントで、私は上のクラックに左手を差し込み、右手をその下のホールドに右へ引く形で添えて、左足を上げて思い切り身体を右へ振り込み横に浮いた状態から右上のちょっと遠いガバを取りに行くムーブで抜けました。「ヘイ・ジュード」は最初ルートがよくわからず、右へ左へ逃げ回ってあっけなく抜けてしまって不本意だったので、別のグループの人が登るのを見学してラインを再確認し、改めてトライしました。ポイントは1段上がったレッジから、これも細かいフットホールドにシューズの性能を信じて立ちこんでいくこと。クライミングは足が基本、というのがよくわかる1本でした。ただ、核心部の垂壁を抜けた後、最後のハングを越えるところでパンプしてワンテン入れてしまったのは、やはりそこまで腕の力に頼っていたせいなのでしょう。

それにしても凄かったのがノリオくんの登りで、ビレイの仕方も今日覚えたばかりといいますからまだ経験はあまりないはずですが、全てのルートをTRながら一撃していて、先生役のフルノ氏も驚いていました。核心部での登りは大胆で、「アナザガール」や「ヘイ・ジュード」で身体の軽さを活かして遠いホールドにデッドポイント気味に飛びつき抜けて行きました。

ところで、「アナザガール」を登ろうと場所を変えてふと見ると隣の「ジュリア」(5.9)を登っている2人組のリュックサックに「東京白稜会」と書いてあって、「もしや?」と思って顔をよく見ると、やはり昨年谷川岳の衝立岩中央稜を登ったときにお世話になったあのお二人でした。こんなところでお会いするとは、なんて奇遇。声を掛けるとお二人も我々のことを覚えていて、意外な再会を喜んでくれました。

16時頃になると日がかげってきて少し寒くなってきたので今日はおしまい。荷物を片付けてテントウムシロックを後にし、管理棟の前で山ヤ氏を囲み「蛍の光」を歌って泊まり組の皆さんと別れました。先ほどお会いした東京白稜会のお二人が車で駅まで送って下さるという言葉に甘えて、一路湯河原駅へ。再会を約束して愉快なお二人とも別れ、湯河原駅前の居酒屋で我々3人も打ち上げました。

岩場で耳にした、クライマー同士の会話。

「うちの会社は入室するときに指紋認証するんだけど、クライミングをした翌日は(指先が摩擦で磨り減っているため)入れてもらえなくなるんだよね」「そうそう、うちの会社もそうですよ」

指紋認証は案外普及しているんだなと感心するとともに、意外な弱点(?)を発見したようで驚きました。ちなみに、そういうときは写真付の社員カードを受付で(人の目で)確認してもらって中に入るのだそうです。やはり最後は人の力に頼ることになるわけか……。