西穂高岳〔敗退〕

日程:2000/09/15-16

概要:新穂高ロープウェイ終点の西穂高口から1時間歩いて西穂山荘泊。西穂独標まで行ったものの、ガスに包まれたために撤退。西穂山荘から上高地へ下山。

山頂:西穂独標 2,701m

同行:---

山行寸描

▲西穂高岳から槍ヶ岳にかけてのパノラマ。この天気が1日後ろにずれてくれていれば……。(2000/09/15撮影)

2000/09/15

△13:00 ロープウェイ西穂高口駅 → △14:00 西穂山荘

午前7時新宿発のスーパーあずさで松本へ行きバスで新穂高温泉に入ると、これ以上ない快晴の空の下に槍ヶ岳が見えています。さらにロープウェイの終点からは、西穂高岳から左へぐるっと槍ヶ岳、双六岳、笠ヶ岳まで見渡せ、ついため息が出てしまいました。今回の山行は西穂高岳から奥穂高岳への稜線を縦走し、途中ジャンダルムの上でパノラマ写真を撮ることを目的としているのですが、台風14号の動きが異常に遅く明日から悪天候が予想されていたため、なんとか明日の午前中だけでも天気がもってくれればと祈るような気持ちで家を出てきていたのでした。つまり、この天気が1日ずれて明日に来てくれていれば……というのがため息の理由なのですが、こればかりは自分の都合通りにはならないものです。ちなみにロープウェイの中では「明日は台風の影響による強風のため運休の可能性がある」とのアナウンスもなされていました。

樹林の中の道を歩くこと1時間、傾斜が緩やかになって発電機の音が聞こえてきたと思ったら、赤い実が目立つナナカマド畑の中の木道の先に西穂山荘が現れました。ここに来るのはちょうど10年ぶりですが、山荘は一度火事で消失しその後再建されているので、以前泊まったものとは全く違う建物です。感じの良い受付で宿泊の手続をした際に明日奥穂高岳を目指すことを告げると「浮き石が多くなっているので注意するように」とのアドバイスとともにピンクの紙を渡されました。それにはこれからどんな所へ向かうのか本当に分かっていますか?国内でも1、2を争う危険なルートです!と刺激的なキャッチで警察・遭対協からの注意が記されていました。

21時消灯。ところが部屋は恐ろしく暑く、おまけにこれまで経験したことがないほどのデシベル数のいびきの競演に悩まされました。暑さといびきの大きさとの間には何らかの相関関係があるのかもしれないと思っていたら今度はうなされて奇声を発する者まで現れて、まったく眠れませんでした。

2000/09/16

△04:15 西穂山荘 → △05:20-45 西穂独標 → △07:05 西穂山荘 → △09:15 上高地

3時半起床。外に出てみると風が信州側から飛騨側に向かってびゅうびゅう唸りをあげており、凄い勢いで雲が飛んでいます。日の出は5時半すぎなので独標の上で日の出の時刻を迎えられるように出発することにし、まずは昨夜のうちにもらっていた弁当を食べてから身繕いをしてヘッドランプの明かりを頼りに出発しましたが、気温は高くヤッケの必要もありません。

西穂独標までは難しいところもなく、淡々と歩いて到着しそこで日の出を待ちましたが、時刻になっても周囲はガスに包まれたままで何も変化がありません。

さぁ、どうしよう?

どうやら天頂部は青みがかっているのでガスの上は晴れているようですから、少なくともあと数時間は雨に降られることはないかもしれません。しかし相手が台風だけにこれからどう変化するかが読めないし、昨夜の天気予報でも好材料は見当たりませんでした。それにこれだけガスが吹きまくっていては、たとえ雨にならなくても岩がびしょ濡れになることに変わりはありませんし、何より、これでは展望が期待できそうにありません。単なる記録作りならためらわずに突っ込むところですが、今回はこの区間の高度感と展望にこだわりたいのですから、ガスに包まれたまま歩き通したとしても目的を達したことにはなりません。

……と言った具合に心を決めて、ここから撤退することに決めました。

すっぱり撤退と決めたにもかかわらず登りよりも下りの方が時間がかかっているのは、時折ガスの切れ目から覗く青空を未練たらたら見上げていたからで、この辺りの煩悩を払拭できないのはまだまだ修行が足りない証拠です。それでも山荘前に戻るとさすがに諦めがついて、ただちに上高地方面への下山道を下り2時間強でバスターミナルに到着したらすぐに出発するバスに乗って、新島々〜松本と毎度のルートを辿り15時頃に帰宅しました。

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