小川山の岩場

日程:2016/05/01

概要:小川山八幡沢左岸スラブでのスポートクライミング。

山頂:---

同行:おトミさん / リンタロウさん / セキネくん / カンキさん / オシミさん

山行寸描

▲小川山の一日。風が強い日だったので、八幡沢左岸スラブでのんびり半日を過ごした。(2016/05/01撮影)

例年ゴールデンウィークは後立山を中心に雪山に行くことが多かったのですが、今年は寡雪を嫌気して早々に雪山は諦め、熊野古道の奥駈道を吉野から熊野本宮へ歩くことを計画しました。しかし行程の後半に予想される雨天と直前の仕事疲れからこの山行は取りやめ、がらっと趣を変えて奈良の社寺を巡ることに。これはこれで充実していましたが、何も身体を動かさないのは身体に良くない(?)と前半の三連休の最終日を小川山で過ごすことにしました。

2016/05/01

△09:20-18:00 廻り目平

おトミさん、リンタロウさん、カンキさん、そしてリンタロウさんの同僚で半年ぶりのクライミングだというオシミさん(おトミさん曰く「リンの社畜仲間」……)は前日から廻り目平に入っていて1泊2日。私は始発電車で渋谷から大月に移動し、セキネ号に拾ってもらって9時すぎに現地入りとなりました。まだくすぶっている焚火跡の近くでテントを片付け終えたばかりのおトミさんたちとつつがなく合流し、さてどうしよう?と打ち合わせた結果、この日吹き荒れている風を避けられそうな八幡沢左岸スラブへ向かうことになりました。

ヴィクターの横を抜けて少しの登りで目的地に到着しギアを装着。アップで「トムといっしょ」を登りたかったのですが先行がいたためにこれは諦め、「春のもどり雪」を登るというカンキ・オシミ組を見送ってからスラブの前へ進みました。

左岸スラブ

ブラック&ホワイト(5.10b)
セキネくん渾身の1本。トポに実質一歩の核心なので、グレーディングがむずかしいと書かれていますが、やはりそこで痛恨のテンションがかかってしまいました。
私は後からトップロープで触らせてもらいましたが、出だしのトラバースもこなせず凹……。しかしゴボウで登っての「核心の一歩」はなぜか立ててしまうから不思議です。ミウラの力か?
ジャーマンスープレックス(5.10c)
昔々、クライミング教則ビデオの中で保坂風美枝さんが登っている映像を見たことがありますが、直に対面したのはこれが初めて。セキネくんのさらなる渾身の1本となりました。足を滑らせてハングドックしてはムーブ(というよりフットホールド)を探ることをこれでもかというくらいに繰り返し、ついに粘り勝ちでTOの後にすっきりRP。私も触ってはみましたが、いや、これは立てないでしょう、普通。
トムといっしょ(5.10a)
15年前にトップロープで登った課題。おトミさんが先にリードして掛けておいてくれたクイックドローを使わせていただいて、気持ち良くRP。前傾したコーナーからテラスの上に上がった後の最後の直上部では、出だし右足を上げヒールで身体を保持するムーブが有効でしたが、これはおトミさんの登りからパクったものです。やっぱりスラブではなくこうした凸凹がある課題の方が気分いいな。
雨がやんだら(5.11b)
「トムといっしょ」の右側の薄く前傾した壁の中央をカチ頼りに登るルート。セキネくんの正真正銘の渾身課題。スラブの2本とは異なる気合の入れようで際どく登り、最後に右上方向へ出口のリップを探ったところで力尽きてワンテンとなりましたが、最後は左上にかわし気味に抜けて良かったようです。これを解明して2便目で見事にRP。もしルートどりを正しく把握していたらOSできたでしょうから、惜しいことをしました。私はまたしてもトップロープで触らせてもらいましたが、ボルダリングジムからすっかり足が遠のいているためにカチ持ちができず、早々にギブアップ。ゴボウで登ってクイックドローを回収するにとどまりました。
ビスタの夏休み(5.9) RP
「春のもどり雪」の出だしの右上にある樹林の中のスラブ課題。「だましだまし登る感じだからjuqchoさんに合っていると思う」という失礼なんだかそうでないんだかわからない勧め方をおトミさんからされて臨んだ課題で、膨らんだスラブ状ではあるもののフリクションも良く要所に出っ張りがあって楽しく登れるルート。当然これはOS狙いで取り付いたのですが、たった一歩の核心の箇所で右足→左足と小さく上げれば良かったところを右足1本で立ち上がってしまったために身動きがとれなくなり、残念ながらテンション。正しい足順を発見して上に抜けてから取付に戻ったものの、どうにも無念さが収まらず(私には珍しく)2便目を出してRPすることができました。なお、セキネくんは隣の「往年の乱」(5.10b)をOSしましたが、やはりスラブのフリクション頼み・ランナウトには脈拍数を上げた模様です。

17時を回ったところで岩場を後にし、ボリューミーな中華料理を食べて帰京。帰りはリンタロウさんが運転する車で都内まで送ってもらいました。久しぶりのスラブの感覚は、やはり最初は「怖い」の一言につきましたが、それでも思ったよりは足が止まる実感があって、最後の「ビスタの夏休み」では岩に触る楽しさを満喫することができました(5.9で吠えるのはいささか恥ずかしいものがありましたが)。天気が許せば次は5月8日に再び小川山の予定なので、この日得られた足の感覚を大事に持ち込みたいものです。