城ヶ崎海岸

日程:2013/04/13

概要:アルパインガイド保科雅則氏の保科クライミングスクールの講習で、城ヶ崎海岸ファミリークラックエリアでクラッククライミングの練習。

山頂:---

同行:保科雅則ガイド

山行寸描

▲ファミリークラックエリアの様子。一段落したところで、隣のおたつ磯も見学。(2013/04/13撮影)
▲アンクルクラック(5.9)。TRでも上部のハングを乗り越せず……。(2013/04/13撮影)

2013/04/13

△10:15-15:55 ファミリークラックエリア

この数日、熱を出して極めて体調が悪く、この日予約していたクラック講習をキャンセルしようかどうしようかと直前まで悩んだのですが、前夜21時に就寝して午前6時まで9時間爆睡したところどうにか体調回復。午前7時渋谷駅発の山手線に乗り、東海道線から熱海で乗り換えて伊豆高原まで2時間50分の電車の旅もほとんど夢の中でした。

クラッククライミングは、大昔に小川山でちらりと体験したことがあるのですが、それ以来まったくと言っていいほど縁がなく、いつかどこかでちゃんと習っておきたいと思っていたもの。この日は保科ガイドの案内で他のお客3人と共にファミリークラックエリア(橋立吊橋の下の入江)に下り立ち、手の甲にテープをばっちり貼って、トップロープで練習を重ねました。

登ったルートは、計5本。最初が「ベビークラック」(5.7)で、保科ガイドから「説明抜きで、まずは登ってみましょう」と言われて取り付きましたが、これは出だしから少し上のワンポイントだけハンドジャム&フットジャムでのクラック登りになるものの、後は普通のフェースクライミングなので、まあ問題なし。次にその左隣の「シスタークラック」(5.8)の右のフェースから登るライン。これも同様に登れます。

ついで、目いっぱいハンドジャムを利かせないとハングを越えられない「アンクルクラック」(5.9)。痛い痛いと言いながらも、二度三度トライしているうちに下部の核心はクリアできるようになりましたが、上部のハング越えあたりになると前腕の力が吸い取られた後で、抜けることができませんでした。ここはトップロープを張るときに保科ガイドがリードで手本を見せてくれていたのですが、どうしてあんなに軽やかに登れるのか……。

気分を変えて、「シスタークラック」の本来のラインである(と思われる)クラック部分も登りましたが、どうしても右フェースに助けを求めないと抜けられませんでした。このラインは左手でジャムを決め、右手は左手の動きを支えるためにカンテ持ちっぽく使うのだそうですが、ジャミングが利いているという感覚がいまひとつつかめませんでした。

さらに、小粒で辛い「マイクラック」(5.10a)。下から2/3までは誰でも登れて、ポイントはそこから右上へ被った部分のクラックへの対処ですが、保科ガイドがして見せたように正攻法のハンドジャムでは誰も越えられず、最後に登った私が左手のガバを頼りにフリで右手を遠くへ伸ばすムーブを発見すると(←でもそこまで……)、このムーブを駆使した別のお客1人がその後に渾身のTOを見せてくれました。

ひとしきり登って、隣のおたつ磯も見学。有名なTR課題である「悟空ハング」(5.11b)の下地がずいぶん上がっていることに驚いたりしながら、大室山の溶岩が海に落ち込んでできた柱状節理と皿状の岩が重なったハングなどの立体的な地形と、そこに引かれたダイナミックな各種ラインを眺めました。振り返れば海の向こうには、大島や新島、遠くには三宅島。そして見学終了後、もう1本ずつ各自好きな課題を登って講習終了。私は「シスタークラック」でジャミングの感覚を再度試しましたが、やっぱり確信が得られずに終わりました。まだまだ修行が必要であるようです。カムを自分で使う場面もなかったし、あと何度かはクラック講習に通わないと……。

講習終了後は観光モードになって、橋立吊橋を渡って先ほどまで悪戦苦闘していた岩場を見下ろしたり、海の透明度の高さに感心したり、水原秋桜子の句碑磯魚の笠子もあかし山椿を眺めたりしてから伊豆高原駅に戻って解散しました。近くに温泉もあって、お客のうち2人はそちらへ向かいましたが、体調不十分の私はパス。次回来るときは、温泉もセットで考えたいものです。

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