塾長の山行記録
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塾長の山行記録

火打山〜妙高山

日程:1989/10/28-29

概要:笹ヶ峰から高谷池経由で火打山に達したのち黒沢池ヒュッテ泊。翌日、妙高山を越えて燕温泉に下る。久しぶりの単独行。

山頂:火打山 2,462m / 妙高山 2,446m

同行:---

山行寸描

▲優美な姿を横たえる火打山。緩やかにカーブを描く山頂にはもう雪が積もっていた。(1989/10/28撮影)
▲火打山からの焼山。かつて死者を出したこともある活火山。(1989/10/28撮影)
▲火打山からの妙高山。典型的な二重式火山の姿を示して興味深い。(1989/10/28撮影)

1989/10/28

△08:55 笹谷峠 → △11:55-12:00 高谷池 → △13:25-55 火打山 → △15:05 高谷池 → △15:50 黒沢池ヒュッテ

明るい冬枯れの道を、腐葉土の温かい匂いに包まれながら歩きます。夜行の寝不足にバスの荒っぽい連転が加わり乗物酔いの絶不調のせいもありますが、同時に単独行の気楽さもあって頻繁に休憩を入れました。近くで事故があったらしく捜素隊が出ていて緊張しましたが、高谷池の手前30分辺りで火打山が優美な姿を現すとようやく足が軽くなりました。

三角屋根の高谷池ヒュッテの回りには何組も登山者がたむろしていましたが、今回はここには泊まらないのでまっすぐ火打山を目指します。ヒュッテから上は今月上句に立山で遭難者を出した時に降り積もったと思われる雪に覆われた道になりました。

シャリバテで雪面にステップが決まらない状態でしたが、頑張り続けるといつの間にか火打山頂に到着。薄曇りで北アルプスは見通せませんが、隣で蒸気を上げる焼山や、振り返ると王冠のような妙高山が大きく、南には黒姫山・飯縄山・戸隠山なども並び、久しぶりの山岳展望を楽しみました。

黒沢池ヒュッテはユニークな青いドーム型のヒュッテ。夜は長野在住の3人組から「あなたは中学の英語の教師か?」(……イヤ公務員ダ)「こういうところに来る公務員は残念ながら出世できない。世の中間違っている」(決メツケテモラッテハ困ル……)とさかんに話し掛けられました。

1989/10/29

△06:55 黒沢池ヒュッテ → △09:10-30/10:30-12:00 妙高山 → △13:20 天狗平 → △14:45 燕温泉

霰の降る戸外を見やり、出発をためらいながらの朝食はクレープ。戸外のトイレで扉を閉めた拍子に外の錠が下りて閉じ込められた客がおり「雪隠詰め」と笑われていましたが、やがて外はガスだけになったので、意を決してスパッツを着け軽アイゼンで氷の道を登りました。視界は悪いものの、時折ガスが払われると発達した樹氷が白く輝くのがすてきです。

さしたる眺めの無いままに妙高山頂に到着。天頂部に時々青空が広がりましたが、ガスが晴れる気配はありません。仕方なく下山を開始したものの下り口を誤り20分のロス。ところがこれが幸いして、稜線からおよそ100m下の辺りから天候が好転し始めたため、喜び勇んで登り返しました。

すっかりガスがとれて晴れ上がった岩がちの細長い山頂部は樹木も岩もエピノシッポが輝き、白いモクモクした雲が妙高山だけを避けるように左右を流れています。ここ3回の山行の悪天はやはり雨女のせいであったかと一人ほくそ笑みながら雪の山頂に腰を落ち着けて紅茶を沸かし、凍ったシシウドや半分以上冬毛の雷鳥、雲海の上の白馬三山の写真を撮り、1時間半もたった一人のサミットを楽しみました。襟巻のような外輪山の山肌や下山路の左右にも氷の樹林が展開し、遠目には満開の桜のようです。

下山の途中では硫黄の匂う沢沿いから滝を眺め、やがて渓谷を見下ろす整備された道を下りました。燕温泉直前で抜り返ると、逆光の中に妙高山が大きな姿を聳え立たせていました。

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